[アニメ感想] 2019年秋アニメ完走分感想文 BEASTARS
2020/01/22
肉食獣と草食獣の共存する世界。
食肉が重罪とされるなか、名門校・チェリートン学園で演劇部の生徒が食い殺される“食殺事件”が起きる。
犯人は見つからず、不安に揺れる生徒たち。そんな中、演劇部では死んだ生徒の代役を巡っていさかいが起きる。
次期『ビースター』候補とささやかれ、演劇部のカリスマ的存在であるアカシカのルイに、逆恨みをした肉食獣の部員が襲いかかったのだ。それを庇ったのは、照明係の二年生・レゴシ。
『鋭い爪』や『大きな体』など、強そうな外見とは裏腹に、心優しく無口で不器用なオスのハイイロオオカミだ。
だが、当のルイはそんなレゴシを偽善的で気に食わないと言い、強引に夜間練習の見張りに任命する。夜。誰もいない講堂裏の裏庭で、ひとり見張りをしていたレゴシの前に現れたのは―――
小さな白いドワーフウサギの女子生徒・ハル。その匂いを嗅いだ瞬間、レゴシの体を本能が駆け巡る。
我を忘れて襲いかかり、気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。
腕の中で聞こえる鼓動が自分のものか、彼女のものかもわからない。
しかしこのハルと、そして自分の本能との出会いが、静かで穏やかだったレゴシの人生を大きく変えていく。
彼女へのこの感情は、恋なのか? それとも食欲なのか?オスとメス、肉食獣と草食獣。
それぞれの痛み、そして強さや弱さに直面しながら、悩めるレゴシの青春がいま始まった―――(あらすじは公式HPより)
わかりやすいようで深い
原作は、板垣巴留さんの描く人間模様を動物に例えた漫画で、本作はそのCGアニメ化作品。
まず、個人的に驚いたのはストップモーション・アニメで製作されたOP。そもそもフルCGという本編に対して、何とクレイアニメという物凄く手間のかかる上に、立体化しにくいキャラクターを見事に生かし切ったのは唸らされた。
一話一話の盛り上がり、ED入る前のここで切る?続きみたい!って思わせる演出は毎回ハラハラさせられた。
一応一区切りで話は終わってるけど、二期あるらしいので、続きは気になる感じ。
肉食動物と草食動物が表面的には仲良く暮らしている世界観はわかりやすいようで深い。
BEASTARSは、自分の常識とこの世界観の常識とが色々混乱する。三角関係だったり恋の話は人間も動物も一緒。
女性が描く「青年漫画」
そして、男女関係の描写は生々しい。ハルちゃん艶かしすぎる。演じている千本木彩花さんの演技力にもひきずりこまれた。
BEASTARSは、動物に例えているとは言え、男と女の関係を両方の視点から描けているという意味ではリアリティはあるかも。しかし、「少女漫画」ではなく「うる星やつら」などと同じ女性が描く「青年漫画」なのが面白い。
まあ、文句なく2019年秋アニメNo.1の作品であることはいうまでもないが、お父さんの作品である「刃牙」のアニメ共々「BEASTARS」がNetflix独占配信というのは単なる偶然だろうか(笑)
お父さんは、親と子の関係抜きに娘の才能を「売れる」と確信していらしたそうだが、たしかに「BEASTARS」と刃牙には、板垣姓とNetflix配信、そして秋田書店系列で連載している以外の共通点はない。
それだけに行く末を見届けたいという意味では、今後もBEASTARSを視聴し続けたいと思う。