[映画鑑賞記] リトルウィッチアカデミア・魔法仕掛けのパレード
2017年にテレビアニメ化されたシリーズに先駆けて劇場用として作られた作品。もともとは2013年3月2日、文化庁若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2013」の参加作品として初公開された。実力派スタジオTRIGGERの吉成耀監督の原案、監督による映画。
「アニメミライ」のテーマが「新人育成」を目的としたプロジェクトであることから、物語のあらすじもそれに則ったものになっているそうだ。同年7月に開催されたアニメ・エキスポにて続編の制作が発表される。それが本作「魔法仕掛けのパレード」であるわけだが、その続編の製作資金を集めるため、クラウドファンディングにより、開始から5時間で目標額を達成し8月8日までの一ヶ月で総額約6000万円もの支援が集まったというから凄い!
そして2015年10月9日、映画「リトルウィッチ アカデミア 魔法仕掛けのパレード」が劇場公開され、合わせて前作も同時上映されてもいる。2週間限定公開であったが、好評につき上映が延長されたほどの人気を博した。その事象を踏まえて満を持してのテレビアニメ化となったわけである。本作はテレビシリーズ放送に先駆けて、お正月に放送された。残念ながら劇場では見逃していたので、これはぜひ見たいとは思っていた。
物語は・・・
ルーナノヴァ魔法学校の生徒であるアッコ、ロッテ、スーシィは相変わらず問題ばかり起こしていた。しびれを切らした先生たちは同じく問題ばかり起こしていたアマンダ、コンスタンツェ、ヤスミンカの三人と協力して、ふもとの街で毎年行われている魔女パレードを成功させるように言う。しかし、過去に行われた魔女狩りの戒めとして生み出されたパレードの内容は陰湿かつ過酷なもので、アッコにはそれが不満でしかなかった。魔女のすばらしさを知ってもらいたかったアッコはついに自身でパレードの計画を立てるが・・・(あらすじはwikipediaより)
という感じで、この映画単体で見ても理解できるほど、一本のお話として完結している。ちなみにテレビシリーズはアッコらが魔法学校に入るところからスタートしているので、第一作をこのタイミングで見なくてもよかったなと個人的には思っている。TRIGGERが枝分かれした老舗スタジオ「ガイナックス」が制作した「放課後のプレアデス」という作品も当初短編として作られのちにテレビシリーズ化されているのだが、やはり短編とテレビとでは印象がまるで違う。
おそらくリトルウィッチアカデミアも、放課後のプレアデス同様、シリーズ化されたことでよさがでてくる可能性はある。一話を見た限りでは劇場2作から遜色ないクオリティで作られており、アニメミライ発の企画がこういう形で昇華したことは素直に喜びたいと思う。
実際パレードが思わぬ形で騒動になってから、アッコらが活躍するシーンは息を飲む迫力で、これを大スクリーンで観なかったことを本当に後悔した。まさにスペクタクルとはこういうことをいう見本のような盛り上がりには息を飲まされた。
このクオリティをテレビに持ち込もうとしているんだからさすがに無茶苦茶が過ぎるとは思うが、それでも若き才能が臆することなく、自分の表現したいものを表現できるのは幸せなこと。アニメ界も様々な形で末期症状がみえているけど、リトルウィッチアカデミアみたいな作品に出会えると、まだまだ捨てたもんじゃないなあ、と思わせる。
アニメは何も大家が作るから面白いわけではない。年齢に関係なく才能ある人が正しい形で実力を出せば、まだまだ面白い作品が作られる可能性はあるのだ。それをリトルウィッチアカデミアで教えてもらえた。これから三ヶ月間毎週アッコらの活躍が見られる幸せを噛み締めながら過ごして行きたい。