万国びっくり映画鑑賞記・ 怒れるドラゴン、不死身の四天王
2016/10/18
1920年代、中国の北東部。突如、大音響とともにスツエ・ヤン銀行が吹っ飛んだ。銀行を襲ったのはルー(K・クン)で、彼は手下とともに難攻不落の銀行から一万ドルを盗み取った。そして中にいた人間は皆殺しにした。ルーはこの辺一帯で悪党として人々から恐れられていたが、その彼にも一人だけ頭の上がらない人物がいた。
“暗黒街のゴッドファーザー”スー・チン(L・フェイ)で何とか彼にとり入ろうという目ろみから起こした事件だった。だが彼は大きなミスを犯した。銀行の護衛隊長チェン(K・カン)を殺さなかったことと、強奪した金袋を流れ者のシャオ(J・ウォング)に捲き上げられたことだ。
一方、護衛隊長チェンは猟師のフン(C・ユー)に助けられ、ルーに復讐を誓った。チェンはフンの友人で空手の達人フ(C・シン)の協力を得るため、フンとともに訪ねるが彼は強度のアル中で、面倒には捲き込まれたくないと逃腰だった。そんなある日、この三人にシャオが仲間入りすることになり、不死身の四天王が誕生した。こうして四天王とスー・チン一味の対決が始まった・・・
四天王の一人で、悪役から金を巻き上げるダークサイドヒーローを、「片腕カンフー」のジミー.ウォングがやっていた。どうでもいいが劇作家.演出家の鴻上尚史さんにちょっと似ている。
「片腕」はどちらかというと求道者タイプ、ブルースリーっぽかったが(ブルース.リーは片腕カンフーみたいに手段を選ばないヒーローじゃないけど^^;)、演じ分けできると言うことは役者としても買われていたのだろうと思う。
例によって悪役日本人が登場。どうも「片腕」と同じスタッフらしいが、日本人という割に日本人に見えない。チャイナ服着てて侍の血を継いでいるって言われても...しかも使っている技はカンフーだし、何といっても苗字が「陳」...って
部下の四人は虚無僧の深編み笠に上半身裸で黒のチョッキをはおっただけ。笠取ると忍者風の黒覆面。何人か全然分からない。 ラストの戦闘シーンで大ボスと正義の側のボスが戦闘員?に混じって普通にカンフーを駆使して闘うのがいかにも「らしい」なあと思わせる。
善悪問わず手下を闘わせてふんぞり返っているだけでなく、自ら闘いに赴くというのがこの手のカンフー映画の特色だろう。
なぜか鳥小屋で闘うシーンがこちらにもあって、よっぽど好きなのかな、とも思う。「片腕」に比べれば全体的にストーリーの破綻も少ないが、ラストがごちゃごちゃしすぎていて、結末がやや不明瞭。四天王の闘いの四者四様に中途半端さがあって、間の悪い余韻のラストと共に、こちらはやや後味悪し。