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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 飯田線のバラード

舞台設定は1980年代のまま

今回は1991年制作のオリジナルビデオアニメ「究極超人あ〜る」の挿入歌「飯田線のバラード」をご紹介します。

オールドファンには「何を今更」感があるかもしれませんが、この記事はいわやる「日常系」と呼ばれるジャンルが当たり前のように存在する世の中に生まれたあなたに向けて書いております。

そもそも究極超人あ〜る(以下、あ〜る)とは、漫画家ゆうきまさみさんが初めて少年サンデーにおいて、週刊誌連載をはじめた作品で、実に30年以上前の作品になります。コミックスはわずか全9巻で完結していますが、現代だったらもう少し長期連載されていたかもしれません。

まあ、あ〜るの後に機動警察パトレイバーの連載がスタートするため、この代替わりは都合が良かったということもいえます。パトレイバーも実質80年代でないと成り立たない作品だったと私は思っていますので。

その30年以上の時を経て、近年掲載誌をビッグコミックスピリッツに移し替えて、あ〜るの読み切りが連載されるようになってきたのです。当時、サンデーのメイン読者だった層は当然スピリッツを読む世代になっているわけですから、これは当然の措置でしょう。

しかも、新作ながら舞台設定は1980年代のままなのです。日常系と言いつつギャグマンガでもあるので、メタネタも数々放り込まれており、やはり21世紀に作られた新作ならではのところもありつつ、基本80年代のままというのは、オールドファンには嬉しいところでした。

その究極超人あ〜るが、完結から31年の時を経て、第10巻を発売するにいたりました。ただ少年サンデーコミックスではなく、ビッグコミックスピリッツの単行本なので、多少デザインには違いがありますが、当時の少年サンデーコミックスの装丁になるべく近づけた形で作られているのも、マニアには嬉しい限りでした。

30年以上風化せず

しかしながら、この作品の恐ろしいところは、30年以上の時を経ながらも風化せず、新しいファン層を取り込み続けていることにあります。これには作者のゆうきまさみさんも

もうなんと言いますかね、30年以上前の、単行本10巻に満たなかった初週刊連載作品から食堂のメニューは出来るわ記念碑は立つわ、そうかと思えばアマチュア時代からの妄想がなんと実現した上に、30年経って記念日にはなるわで、驚くばかりなのです。

と、ツイッターで驚きをツイートするほどです。

アニメ版究極超人あ〜るは、イベント上映された以外は基本OVAでしか見ることができない作品でした。私も長らくビデオ版しか持っていませんでしたが、たまたまアマゾンで偶然「究極超人あ〜る」がDVD化されていることを知り、速攻でポチりました。

DVD版には上映イベントの模様や、声優さんたちのコメントなどの付録もついており、これで値段が1573円でしたからね。ぶっちゃけサウンドトラック盤より安いという逆転現象!これは買ってよかったですね。

もともと、究極超人あ〜るはアニメ化の前にイメージアルバム化されており、アニメ版のキャスト・音楽はこのアルバム版から引き継いだ形になっています。ですから声についてはイメージ通りでした。

私は残念ながら田舎住まいでしたから、当然イベントには参加していないのですが、時を経て一部とはいえ当時のイベントの様子を伺い知ることができて、それはもう感激ものでした。

さて、このアニメ版究極超人あ〜るですが、基本オリジナルストーリーになっています。が、やはり原作者監修のもとに作られただけあって、まさに動くコミックスと化してます。

で、原作をいくら読んでも出てこない飯田線はこのアニメ版あ〜るのストーリーにしか絡んでいません。普通なら時代の波と共に埋もれて消えていってもおかしくはなかったのです。飯田線のバラードはあ〜るくんら、光画部のメンバーが撮影旅行に繰り出した車中の場面で使用されています。

しかし、この飯田線がいわば、あ〜るの聖地としてファンに認知されてから、いちローカル線に過ぎなかった飯田線に、途切れることなく、あ〜るファンが巡礼に訪れ続けたわけです。

ついには、長野県田切市の田切駅前に「アニメ聖地巡礼発祥の地」という記念碑がたち、あ〜るの中に出てくる「おかゆライス」を出す店まで現れる始末。今もなお、あ〜る関連のイベントが成立するというのは驚異的ですらあります。

奇跡の逸品

アニメ聖地巡礼発祥に関しては諸説あるようですが、原作が完結して30数年もの間、継続して巡礼が続いていたのは驚くべきことといえるでしょう。

くどいようですが、究極超人あ〜るの原作は、昭和で完結した作品です。アニメもオリジナルビデオアニメにしかなっていません。リメイクももちろんなく、再アニメ化もされていません。にも関わらず、31年もの間、ファンから支持を受け続けている「究極超人あ〜る」という作品はまさに奇跡の逸品と呼んで差し支えないのではないでしょうか?

実は東京に行ったときに、紀伊国屋書店で新刊発売記念?のあ~るグッズが売られているとの情報をきき、行ってみたのですが、その時点では売り切れ、しかも再入荷の見込みなしと書かれており、がっくりして帰った思い出もあります。のちにいくつかグッズは入荷したみたいですが、さすがにそれだけのためにもう一度上京するわけにはいきませんからね。それだけ「あ~る人気」は今もなお根強いということなんですね。

第10巻を手にとると、さすがに絵柄の変化は見られるものの、内容はまさに「究極超人あ〜る」のままでした。残念ながら、年月の経過に伴い、あ〜るくんを演じられた塩沢兼人さんや、成原博士役の青野武さんら、一部キャストが鬼籍に入られてしまいました。

正直、原作が続く分には問題ないですが、個人的にはアニメ化は望んでいないのです。ぶっちゃけアニメや漫画によっては、代わりのきく役柄もありますけど、究極超人あ〜るの場合は、オリジナルキャストに勝るものなし、ですね。ですから、かえが効かない現状でのアニメ化には反対なわけです。もちろん実写化は論外ですけどね。

何度も繰り返し再放送されたわけでもなく、リメイクされたわけでもないのに、細くて長い根強さを持つ人気作として、究極超人あ〜るは後世に語り継がれていくと私は思います。世代を超えて光画部の無法が伝わっていくのは、どうかとは思いますが(笑)それでも、80年代にリアルタイムであ〜る君たちに出会えた私たちは幸せものですね。

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