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[映画鑑賞記] 劇場版艦これ(艦隊これくしょん) 

16年12月2日鑑賞。

実在した艦艇を擬人化した「艦娘(かんむす)」を育成・強化する人気シミュレーションゲームを原作に、2015年に放送されたテレビアニメ「艦これ」の劇場版。テレビ版に続き特型駆逐艦「吹雪」が主人公となり、成長した艦娘たちと謎の敵「深海棲艦」たちとの新たな戦いを描く。鎮守府の存亡をかけた「MI作戦」で勝利を収めた艦娘たちだったが、戦線は南方の海域へと拡大していた。新たな前線基地に集い、次なる作戦に備える吹雪ら艦娘たち。しかし、作戦目標の海域に大きな異変が発生し……。監督の草川啓造、脚本の花田十輝、声優の上坂すみれらテレビ版のメインスタッフ&キャストが再結集している。(映画COMより引用)

私はゲームをやらないので、原作は全く知らないが、テレビ版の艦これは観ていた。だからテレビ版が「あんな出来」だったのも知ってるし、「あんな出来」の延長で劇場版とか勘弁してほしいな、とかいうネガティヴなイメージしかなくて、正直金払ってまで観たい気はなかった。

しかし、なぜか用事と用事の空き時間を埋められるスケジュールが艦これしかなかったため、意を決して観に行くことに。

一言でいうなら、テレビ版のネガティヴなイメージはかなり払拭された…っぽい。

少なくとも、テレビ版では「水上スキー」と揶揄された艦娘の艦隊戦は、劇場版になって生まれ変わっていることだけは断言してもいいだろう。

スクリーン上を所狭しとぐりぐり動き回る艦娘のアクションはまさしく海洋バトルアクション!近作の「ガーリッシュナンバー」や「イカ娘」以外はク◯アニメしか作らないと定評があるディオメディアとはとても思えないハイクオリティな作画は一見の価値がある。

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さすがダテに角川映画40周年記念作記念作と銘打たれてないな、という掴みだけではなく、本編ストーリーも、テレビ版ではスルーされていた艦娘と深海棲艦との闘いの意味、なぜ深海棲艦は生まれてくるのか?艦娘生誕の謎など様々な点でテレビ版の失敗を踏まえた改善点がみえるのが特筆すべき点だろう。

個人的には提督の扱いも気になっていたが、私的には「提督は出して欲しくない」派であるため、劇場版の描き方については全く問題がない。

ただし、問題点をあげるとするならば、やはり前半のグリグリ動く艦娘たちの艦隊戦が作画的にはあまりにインパクトがありすぎて、メインイベントの大決戦がやや霞みがちになった感は否めない。一見すると悲劇の幕引きになりそうな感じもしたけど、最終的にハッピーエンドになったのもなんか微妙な感じがした。

深海棲艦が艦娘のなれの果てであり、深海棲艦が艦娘に転生する可能性があるから、艦娘が闘うのだ、という理屈は、わからないではないが、それは多分私がテレビシリーズをみているからわかることであり、劇場版が艦これ初体験になる方には何のことやら?になっている可能性はゼロではあるまい。

理想をいうなら、テレビシリーズを再編集した第一部と、完全新作の第二部という形にしてもよかっただろう。しかしこのスタイルは「テレビシリーズがうまく完結しなかったから、続きは映画で」という感じの作品ではやってほしくない。映画となれば観客のお金だけでなく、貴重な時間をも使わせることになる。ファーストガンダムやイデオンは打ち切りという憂き目にあってそれでも皆が続きを見たいと願った結果実現した。署名運動も起こって、ある意味社会現象化もした。しかし艦これにそこまでの力があったかというとはなはだ疑問だし、結局のところゲームをプレイする「提督」に対してのみ作られたきわめて内輪向けな映画になっていた点は否めないだろう。

しかし、これだけ高クオリティな劇場版を出しておいて、また水上スキーのテレビ版二期(やるかどうかは知らない)が観たいかといえば、かなり心境的には複雑になる。果たしてこの先、KADOKAWAとディオメディアは艦これをどうしていきたいのか?そこだけは気になる。

でもまあ、テレビ版の不満はかなり解消されるだろうから、テレビ版艦これでもやもやした提督は観ても損はないだろう。でも艦これの入門編とするには少々敷居が高いかな?

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