怒り、苦しみ、破壊し、創造する！世界プロレス式コミュニケーションガイド研究所所長の体験談ブログ（31) 私が博愛主義をキライな10の理由（1）
2016/10/28
博愛主義という言葉があります。 人種・宗教・風習などの違いをこえて、人間愛に基づいて全人類が平等に相愛協力すべきであるという考え方のことです。最近、自分の中にある博愛主義がどうもいろんなものの元凶になっている気がしてきたので、ここらへんで叩いておこうと思いました。
私は人間が嫌いと言っているというのは、その嫌いな人間には頼れないということも意味しています。人に頼れないということは誰の力も借りず、すべて自分でなんとかしないといけないのです。しかし、人間が一人でできることなどたかが知れています。ですから自分の限界を知ってしまうと、キライだと言い張っている人間に助けを求めなければならないわけです。これはもう苦痛以外の何物でもないですね。ただしここで意地を張り続けても何も解決しないため、結果的には渋々頭を下げることになるわけですね。本当はどうしたいかというと、他人に頭なんかさげたくありません。そしてできることなら人の力なんか借りないで自力で何とか生きていきたいと思っています。しかし何度もいいますが、それは不可能です。
ですからとりあえずいらないプライドは早々に捨て去りました。でもそれは結果的に妥協した結果でしかありません。確かに食うために妥協は必要な時もあります。しかし妥協に妥協を重ね続けていくと結果として自分が本当に何を望んでいるのか全く分からなくなるのです。
人間が嫌いというのは私の思い込みにすぎません。事実は好きな人もいれば、絶対相容れない人間もいるというのが、本当のところです。ですけど、この思い込みというやつが非常に厄介で、事実を見つめる目を得てして曇らせるわけです。その曇った目でしかものを見ていない結果、私の周りには味方などいないと判断し、周囲が敵だらけになっていて、常に信用も安心もできずに始終緊張しまくって、身を守るために身体を固くして防御に入っているという、強烈な生きにくさを感じたまま毎日を送らないといけなくなってしまっているわけです。
ではこの思い込みさえ外せたら楽になれるのか？といえばそうではありません。また人間を好きになったらすべて解決、といえるほどことは簡単な話でもないわけです。要するに思い込みというのは事実ではないということです。なので、それがわかっていながらなぜ自分で自分の思いこみを解除できないのか？というのが問題の根本のひとつでもあります。また、人を好きになりさえすれば問題は解決となぜいかないかといえば、もともとが真逆な志向で生きてきたわけですから、急に反転して全く違うことをはじめようというのもかなり無理があるわけです。そもそも前提としてすべての人間が人間を愛して生きているかというと、決してそういうことはないわけですね。あくまで大多数の人がそうであるという話にすぎないのです。そして私はその大多数の人間とは違う人間であるということですね。
カウンセラーとかになろうという人間は概ね他人の悩みの相談に乗るのがとびきり上手です。間違っても同情の言葉や表情を投げかけて相手を傷つけたりするような失敗もしません。じっと耳をすませ、相手の顔を見て、どんな言葉も聞き逃しません。ですが、こうした博愛主義的なカウンセラー体質の人間って相手にとってのすべての救いを自分に求めるようでなくては、満足しないでしょう。相手が何かの拍子に幸せそうな表情を浮かべたりすると、必ずその理由を問い詰め、浮気はおろか、自分と関係のない喜びや幸せにも嫉妬するようになります。こう書いている私がそうですからね。
基本自分と向き合っていると幸せというものを信じていないなと思う時がよくあります。こういう自分のような人間というのは恋の喜び、快楽そのものが弱点ともいえます。楽しいことを慎重に避けて物事を運ぼうとするため、なかなか積極的になれないまま日々を過ごしているからです。そんな私が悲しみの暗がりからいきなり明るい場所に連れ出されたとき、どのように行動してよいか、途方に暮れてしまうのです。その結果「ここは私の居場所ではない」と思い込んで自分からまた暗闇の中に戻っていってしまうのです。
ですから私の中の悪役指向というのは、快楽に怖れを感じている自分自身が日の光の下にさらされる恐怖を感じているからなのではないかなと今は思っています。そしてこの悪役志向こそが私の中にある博愛主義を忌み嫌う私自身なのです。
