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怒り、苦しみ、破壊し、創造する!世界プロレス式コミュニケーションガイド研究所所長の体験談ブログ(42) くたばれ!まちおこしその②

2016/10/28

私が利益と夢の一挙両得を狙うというと、あなたは「そんなに金儲けしたいのか?」と思われるかもしれません。結論から言えば、金儲けはしたいです。一度くらいは「(金が)あればあったで困ることはない」レベルの生活を体験してみたいな、とは思います。でもはっきり言えばそれ以上の執着は私にはありません。

元々私はお金や自分の価値にはとことん関心のない人間でした。だから働いて対価を得るという行為自体、自分には縁がないというくらいに無頓着でした。昔ほどではないですが、今も自分に価値はないという感覚には苛まれています。その私が自分の価値を見出して、自分を価値ある人間として認めることこそが、まちおこしにくたばれ!と言い放つ大きな理由の一つでもあります。元来対価を得てはいけないと思い込んでいた私が、実際働いて対価を得ようとしてもどんどん先細りしていくだけでした。だいたい私の働きに価値なんかないと思い込んでいるのですから、昇給にも興味がないし、出世したいという欲求もありませんでした。ただ、自分が好きなことをして生活していけるだけのお金さえあれば、それでよかったのです。

だからむしろただ働きは価値のない私にとってはちょうどいい働き方だったのです。滅私奉公という言葉があります。滅私奉公とは一般的に、私心や私情を抑えて、国家・地方公共団体・社会・世間などに対して奉仕する精神を意味します。

私はこの滅私奉公を一時期座右の銘としていたほど、傾倒していました。この滅私奉公という考え方は、個人主義私利私欲の対極にある思想のひとつと見なされ、過度な実践は自己犠牲を伴い、全体主義に繋がることもあるといわれています。個人主義の発祥の地である欧米諸国においても、公に対する忠誠や献身的精神は究極の愛の形として高く評価されることもありますが、「滅私」は自身の利益や欲求を捨てることであり、「奉公」は公や立場が上の者に奉仕することを意味を持ちます。

つまり私欲などはなからない私にとっては、何も考えず上の命令に従って奉仕することは非常に楽な生き方だったわけです。でもそれによって私の心身にひずみが生じ始めました。そこからこの滅私奉公という言葉には違和感を感じるようになっていきました。まちおこしやボランティアはある意味滅私奉公の精神を必要としています。しかし過度に滅私奉公を信奉している人間がかかわりすぎていると自らを奴隷化しかねません。あくまで本業があってそのついでにやるから、対価が夢でもいいのです。でも私のように自分の価値を低く見積もって、自分から積極的に対価を得ようとしない人間にとってはそれは疲弊するしかないということと同じ意味になります。

私がかかわったまちおこしは夢の実現のために私欲を捨てる部分もある、ある意味では矛盾も抱えていました。でもそれはうまい具合にバランスをとっていくことで成り立っていました。ほかの人はそれでよかったのです。しかしもともと自分に価値があるなんて思っていない私にとってはそのバランス取りでは常にふらふらしていました。だからまちおこしに関わってからしばらくは本当に自分が何をしたくてこの場にいるのか本当にわかっていませんでした。ただ、なんとなくいただけですね。

でも自分に価値があることを自分で認めることに慣れてくると今の自分の立ち位置でまちおこしに関わることが極めて不安定なことになっていることに気が付かされました。私とほかの皆さんとの決定的な違いは自分に対して価値を感じていないことと、自分が価値あるものとして対価を稼いでいないというところにありました。そこがひけめになっていたんですね。夢の実現の場をまちおこしにしてしまうと、対価がお金という形では発生しないわけですから、自分の夢なんてしょせんこんなもんなんだ、という感覚で結末を迎えてしまいます。でもそれでは嫌だったんですね。

世の中で「お金は関係ない。夢の実現が第一」という人には二種類いると思います。ひとつは自分の価値をきちんと認められているタイプ、もうひとつは自分が評価されてきちんと対価を稼いでいるタイプです。ちなみに今の私はそのどちらでもありません。であるならば、これ以上自分の限られた時間を削ってまちおこしに関わるのは私の生活を根幹から揺るがすものになりかねません。

まずは自分の価値をしっかり自分で認めて、そのうえで他者からも認められること、これが私の言う利益と理想の一挙両得の完成形なのです。そのためにはまちおこしに幻想を抱かずに、夢の実現のために関わるのであれば自分の価値をしっかり見定める必要があったのです。

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