*

[映画鑑賞記] ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~

2017/11/26

17年11月24日鑑賞。

喫茶店ラビットハウスへやってきたココア。うさぎの看板に釣られて入ったこのお店こそが、彼女が下宿することになる場所でした。リゼや千夜、シャロたちとすぐに仲良くなったココアはすっかり"木組みの街"の一員に。ラビットハウスの一人娘であるチノのことは本当の妹のように可愛いがっています。

そうして迎えた二度目の夏。今年もチノたちと、たくさんの思い出を作りたいココアですが、神妙な表情で、キャリーケースを持って駅のホームにたたずんでいます。ココアはいったいどこへ……?

マヤとメグも遊びに来てくれて楽しい時間が流れますが、ココアが抜けてどこかちょっぴり賑やかさの足りないラビットハウス。そんな中、チノは少しだけ勇気を出して、みんなを花火大会に誘ってみることにしたのでした。(あらすじはanimate timesより)

60分だからこそ・・・

はいからさんを観に行って、所用済ませたらスケジュール的にレイトショーで続けて観られることがわかり、これは行かざるを得まい!という訳で、ごちうさを大スクリーンで観ることに!体力的に二時間の映画二本はキツイし、二時間と一時間ならちょうどはしごするには条件もいい。ゴジラは時間が合わなかったので、結果的にはいからさんとごちうさになったけど、私的には問題なかった。

とは言え、「メンズデーなのに、一律1300円の料金ってどうよ?」とか「一時間しかないのに微妙な値段だな」とか思ったのもまた事実。よくよく考えたら、ごちうさを90分とかの長編にしてしまうことの方がリスキーだし、ごちうさ感を大事にするなら、本編の長さも重要なポイントではある。何よりこの作品は絶対に実写化できない!ならばこの60分をひたすら楽しんだもんが勝ちというもんだろう。

実は前の予定が15分押したので、ダッシュで劇場に駆け込んで予告がおわるタイミングでギリギリセーフになった。しかし、パワーレンジャーみたいにギリギリアウトになるよりははるかにマシ。

ちょっとした冒険譚

そして内容はこれでもかと言わんばかりのひたすら優しいごちうさワールド。日常ものの特徴としてテレビシリーズの説明をしなくても大丈夫という利点がある。

さて、本編のメインはココアの里帰りであり、ホームステイ先のラビットハウスからはじめて外の世界に出るという意味では、ちょっとした冒険譚になっている。これはごちうさだから成り立つのであって、常に「劇場版だから」ということで、刺激やスペシャルイベントのインフレを起こしている昨今の映画にはないシンプルなもの。これがこの映画の一番の魅力だろう。

先ほども言った通り、劇場でおこるイベントは主人公ココアの里帰りというものしかないから、テレビみてない一見さんがみても全く問題ない。あとは美少女たちがひたすらキャッキャウフフしながら、日常生活を送る超ゆる〜い空気を楽しむだけ。それ以外は何もいらない。頭を空っぽにして60分でひたすら癒される。そんな映画って実はなかなかありそうでないもんである。

ごちうさはたしかに「萌え」でもあるのだが、ただの「萌え」ならば、放送が終了したあとに「ごちうさ難民」と呼ばれるファンが続出するようなことはない。そのごちうさ難民たちが、ひたすら優しく、でも力強く後押しした結果、当初オリジナルビデオアニメとして作られる予定だった本作を、劇場アニメにまで昇華させたとは言えないだろうか?少なくとも私はそう思っている。

テレビ版では描かれなかった点

テレビ版で描かれなかった「木組みの家と石畳の街」以外の舞台が用意されたという点ではこの映画は映画らしいつくりにもなっているが、もうひとつポイントなのは、ココアの一家(姉モカ&母)がまるで姉妹のようなほっこりした空気を醸し出していること。ここはテレビ版をみている人間にはアドバンテージがあるのだけど、ココアがチノに対して捧ぐ「無償の愛」の原点が、この母姉との暮らしにあることが綿密に描かれていて、実に心が暖かくなるのだ。もし気になる方がいたらぜひテレビ版一期・二期を見てからもう一度この映画を見直してほしい。

一方、ココアをしょうがないお姉ちゃんだなと思っているチノが、離れてみてココアへの気持ちに気づくあたりに、この映画での心情の揺れ動きを感じることができる。このチノ一家も独特で渋いキャストが配されているのも、ごちうさの特徴。チノ父の速水奨さん、祖父役の清川元夢さんといった一見すると「浮きそう」なキャストがしっかり脇を固めているあたりも「ごちうさ」の大きな魅力なのである。


とにかくここまでスタッフとファンから愛されて続いている作品はなかなかないと思う。確かに事件らしい事件はおきないし、ひたすら淡々と進んでいくので、ついていけないという向きもあるかもしれない。

このココアの実家での出来事が後半のサプライズ?につながっていく構成も見事というほかない。今回監督を担当した橋本裕之さんはテレビ版から引き続いた登板だし、副監督のかおりさんは「ゆゆ式」で監督をつとめている。いわば、「きららアニメ職人」同士の黄金タッグがこの作品を支えているので、そりゃ外すはずもない。

とにかく一時間でたっぷりほっこり癒されたい人はぜひ見てほしい作品である。もし見終えて「心がぴょんぴょん」したらあなたも我々の仲間になった証である(笑)









au公式/ビデオパス

-映画鑑賞記