[映画鑑賞記] ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
2018/08/10
スター・ウォーズのヒーロー伝説は、ここから始まる!
「スター・ウォーズ」最新作!シリーズ屈指の人気を誇るハン・ソロは、いかにして愛すべき悪党<ハン・ソロ>となったのか!?
スター・ウォーズのヒーロー伝説のはじまりを描く、ノンストップ・アクション大作。銀河一のパイロットを目指すハン・ソロと、生涯の相棒チューバッカ、そしてミレニアム・ファルコン号との運命の出会いとは?やがて彼は、謎の美女キーラらと共にカリスマ性を持つベケットのチームに加わり、 “自由”を手に入れるために莫大な金を生む“危険な仕事”に挑む!(あらすじは公式HPより)
ソロが主役である違和感
結論からいうならスターウォーズでなかったら、ハン・ソロの話でなかったら楽しめたのかな。正直ソロのファンでないならこの映画は退屈でしかないかもしれない。なぜそういうことをいうかというと、私がハン・ソロにそれほど思い入れがないからだ。
ほかの方の評をみるとおおむね好意的な感じがするので、期待していたんだけど、ローグ・ワンに比べると、スターウォーズ色が薄めで、かつフォースのフォの字もでてこない。単なるスペースオペラになり下がってしまった感がある。
確かに西部劇が滅んだ現在、それに取って代わるガンアクション映画として、こういうタイプの作品はもっと作られてもいい。いいんだけど、それがハン・ソロでなくてもよかった気がするのだ。スターウォーズのアナザーサイドストーリーでなかったらもっと楽しめたかもしれない。そう思えてならないのだ。
ソロの過去というのは私の感覚でいうと観客が想像して補って楽しむ、いわば二次創作の領域で楽しむもので、公式が「正答」を作っちゃだめなパターンだと思う。ソロというキャラクターは主役として光り輝くよりは、脇にいておいしいところをかっさらっていく方が光り輝くと私は思っている。でもこの映画のソロは終始、「主役」なのだ。ここにまずものすごい違和感があった。で、本章でソロ的立ち位置にいるのが、ソロの師匠的存在のべケットだった。私はどうしても彼の方に目がいってしまったのだ。
魅力的な師匠・べケット
本編スターウォーズにでてきた師匠キャラというのはどこか達観した、それでいて本気出すと強いキャラが多い。まあ基本全員フォース使いなんだから仕方ないのだが、べケットはヨーダやオビ・ワンとはまた別な味わいがあって、しかもなかなか食えない人間なんで、一番感情移入できたかもしれない。誰も信じないという信条がソロに根付いた理由も彼をみているとなんとなくわかるところだったし。
本編で描かれたキャラクターの深掘りでいうと、アナキンが闇落ちしてダース・ベイダーになるエピソード1~3の下りがあまりにも有名だが、あれはやはり本編に絡む内容だけに、バッドエンドにもかかわらず丁寧な描写で誰しもが納得のいく終わり方をしていた。そこへいくと、ソロのサイドストーリーって映画一本で終わってしまうくらい薄っぺらかったのかなという疑問もぬぐえなかった。
しかも、キャラクターの深掘りをするというわりにはドンパチのシーンが多すぎて、しかものべつ幕なしに続いていくので、なんか退屈だったのだ。やはりアクションを目立たせるためにはメリハリがほしいところ。そのメリハリも乏しかったような気がする。
期待した分、辛口になってしまったけど、スターウォーズと切り離した作品だったら、もっと楽しめたかもしれない。「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」は良くも悪くもスターウォーズに足を引っ張られた作品だったように思えてならないのだ。