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映画鑑賞記・劇場版宇宙戦士バルディオス

物語はソウルと呼ばれる恒星の第1惑星、S-1星から始まる。かつては高度な文明を誇っていたが、いつの頃からか地表は放射能に汚染され、地下都市でしか生活のできない星と化していた。さらに放射能汚染と物資不足は年を追うほど深刻な状況となっており、地下都市の人民の生活すら存続が危うくなっていた。S-1星首脳部では2つのグループの意見が対立していた。一つは、科学力による放射能の浄化を第一とする科学者グループ、もう一つは軍事力によって居住可能な惑星を侵略し、その星への移住を主張する軍部である。だが、軍部を掌握する皇帝親衛隊のガットラーは、皇帝を暗殺し最高権力者、総統を名乗り、亜空間要塞「アルゴル」で侵略目標の惑星へと旅立つ。親衛隊によって科学者の父を殺され、皇帝殺しの濡れ衣を着せられたマリン・レイガンは、亜空間戦闘機パルサバーンでアルゴルに戦いを挑むが、アルゴルの亜空間突入に巻き込まれてしまう。
亜空間突入時のトラブルから西暦2100年の太陽系へと流れ着いたアルゴルは、第3惑星・地球が居住可能と知り、アルデバロンは侵略を開始した。一方、地球防衛組織・ブルーフィクサーのバルディプライズに救出されたマリンは、ガットラーへの復讐心とパルサバーンを唯一操縦できる才能、そして何よりも青い海、大自然を愛する心を認められ、パルサバーンに地球メカを改造、合体させることによって誕生した巨大ロボット「バルディオス」でアルデバロンと戦うこととなる。
味方である地球人たちからは孤立し、そして同胞であるS-1星人からは裏切り者と罵られながらマリンは孤独で過酷な運命へと立ち向かっていく。

幾多の戦いを経て、水星と金星が消滅し、地球の地形が一変するほどの激しい戦いの中、マリンは人類が恐るべきタイム・パラドックスの渦中にいることを知る。

まず30分でテレビ版39話のストーリーをほぼ前半ですっ飛ばしているのがすごい。イデオンだって、接触編つくったのに、ある意味いさぎよすぎる。

ついでに書き足した作画とテレビ版の絵に差がありすぎ。監督も作画監督も劇場版のためにそろえたものだから、こういうことがおきる。

なぜかキャストもほぼとっかえられてるし、劇場版イデオンの影響がもろにわかるラストや、悲恋性を前面に出した演出や、エンディングでファンが作った詩が字幕で流れるなど、とにかくこそばゆいことこの上ない。

同じ打ち切りものでもこっちは映画館までいってみたいタイプの作品じゃないなあということ。でも当時はいわゆるヤマト商法で打ち切られたTV作品を再編集して劇場にかけることが流行っていたから、それがなかったらこの作品は生まれてなかったかもしれない。

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