[映画鑑賞記] 仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション
2019/12/24
2019年12月23日鑑賞。
「・・・夢を忘れず、戦え」 或人が目覚めるとそこは、いつもの日常ではなく人工知能搭載ロボ・ヒューマギアに支配された世界だった・・・！社長の座もヒューマギア・ウィルに奪われ、ヒューマギアたちの人間抹殺が激化する最中、現れたのは仮面ライダーの記憶を失くし、学生として過ごしていたはずのソウゴ・ゲイツ・ツクヨミ、そしてそこにはウォズの姿も。 元いた世界を取り戻すべくソウゴたちとともに１２年前にタイムトラベルした或人を待ち受けていたのは、仮面ライダー１型なる兵器を開発しヒューマギアを守るために戦う父親ヒューマギア・其雄と、謎のタイムジャッカー・フィーニス。何故、其雄は仮面ライダー１型になったのか。フィーニスの本当の狙いとは一体――。そして世界のゆがみはどうなってしまうのか！？ ゼロワン誕生に隠された、親子の“夢”の物語がいま始まる――。（あらすじは東映HPより）
凄まじい熱の入れよう
「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」は、新時代のライダー・仮面ライダーゼロワン初の主演映画。今回は見たい映画が重なってしまい、スケジュールを分散して観に行くことに。北九州は市内にいくつも映画館があり、メンズデーも比較的重なっていないのはありかたい。下関だとこうはいかないし、だいたいメンズデー自体がない。
さて、映画の内容だが、とにかく前半は見応え十分。緊張感とカメラワーク、アクション、カースタントも、役者が例年以上に体を張っていてとても見栄え良く映っていた。
物語も予想以上に「仮面ライダーゼロワン」の根幹に関わる話で、素直に楽しめた部分も多い。詳しくは書けないが、とにかく前半は目が離せない展開のオンパレード。
さらに歴史が改変された世界におけるレジスタンス基地での戦闘も、凄まじい熱の入れようだった。まさに戦争映画といえるほどの大迫力シーンは、劇場で観るのにこれ以上ない出来。
盛り上がりが、後半にかけて・・・
杉原監督がこだわるアクションは、レジスタンスとヒューマギアの集団戦がマックスといっていい。キャストの皆さんもめちゃくちゃ頑張っていた。その熱量たるや凄まじいものがある。それか画面からビシビシ伝わってくるのだ。
撮影日数に4日も費やしたと言われる銃撃戦では、シーンによって使用する銃はもちろん、薬きょうのサイズや銃撃音も変えているそうだ。そのせいか、迫力あるシーンの連続で、瞬きもできないくらい。
だが、「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」では、そんな前半パートの盛り上がりが、後半にかけて急激に尻すぼみしてしまう。
はっきりいって前半のクオリティを後半が台無しにしてしまっている。例えばアナザーゼロワンはバルカンやバルキリーがちょっと本気を出しただけで倒せるし、アナザー1号もグランドジオウにあっさりやられている。
このように、敵を倒すのに何のトリックもなく、単なるパワーインフレで倒すという、悪い意味で特撮にありがちな展開は、正直同じ映画とは思えない失速感を感じた。
あれだけ強大な敵を倒すのだから、ここでさらにゼロワンのオリジナルフォームが登場したりしてもいいと思うのだが、それもなし。
平成ジェネレーションだと大概そういうのがあったんだけど、令和 ザ・ファースト・ジェネレーションは方針転換したのか、全くなかったのが残念。
通しでみたら面白い作品だけど
精神的な成長を遂げた或人に「お前が新時代の1号だ」と告げる父・其雄にはぐっときたが、映画全体の盛り上がりが随分と序盤に設定されていたので、イマイチ感情移入しにくかったのも残念なポイント。
さらにアナザーライダーは、元のライダーの力が無ければ倒せない点が曖昧になっていたりとか、ジオウの力が盗られていつ返ってきたのががわかりにくい点とか、とにかくジオウの設定が生かされていないのも気になった。
このあたりはジオウのメインライターが一人入るだけで大分解決するはずなんだが、今回はなかった。
特にジオウは時間を扱う話だけに、例年通り複数ライターによるシナリオにしてくれたら、前半の盛り上がりを後半に活かせたのではないだろうか？なんとも色々もったいなかった。
そもそもウォズだすなら最低限「祝え！」は出して欲しかったなあ。あれがあるのとないのとでは…。
「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」は、前半のテンションが後半までつながれば、新しい時代のジェネレーションとして大いに期待が持てた。それなりにジオウの世界観も、ゼロワンの世界観も大事にしていただけに、後半で息切れしたのが大変残念だった。
通しでみたら面白い作品だし、観に行くことはおすすめしたい映画なんだけど、過大な期待はしないほうがいいかな。今後のゼロワンテレビシリーズの出来いかんでは評価も変わるかもしれないし。
