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2017年冬アニメ完走分感想文番外編II 龍の歯医者

2017/06/25

彼の国には龍が棲んでいる──
神話によれば、古の人々との契約により、龍は人を助け、人は龍を助けるという…
舞台は “龍の国”。
主人公は、国の守護神 “龍”を虫歯菌から守る新米・歯医者の野ノ子。
隣国との戦争が激化する中、ある日彼女は、龍の歯の上で気絶した敵国の少年兵を見つける。
少年の名はベル。
大きな災いの前に龍が起こすと言われる不思議な現象で、巨大な歯の中から生き返ったものだった。
自らが置かれた状況に戸惑うベル。そして彼を励まし、彼を龍の歯医者として受け入れる野ノ子。激しい戦いに巻き込まれながら、二人はやがて自らの運命を受け入れて行くことに…かつてない壮大なスケールで描かれる冒険ファンタジー!(あらすじはNHKアニメワールド「龍の歯医者」より)

清水富美加引退の騒動のせいで、変な注目をされた作品だが、そもそもはスタジオカラー初のテレビアニメということで話題になっていた作品でもある。実力派アニメーター鶴巻監督の一風変わった世界観は、アニメにありがちなようでそうではない感じがよく出ている。

作画のクオリティは劇場アニメにしてもおかしくないほどのハイレベルで、前後編とも眼を見張る出来栄え。NHKならではともいえる作品になっていた。

作画はもとより、奇抜なアイディアに頼りすぎることなく、龍の歯医者という架空の仕事とそれに携わる人を生き生きと描いて見せたのは演出面でも優れていたことの証ではないかと私は思う。

さらにはその演出面での要求に見事に応えたキャストの演技も特筆に値する。林原めぐみ、山寺宏一両ベテランの安定感はもとより、変な話題が先行してしまった清水富美加も素晴らしい演技をみせていた。仮面ライダーフォーゼでアテレコ経験があるとはいえ、アニメははじめてのはず。それでこのクオリティなのだから恐れ入る。

幸か不幸か、龍の歯医者は前後編をもってストーリーがキレイに完結している。従ってこれ以上の続編は必要ではないだろう。キャストを交替して・・・ということもありえなくはないが、続編が蛇足になりかねないのであれば、鶴巻監督の次回作を待った方が賢明かもしれない。










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