[心理×音楽コラム] 200%元気がもらえる心理学的音楽徒然草(17) 心に汗を
本日はアニソンより、「心に汗を」をご紹介します。
これは新・巨人の星IIのオープニングテーマで、水木一郎さんが歌われています。
作曲はゆけゆけ飛雄馬同様、渡辺岳夫さんによるものですが、この心に汗をは以下の点で大きな変化が見られます。
(1)根性が前面に出ていない
山川啓介さんの詞による力が大きいのですが、根性のかわりに、青春や夢などがフィーチャーされています。
根性という言葉を「どう生きる」「自分に勝つ」「心の汗」「生きる手応え」などと表現しなおしているのも印象的です。
(2)曲調の変化
ゆけゆけ飛雄馬のような勇壮さは陰を潜め、明るい感じの曲調で青春色を強めています。
また、新・巨人の星IIは前作、新・巨人の星より半年の期間をあけて放送されましたが、これは宇宙戦艦ヤマト2の放送を間に挟んだためです。
放送されていた時代は根性論から次第に青春路線にシフトチェンジしていく過渡期にあたっています。
1978年、アニメ版新・巨人の星が始まったこの年には、あだち充さんのナインという作品の連載がスタートしています。
ナインは大ヒット作になったタッチのプロトタイプ的作品で、83年にはアニメ化もされています。
その際、主人公である新見克也を演じたのが、星飛雄馬役でおなじみの古谷徹さんでした。
79年には機動戦士ガンダムでアムロ役を担当された古谷さんですが、実は同年に新・巨人の星IIで星飛雄馬も演じられています。
根性路線の巨人の星と、青春路線のナイン。
全く毛色の異なる両作品で同じ声優さんが主演されたという事実は大変興味深いですね。
こうした個人や時代の過渡期を見事に表現しているのが、心に汗をという曲ではないかと私は思うのです。(実は私のカラオケの十八番です^^)