映画鑑賞記・ゼブラーマン
2010年。生徒からも家族からも疎まれる冴えない小学校教師市川新市は32年前に低視聴率で僅か7回の放送で打ち切りとなった特撮テレビ番組「ゼブラーマン」に登場する「白黒つけたぜ」が決め台詞のヒーロー・ゼブラーマンのコスプレという特異な趣味を持つ。
その頃、市川の住む地区で、地球征服を目論む宇宙人による奇妙な事件が続発。ひょんなことから市川は憧れのゼブラーマンに扮しその宇宙人と戦うことになるのだった。
いわゆる特撮ファンが作ったものではない特撮ものというのは、見ていて「ああ、ここが違う」というものが少なくない。
これにもそういう部分はあるのだが、比較的はずしは少ない。劇中劇のゼブラーマンに渡洋史さん、主題歌を水木一郎さんが担当。最低限の愛情はあるみたい。劇中劇と本筋のリンクの仕方は少々強引だが、それをバラバラになっている家族の交流と結びつけているのが宮藤流の力業ということなのだろうか?
後に三池監督は「ウルトラマンマックス」のテレビ版も手がけられていたが、ゼブラーマンで感じたような違和感は、もうなくなっていた。いわゆるヒーローリスペクトものの先駆けみたいな作品なんだけど、豪華なスタッフが集まった割にはCGがチープだったり、いろいろ残念なところが多い作品だった。