回転!揺りイス固め.NEO

アニメ好きが高じて色んな感想を書いている老害オタクのブログ

*

[アニメ感想] 2018年夏アニメ完走分感想文 プラネット・ウィズ

2018/10/11

「おれは、おれが味方したい人達の味方だ。そんだけだ!」

過去の記憶を失いながらも、平穏に暮らしていた高校生・黒井宗矢。だがある日、世界は謎の巨大兵器「ネビュラウェポン」に突如襲われる。猫のような姿をした「先生」とゴスロリ姿の銀子と共に、宗矢は戦いに巻き込まれることになったが、なんと相手は人類を護る7人のヒーローの方だった!宗矢の記憶に隠された戦う理由とは?

気鋭の漫画家・水上悟志が贈るオリジナルアニメーション、ここに開幕!(あらすじは公式HPより)

ロボットアニメの可能性

漫画家・水上悟志さん原作ではあるのだが、アニメ用に書き下ろされた1074ページものネーム(アニメにおける台本と絵コンテにあたるもの)を基に制作されたオリジナルアニメ。

アニメ用に作られたネームを元に水上さん自身も「プラネット・ウィズ」をマンガ化している。当然アニメが先に終わっているため、漫画が果たしてアニメと同じ終わり方をするかどうかは、アニメ放送終了の時点ではわからない。

ぶっちゃけ、近年のロボットアニメは不作が続いている。極論をいえば、「ロボットアニメ不要」という声すら聞こえてくる昨今にあって、「プラネット・ウィズ」は稀に見る、かなりの当たりだったのかな、と私は思う。元々、非日常系の作風を持ち味にしている水上さんのよく練られたシナリオと視聴者目線の魅せ方を意識した演出はやはり見事と言わざるを得ない。

キャラクターデザインもメカデザインも「今風」ではないのだが、逆にそれが味になっていた。こうした「プラネット・ウィズ」のような作品に出会えると、ロボットアニメもまだまだ可能性を持っていることが証明された感じさえする。

1クール作品だったことも良作に繋がった一因かもしれない。SF作品といえば、やはり長尺でじっくり描いてこそ、みたいな部分はある。ロボットアニメの代表格である「機動戦士ガンダム」は、当初一年で作られる予定だった作品(実際は39話で打ち切り)だったわけで、40年くらい前ならそれで当たり前。

近作でも半年は続けるケースも決して少なくはない。そんな中で、1クール12話という尺は、普通に考えて相当難しいのに、この中に怒涛の展開を濃縮させることで、逆に無駄が省かれた中だるみのないストーリーを展開させている「プラネット・ウィズ」はやはり大した作品だと私は思うのだ。

見て絶対損はない作品

「プラネットウィズ」の登場人物はSFアニメなのに明確な悪役がいない。主人公の宗矢を含め各々が自身の目的のために生き生きと行動しており、誰一人嫌悪感を抱かせるキャラはいなかった。

初見で怪しいにおいをプンプンさせていたメイド娘銀子や、「んにゃ」しか言わない変な猫型マスコットの「先生」も、終わってみれば、悪役ではなかったのだ。だが、それは基本的にいい方に裏切られた形になっているので、事実が知らされても不快感を感じることはない。

また、対立陣営のグランドパラディンの面々も全員キャラが立っていて魅力的だった。初回で撃墜された虎居さんが第8話で復活するとことか要所で見せ場は作ってくれたけど、キャラの素材が良かっただけに、登場場面の少なさという点では、1クールだったことが裏目に出てしまったといえるかもしれない。

平均的にレベルが高く予想を遥かに上回るアニメだった「プラネット・ウィズ」はこれといったツッコミどころがない、という点では大変優秀な作品だったと私は思う。強いて言うなら、ずば抜けた長所が無かったことと、やや古めかしいキャラデザが視聴者数を伸び悩ませた懸念が若干残念な点だったといえるかもしれない。

それでも見て絶対損はない作品だったと思うし、近年没落したロボアニメの可能性を示してくれた点で極めて良作のアニメだったことは間違いないだろう。

何より「オワコン」化しつつあったロボットアニメに、懐かしくて王道だけど、新風も巻き起こした点で、「プラネット・ウィズ」は非常に素晴らしい作品だった。総じて夏アニメは、「はたらく細胞」と、ギャグ作品以外基本壊滅的な流れになっていただけに、「プラネット・ウィズ」のような佳作があったことは非常に幸運だった。

にほんブログ村 アニメブログへ

au公式/ビデオパス

-2018年アニメ感想, 2018年夏アニメ感想, アニメ好きが高じて色んな感想を書いている老害オタクブログ, アニメ感想