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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 果てしない闇の彼方に

2019/04/15

オープニングはメジャーだけど

今回は、1980年から81年にかけて日本テレビ系列で放送されていた「あしたのジョー2」のエンディング主題歌「果てしなき闇の彼方に」をご紹介します。もともと、アニメ版「あしたのジョー」は、原作に追いついてしまい、止むを得ず途中で終了することになりました。そして、時を経て1980年にテレビシリーズの力石徹との死闘までを再編集した、劇場版「あしたのジョー」が公開になりました。

「あしたのジョー2」というのは、力石戦から、原作最終回にあるジョーが真っ白に燃え尽きるシーンまでをアニメ化したものです。「あしたのジョー2」は、劇場版に先んじてテレビシリーズが作られて、放送されていました。

ちなみに、放送枠はルパン三世(第2シリーズ)が放送されていた月曜夜7時でした。ルパン三世は、試験的に一部のエピソードにステレオ音声が導入されていますが、テレビシリーズのあしたのジョー2は、日本ではじめてフルシリーズ、ステレオ音声で制作・放送されました。

あしたのジョーというと、パート1からそうですが、一貫してオープニングがメジャーで、あまりエンディングが省みられることがないように、私には思えてなりません。

進化した出崎演出

あしたのジョー2ではオープニングの前期が「傷だらけの栄光」、後期が「MIDNIGHT BLUES」と別れていますが、エンディングは「果てしなき闇の彼方に」一曲です。

最も歌手とアレンジが異なっており、前期は「傷だらけの栄光」と同じくおぼたけしさん、後期はあしたのジョー2の音楽全編を担当した荒木一郎さんが「MIDNIGHT BLUES」と同様に担当されています。

あしたのジョー2で特徴的なのは、やはりこの時期に絶頂期を迎えていた出崎演出の華やかさと、それを支えた杉野昭夫作画監督ならびに、小林七郎さんの背景美術の華麗なるお仕事ぶりが挙げられます。

宝島からさらに進化した数々の出崎演出の手法は、21世紀になった現在も数々のアニメ作品に受け継がれていますが、その萌芽の殆どが、このあしたのジョー2で見ることができます。

テレビ版と比べると・・・

さて、あしたのジョー2には、「劇場版」も存在しています。公開当時「テレビより先にジョーが燃え尽きるエンディングが見られる」という触れ込みで、再編集ではなく、完全新作でした。

劇場版の画はテレビシリーズにも流用されますが、キャストや音楽の一部が劇場版とテレビシリーズでは異なります。個人的には劇場版のキャストや主題歌に若干違和感があって、公開当時はジョー山中さんが作られた「あしたのジョー~明日への叫び~」や「青春の終章(ピリオド)〜JOE…FOREVER〜」に関して、しっくりこないものを感じていました。

最もこれは歌手が変わりながら、1年毎週通しで流れていた「果てしなき闇の彼方に」に比べ、「青春の終章(ピリオド)〜JOE…FOREVER〜」は、劇場版のラストにしかかかりません。ましてやテレビ版は劇場版に先行して世に出ていたわけで、これは作詞作曲歌唱を担当されたジョー山中さんに問題があったわけではありません。

万人万様の想い

ただ、あしたのジョー自体、ジョー役のあおい輝彦さんにしても、丹下段平役の藤岡重慶さんにしても、専業の声優さんではありませんが、声優外声優を起用した稀有な成功例でもありました。

稀有と書いた通り、1980年代にも声優でない方の声優起用には懐疑的な見方がすでにありました。ジョー山中さんは劇場版あしたのジョー2では、カーロス・リベラ役を担当していましたが、テレビシリーズでは中尾隆聖さんが演じられていたため、多少割りを食った感は否めません。

そんなこともあり、私の中では1980年から「ジョーが燃え尽きるシーン」=「果てしなき闇の彼方に」で固定されてしまっているのです。まあ、時を経て「青春の終章(ピリオド)〜JOE…FOREVER〜」を単体で聴くと、なかなかよい曲であることには間違いないとは思えるようにはなりました。

1980年代に誰しもが知る名場面である「真っ白に燃え尽きる」シーンを描くためだけに作られたと言っても過言ではない「あしたのジョー2」ですけど、あのラストには万人万様の想いがあるかと私は考えています。

名曲揃いのあしたのジョーシリーズだからこそ、こうした議論はおこりえるのですから、それをリアルタイムで享受できた私はつくづく幸せものだな、と思っています。

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