[映画×コミュニケーション]映画鑑賞記・地獄甲子園
甲子園出場を目指す星道高校だったが、予選1回戦の相手が外道高校と決まった。しかし外道高校は、試合中の出来事は事故とみなされる高校野球を合法的に殺人のできる遊び場と考える、ルール無用の殺人集団だった。
星道高校も3年前の予選でやりたい放題やられて試合放棄を余儀なくされた忌まわしい過去を持っていた。そんなある日、野球部補欠要員のメガネが運悪く番長グループに絡まれる。そこを転校生の野球十兵衛が助けたことから、十兵衛は番長と喧嘩野球対決をするハメに。
そんな2人の激しい闘いを、野球部の監督兼校長の朝倉が興奮の面もちで見ていた…。(あらすじはYahoo映画より)
05年4月8日鑑賞。
ある意味これも野球漫画なのだろうけど、当然のように野球は一切していない。
画太郎ワールドを映像化しようとするとどうしてもこうなってしまうんだろうなあ、と思うのだけれど、この世界を無責任に笑えるにはあの原作の絵は必要不可欠なのだな、と言うこと。
だからといってアニメにされてもイメージ違うし、それといって実写だとあのえもいわれぬ不思議な感覚がスポイルされてしまっているようで、それが惜しいかなと。
面白いんだけど、無責任に笑い飛ばせるところまでは行かなかった。一番困るのは、実写で作っちゃうと、原作では笑いの対象になっている汚物や血や死体が、そのまんま描けないと言うこと。
笑いをとろうとすると、そこだけどうしても作り物感が凄く出てしまってて、かえって全体から浮いて
いるような感じがした。だからといってリアルにみせてしまったら、今度は笑えなくなるし。キャストがほぼイメージ通りの完璧な配役で、熱演もされていただけに、空回り気味にも見えた。
逆に原作とは別物としてみるにしても、同じ事をしてみせればどうしてもアクの強い原作の勝ちになってしまうから、難しいところ。むしろ原作にはない動きでもっと勝負かけた方が良かったかもしれない。
十兵衛と母親のバトルシーンのような味が全編に行き渡っていたらもっと良かったかも。あーなんか惜しいなあ。本当に何も考えずに見られたら、こんなに幸せなことはなかったんだろうけど。
とはいえ、昨今の失敗した実写化に比べたらはるかに素晴らしい出来なんで、大した期待さえしなければいいのかもしれない。