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[万国びっくり映画鑑賞記] シャークプリズン・鮫地獄女囚大脱獄

16年12月22日鑑賞。

人食いザメ映画と女囚映画を合体させるという驚きのアイデアで作られた異色のシャークムービー。女子刑務所を脱走した女囚たちの前に、古代ザメの群れが立ちはだかる。

アーカンソー州。服役中の女囚たちを乗せた護送車が、道路で立ち往生する故障車を助けるために停車した。だが車に乗っていた女ハニーの目的は、同性の恋人アニタを含む女囚たちの解放にあった。ハニーと脱走した女囚たちは湿地と森林が続く密林地帯へと逃げ込む。だが彼女たちの前に、なんと地中さえも泳ぐサメの群れが現われる。油井爆破事故の影響でよみがえった古代ザメが、森を縦横に走る沼地にあふれていたのだ。(あらすじはWOWOWオンラインより)

2015年アメリカ映画。この「シャークプリズン」内で普通に「陸ザメ」という単語が飛び交うので、本当にいるのか検索してみたら、この映画の記事にしかヒットしなかった。なんだかほっとした。現実サメが稀に海とつながっている湖などに現れるケースがあるらしいが、やはりビッグニュースになるくらい珍しい出来事らしい。そんなビッグニュース級の事件が次から次からおこるんだから、サメ映画は実に奥が深い!なんせB級、ゲテモノ映画の中でも、サメ映画は独自のフリークスがいるほど、一ジャンルとして認知されているのだから、そりゃ量産されるわけだ。

さて、「シャークプリズン」に登場する陸ザメは、超古代の生きた化石らしい。一番最初に襲われて車を破壊された地質学者は「シャークサウルス」とかいっていたけど、サメは魚類だし、サウルスはラテン語で大きなトカゲなんで爬虫類なんだが・・・・。まあ細かいことは置いておこう。このシャークサウルスこと陸ザメはまるで地中を水の中のように自在に泳ぎまくる。地中に穴あけているわけでもないのに、スイスイと地面を我が物のように進み、獲物を見つけると水しぶきならぬ土しぶきをあげて襲いかかる。また、クジラやイルカのごとく、鳴き声で会話もできる。ただしロボシャークほど無双ではないので、岩盤や建物の中は泳げないらしい。この陸ザメが学者先生曰く1000匹以上いるというから厄介な話。本当アメリカはなんかを爆発させて古代の超生物を蘇らせるのをお家芸にしているなあ。同じような理由で「ジュラシックシャーク」も復活してるし、古くは日本製ゴジラだってそうだ。こんな物騒な土地だからだろうか?女囚たちが逃げ込んだ家にはなぜかマシンガンや重火器が標準装備されているんだからすげえ。というかいくらアメリカでも法律的にOKなのか?軽く戦争できるレベルの武器がなんで都合よく民家に用意されているのかが…

そんな物騒な森の中で女囚たちが受刑時の仕事として湿地帯にはいっていくわけさが、ここはやはり美女が襲われてくれないと絵にならない。確かに女囚たちの服装はとても受刑者とは思えない(上がタンクトップ、下がホットパンツ)。こんな格好で森林にいたらあっという間に虫食いだらけになるだろうに・・・・

まあB級映画なんで、「シャークプリズン」の女囚のレベルはかなり微妙なのだが、露出も微妙。出しても水着レベルなんだけど、これを見たいかといえばまた微妙・・・・そう、露出ということでいうと、その道では伝説の人でもあるトレーシー・ローズが捜査官役で出てたのにはびっくり!いや、2015年でこの若さは半端ないだろ!「シャークプリズン」で一番驚いたことかもしれない。でもサメに襲われるとかそういうシーンは無し。

さて陸ザメの話に戻そう。とにかく地中を泳いでいるので、弾打ってもあたりゃしないし、小口径のピストルの弾なんかはじきかえすんだから、ロボでなくても結構無双なのだ。もう終盤になってくると陸をサメが泳いでいても別に疑問にすら思わなくなってくるんだから、見続けていると確実に思考力を奪われる映画であることは間違いない。しかし陸の中を泳ぐというと、日本人的には液状化した地面を泳ぐようなイメージ(たぶんドラえもんの秘密道具のルームスイマーのような感じ)を抱くと思うんだけど、アメリカはどこまでいってもストレート。本当に地中を泳ぐ絵を作るし、そのためなら生態系だってでっちあげる。どう聞いてもクジラ(あるいはイルカ)の鳴き声なのに「サメの会話」と言い張っているし、力業にもほどがある。確かにこの手の映画にしてはサメのCGは頑張っている方だと思う。でも、死体がやたら作り物臭がして、どっかで予算が尽きたんだなというところをにおわせるのが笑いを通り越して悲しくなってくるところでもある。

この地質学者の助手と女囚のひとりが恋に落ちたりするのだけど、ものすごくあっさり、しかも意味なく二人とも死んでしまうので、ラブロマンス要素すらいらないじゃないかと思わざるを得ない。このようになんかロマンスが生まれそうになると片っ端から死んでいくのもサメ映画らしいのだけど、そこはやっぱサメに襲われて死なせてあげてほしかったなあ。流れ弾に当たって死ぬとかサメ映画でなくったってできるじゃん・・・

ほとんどの登場人物が無駄死にだし、なぜか陸ザメは美女より男の犠牲を好むらしく、やたら男性陣が先にお亡くなりになるというありさまで、生き残ったのも超微妙なキャラばっか。

ラストに「ようこそアーカンソー(Arkansas)へ」という看板になぜか血文字で「SH」が足されており、「ようこそシャーカンソー(Sharkansas)へ」になっているのは、狙いにしても悪趣味なダジャレだし・・・・ってかこれやりたいために1時間半も無駄な時間を使っていたのか?まあ、英語わからなくてもはっきりわかるくらい、聞くに堪えない人種差別ギャグのオンパレードも酷いし、やっぱアメリカってあらゆる意味で雑というかおおざっぱというか・・・・でもそこを慈愛の精神で生暖かく見守るのがサメ映画フリークスのつとめかもしれない。

my-story-eiga
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