[アニメ感想] 2018年夏アニメ完走分感想文 はるかなレシーブ
2018/10/15
東京から来た遥を沖縄の空港で出迎えてくれたのは、いとこのかなただった。かなたとともに祖母の家に到着した遥は、家の前に広がる海に感激。駆け出した海辺でビーチバレーをする2人の少女と遭遇する。(あらすじは公式HPより)
萌え系熱血スポーツアニメ
夏アニメでは、はねバドと並んでスポーツ枠に入る作品。個人的にははねバドにしろ、はるかなレシーブにしろ、根性ものの要素はそんなにないと考えているので、熱さはあるけど「スポ根」のくくりには入れないつもりでいる。
はるかなレシーブの第一印象は、萌え系熱血スポーツアニメとでも言おうか。題材が女子ビーチバレーということで、どうしてもコスチュームに目が行きがちだが、絵を描く視点からみると、服装で体型が誤魔化せないので、作画の負担を考えると大変だったのではないか、と思う。
だいたい体型が丸見えになっている=エロ路線かというと、そうではないわけで、エロ路線の得意な女流漫画家さんがいるように、中身がおっさん成分高めだと、作品にもエロ要素が色濃く出てしまう。逆に男性作家でもお色気路線が控えめになる方もいたりする。
窪岡俊之監督はアイドルマスターなどのキャラクターデザインでも知られるベテランアニメーターさんだが、師匠にあたる湖川友謙さんが骨格を捉えて描く絵描きだったことを考えると、納得がいく。
「はるかなレシーブ」では、スタッフロールを拝見すると、窪岡監督自らが原画マンとして参加している回が見受けられるが、このあたりもビーチバレーをより迫力ある画面で捉えようとらしている意気込みが感じられる。
ワンクールアニメの弊害
ただ、残念だったのは原作にあったであろう描写がかなりの部分カットされていたことで、これはワンクール12話完結型アニメの弊害だといえるだろう。
おかげで主人公のはるかなペアの一人、大空遙が、ビーチバレー初心者にも関わらず、最終話では全国2位のコンビを破るまでに成長を遂げてしまっているのだから、あまりに急展開すぎる。
本当は作中で飛ばした一年の間を時間をかけてじっくり描いて欲しかったのだけど、このあたりは監督はじめスタッフも断腸の思いがあったのかもしれない。
たしかにクライマックスの試合は、最終回にふさわしい盛り上がりを見せていたし、作画的にも気合が入っていたのは認めるが、やはり力が入っている分、本来のストーリーを経て、決勝戦を見たかったという気持ちも捨てきれない。
だから個人的には二期より「完全版」をアニメで見たいという希望があるのだが、今のところそれを叶えるには原作を読破せざるをえない。それはそれでもいいのだが…。