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[映画鑑賞記] GODZILLA怪獣惑星

2018/12/03

17年12月1日鑑賞。

20世紀末、人類は環境変化が原因で地球上に出現した巨大生物「怪獣」の脅威に晒されるようになった。なかでもほかの怪獣を駆逐する力をもった「ゴジラ」の暴威は凄まじく、半世紀に渡り敗走を重ねた人類は種全体の存続を図り、一部の人間を他星に移住させる計画を立案。2048年に、恒星間移民船の1つ「アラトラム号」は、コンピュータによって選抜された一部の人間と、同盟を結んでいた異星種「エクシフ」と「ビルサルド」の人員を乗せ、11.9光年彼方のくじら座タウ星eを目指して旅立った。

しかし、20年後に到着した惑星は人類が生存するには適さない環境であることが判明し、移住計画は事実上失敗に終わる。船内での生活も限界に近づいていたことを受けて、アラトラム号は危険とされる長距離亜空間航行で、往路よりもはるかに短い時間で地球へ帰還する。しかし地球では亜空間航行の影響で約2万年もの歳月が経過しており、人類の文明が失われた地上にはゴジラを頂点とした新たな生態系が築かれていた。(あらすじはwikipediaより)

シドニアの騎士とゴジラ

私が人生で初めて劇場にて観賞した映画が「三大怪獣地球最大の決戦」のリピート上映だった。齢実に4歳。そこから約50年の時を経て、ゴジラと名がつく映画、ゴジラが出演している作品は可能な限り見てきた。もちろんアニメで遊び半分にでてきたゴジラもできる限り網羅しているのだが、今回の「怪獣惑星」はどういうアニメになるのだろうか?

読み解くカギになりそうなのは、「シドニアの騎士」を作ったポリゴンピクチャアズが手掛けるということで、特撮でも2Dアニメでもない、ましてやピクサーの3Dでもない新しい作品になりそうな予感がしたこと。更には虚淵玄を投入するという「冒険」(暴挙ともいうが・・・笑)もほどこしている。シン・ゴジラとほぼ並行で作られてしたということもあって、かのヒット映画の影響を受けていない(はず)。実はこの「シン・ゴジラ」の影響下にない(であろう)という点が結果的に、私が劇場に足を運ばせる決め手になった。

実際に見てみたら…

さて、実際にみてみた感想なんだが、最初から三部作というのはしっていたけど、いきなり二万年先を描くより、地球人が怪獣によって故郷を追われるシーンこそ描いてほしかったなあというのが、正直ある。この部分はナレーションでさらっと流されてしまっているのだが、個人的にはここが一番外連味たっぷりな映画になりそうな場面だったからだ。

今回の主役でもあるハルオ・サカキがゴジラ打倒に異常な執念を燃やすのも、地球を追われた悲哀があったからこそ。そこの部分を代行するかのように、移民船の爆破事件が冒頭に盛り込まれてもいる。この事件がきっかけにもなって、「ゴジラから地球を取り戻す」ハルオの動機がさらに強くなっているので、この演出は間違っていないと思う。

もっとも棄民もはじめ、20年たっていきなり地球に戻るという何も考えていなさそうな移民計画は「頭悪そう」としか思えなかったが(笑)

意外と活躍する人力

とはいえ、シン・ゴジラという別企画が同時進行で進む中で、「アニメ化するには現代を舞台にはしたくない」と考えたスタッフの気持ちも理解できる。20世紀を舞台にしちゃうとアニメにしかないアドバンテージを放棄しかねない。その2万年の「タメ」があってこその「ラストシーン」なんで、2万年後を描いたことに関しても間違いではないだろう。

ゴジラの倒し方にしても、従来のように対ゴジラ用兵器がでるわけでもなく、むしろシン・ゴジラ以上に「人力」が多用されているのが非常に面白い。ただ、人類の叡智を結集したかのようなテンションの盛り上がりが、シン・ゴジラにあったのに対して、怪獣惑星はひたすら「絶望」に向かって突き進んでいるように見える。方向的には庵野監督同様に「鬱展開」を好む虚淵玄ならではの作劇は、よりアニメ的なアプローチにはマッチしていたような気がする。

怪獣惑星を正当に評価するには

とはいえ、三部作で果たして収まるのかどうかも不安ちゃ不安だし、大ぶろしきを広げた分、収束をどうしていくのかも気になるところ。第一部では活躍の場がなかったメカゴジラがどういう形ででてくるのかも気になる。怪獣プロレスをやらせるには、造形的に今回のゴジラでは無理があるので、ゴジラを動かすというより、アニメで動くメカゴジラが見たいなあというのが、第一部を見終えた正直な期待でもある。

まあ、アニメでもよくあるけど遺跡から発掘されたメカニックがあたかも今作られたメカニックのように動き出すというのは、よほどうまくやらないと正直失笑ものになるおそれもある。私が「怪獣惑星」を正当に評価するのであれば、2018年5月以降の続編を見てからにした方がよさそうな感じもしている。

本編とは全然関係ないが、冒頭にドゴラがでていたのは不覚にも笑ってしまった。この辺はゴジラフリークでもある瀬下監督の好みが反映されたのか?しかし地球に壊滅的な打撃を与えるにはちょっとインパクトにかけていたような・・・(笑)

あと、基本人間の味方側につくことが多かった怪獣やキングギドラの扱いとかも気になるところ。まあ、メインは多分ゴジラ対メカゴジラなんだろうなあ。個人的にはX星人とかも出してほしかったんだが、それは無理か(瀬下監督や虚淵氏は出したかったみたいだけど^^)








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