[アニメ感想] 2018年夏アニメ完走分感想文 Back Street Girls -ゴクドルズ-
2018/09/24
暴力団・犬金組の若手組員である、角刈りの「健太郎」、オールバックの「リョウ」、パンチパーマに髭面の「カズ」。彼らは早とちりと早合点が原因で大きなヘマをやらかしてしまい、組長の逆鱗に触れてしまう。その組長の前で「何でもしますから命だけは…」と涙ながらに訴えつつ、必死の土下座で許しを乞う3人に対し、アイドルがいい金儲けになることを聞きつけた組長は、その不始末の落とし前として、強引に性転換と全身整形手術を受けさせた上で女性地下アイドルグループに対抗した女性裏路地アイドルグループ『ゴクドルズ』としてデビューさせてしまう。(あらすじはwikipediaより)
いずれ劣らぬ豊作揃い
今期はギャグ枠が5作品(「深夜!天才バガボン」「あそびあそばせ」「ちおちゃんの通学路」「邪神ちゃんドロップキック」「Back Street Girls -ゴクドルズ-」)もあり、しかもいずれ劣らぬ豊作揃い。
先だって10話で完結したゴクドルズは、劇画調の作画とほぼ口パクだけの止め絵で全話を通してしまっているが、このチープさ加減が逆に味になっているから面白い。アニメなのに「動かさない」選択をしたというのはかなり大胆。
そもそもヤクザの舎弟が自らの失態のツケに、命とるかタマとるか?という選択を突きつけられ、命を選んだ結果「改造手術」の果てに、アイドルになるという、かなり無茶苦茶な設定なんだが、この前提があるおかげで、何やってもギャグになる。
だいたい可愛い女の子(実はヤーさん)が歌って踊る(本当は組長命令でやらされている)だけで笑えるというのは相当レベルが高い。そもそもヤクザの組長がしのぎ稼ぎのために、アイドル稼業に手を出しているのも笑えるんだが、その作詞まで組長自身が手がけているのも、面白い。
爆笑必至のおすすめ作
あろうことか、売り出したらあっという間にゴクドルズは売れてしまい、ゴクドルズも組も「引き返せない」事態になっているのが面白いし、ゴクドルズによって被害を被った「被害者の会」の人間関係の濃さも見どころの一つ。後半では本物の女の子が研修生として入ってきて、更に事態をややこしくさせてしまう。
それにしても組長のゲスっぷりが突き抜けすぎていて、それにマジで怯えるゴクドルズという対比は、声優陣の熱演あってのものだろう。
実は主題歌にはゴクドルズ虹組(ゴクドルズの女性声優バージョン)と、ゴクドルズ漢組(ゴクドルズの男性声優版)の2パターン存在している。ブリブリのアイドルソングを手がけた大石昌良さんは、「ようこそジャパリパークへ」などで知られるシンガーソングライター。今期は自らもオーバーロードIIIのエンディング(O×T名義)も歌っているが、振り幅のでかい作風は、ある意味作品同様衝撃的。
放送中にアルバムが発売にならなかったのは大変残念だが、内容はあまりあるくらい素晴らしいものだった。好き嫌いは分かれるかもしれないが、爆笑必至なんで個人的にはオススメしたい作品である。(なお、Netflixがバックについているため、加入者は2018年9月現在、全話視聴可能)