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[映画鑑賞記] 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー

2017/12/16

17年12月14日鑑賞。

桐生戦兎 / 仮面ライダービルドは、スマッシュの目撃情報を受けて現場へ向かうが、そこにこの世界には存在しないはずのバグスターウイルスの変異体・ネビュラバグスターが現れる。ビルドと共にネビュラバグスターに立ち向かった万丈龍我は、2人とも攻撃がまったく効かない中、自分だけが平行世界へ転送される。

龍我が転送された世界はスカイウォールが存在せず、宝生永夢 / 仮面ライダーエグゼイドたちゲームライダーが存在する世界であった。(あらすじはwikipediaより)

期待値MAX!レジェンドの出演

どのみち戦隊映画とライダー映画は可能な限りコンプリートするつもりでいたのだが、スケジュール的に図らずもスターウォーズ公開の前日になってしまった。

そして今年も東映特撮と東宝特撮(ゴジラはアニメだけど…(笑)を楽しめる幸運に恵まれたことには本当に感謝したい。

今回は夏にパンフ買いそびれたため、先にパンフだけ買っておいて、映画はあとで見るというスタイル。パンフ買いだけはプロレスでも映画でも唯一続いているグッズ収集だが、やはり売り切れてるとげんなりする。早めに買いに行ってよかったのは、映画公開3日目にしてDVD付きの方は売り切れていたこと。

さて、昨年同様平成ライダーを演じた俳優陣が登場するのは今回も同じ。いつしか「俳優が売れると過去の特撮出演は黒歴史にされる」という俗説(とも言い難い)が流布していたものだが、近年のライダー映画は奮発したのか?売れっ子になった「卒業生」たちを積極的に起用している。

今回は仮面ライダーフォーゼ・如月弦太朗、仮面ライダーooo/オーズ・火野映司&アンク、仮面ライダーゴースト・天空寺タケル、そして、仮面ライダーエグゼイド・宝生永夢らが豪華共演を果たしている。

やはり、特撮オタ的には仮面ライダーでデビューした俳優が成長して里帰りするのは、何よりも嬉しいもの。特にくだんの俗説からすると、既に売れっ子になったフォーゼの「なかの人」の出演は衝撃的ですらあった。

規定の「俗説」からすると、「ありえない」ことが起きたに等しい。しかし、売れて手のひら返しされるよりは、遥かに嬉しいに決まっている。ましてや如月弦太朗というのは、かなりぶっ飛んだキャラクターなので、実際に予告見るまでは信じがたい話でもあった。

手のひら返しとは言うが本人の思いがどうあれ、売れればスケジュール的にタイトになることは仕方ない。俳優だって事務所だって仕事である以上、吟味する権利もある。だからこそ帰ってきてくれたことがたまらなく嬉しいのだ。

かなり豪華な映画

さて、ネタバレにならない程度に観終わった後に私の記憶に残ったポイントをあげておきたい。

①年齢を経て成長していた俳優陣
②実はかなり「お金がかかっているのではないか?
③本当の主役は別にいる
④オーケンこと大槻ケンヂの怪演
⑤テレビにはじまってテレビにかえす流れ

①で特に印象に残ったのは映司とアンク、そしてタケル。映司は精悍さが増していたし、アンクは少し柔らかくなった感じ。たくましさを増したという意味では、人ならざる体験をしているタケルの成長にもぐっとくるものがあった。弦太朗はもともとMOVIE大戦で、先生になることが描かれていたため、特別育ったという感じはなく、むしろ久しぶりに出てきたJK(ジェイク)の方に成長を感じてしまった。そして忘れてはならない永夢の成長!エグゼイド終了してわずか数ヶ月ですっかり名ドクターになっていた。もはや懐かしさすら感じる。

②の理由は俳優陣にだけではなく、画面の特撮・CGにも今までにない迫力があったためである。パラレルワールドネタは、ディケイド出せばわりと簡単にすむ話なんだが、ディケイドに頼らない分、作り込まれた画面が必要だったという理由もあるだろう。おかげで劇場鑑賞に耐えうる迫力のある絵になっていた。

③については、テレビ版ビルドをみてないとわかりにくい話になるが、簡単に言うと登場人物の過去が明らかにされていない上に数々の謎が放置されているタイミングであるため、こうした歴代ライダー大集合みたいな、お祭り的映画には実をいうと向かない。

スタッフ&キャストの成長物語

しかし、それでは困るのでとあるキャラクターの成長物語としての側面を持たせている。これによってテレビ版ビルドのファンにはサービスになっているし、ビルド未見のお客さんには、このキャラクターを間口にしてビルドの世界に入りやすくしている。

④は、それこそこの映画のベストマッチといっていいだろう。二面性がありながらどこか格好いいダークサイドヒーローのようでいて、かつ強大な敵というのはなかなか平成ライダーではお目にかからなかったものだが、ついに最上 魁星という強敵を登場させたことで、この作品はエポックメイキングになったとさえ私は思っている。それは大槻ケンヂなしに語れないだろう。よくぞキャスティングしてくれたものと拍手を送りたい。

⑤に関しては、例年恒例になっている現役ライダーと次作ライダーとの絡みに関しては「謎」を残して完結したエグゼイドを真に完結させ、かつ現在放送中のビルドに受け継がれていくという流れをもこの映画でやっていっているのだ。これは非常に素晴らしいと思う。

他にも言いたいことはたくさんあるのだけど、平成の終盤でこのような傑作を若き上堀内 佳寿也監督がてがけたこと。新世代のクリエイターが、新しい時代の作品を世に残したという点でこの映画はまさにスタッフを含めての「成長物語」だったのだなと私は思っている。








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