[心理×映画] 映画鑑賞記・ブラックウォーター
10年7月3日鑑賞。
オープニングのワニ園におけるエサやりシーンのあまりの迫力に、ボート遊びが始まってから先、「ああ、こいつら食われるんだろうなあ」と誰しもが想像すると思う。そんな思わせぶりな実話を強調したテロップもいい。
3人の内訳が、「妊婦」「メガネをなくした男」「足をケガした美少女」という、誰もが一つずつハンディを背負った設定になっているし。
そんなリーと姉のグレース、そしてグレースの恋人アダムの3人は、きたオーストラリアの川釣り体験ツアーに来ていた一行である。
いい釣り場を求めてガイドとともに川をテキトーな船で上っていくと、突然何かに激突され船が転覆してしまう。なんとかマングローブの木に辿りついたグレースと
アダムが辺りを見ると、そこにはガイドをくわえた巨大なクロコダイルの姿があった!!
リーは必死の思いで転覆した船に登ったものの、そこから動くことができず。そこから先は、マングローブの木の上に取り残された3人とワニの、いつ終わるとも
知れぬ我慢比べ。見るからにジャングルの奥地然とした見知らぬ土地で、飲料水すら持たず長期戦を行う精神的つらさは、想像に余りある。
しかも足元には腹ペコのクロコダイル。進退窮まるとはまさにこのこと。絶望的なまでに広い川幅、上空をのんきに飛ぶジェット機などをさりげなく写すいやらしさも見えるこ
の作品は大自然の中、そんな絶体絶命の状況に追い込まれた者たちの恐怖を実話をベースに綴ったのがこの作品なわけ。
安全な場所が木の上のみという状況、そして時折姿を見せるクロコダイルの姿が、真綿をしめるようにじわじわと伝わる恐怖となって観る者を締め上げる。
その一方でクロコダイルがダイナミックに襲い掛かるシーンではストレートな恐怖を演出し、その強弱がさらに恐怖を加速させている。
ただ残念なのは、取り残された3人同様、監督さんにもろくな知恵が出ず、こちらの予想を裏切るような展開、登場人物たちのチャレンジがみられなかった点。
「隠れる→我慢できず一か八か逃げる→襲われる→振り出しに戻る」の繰り返しになっている。その流れを立ち切れるかどうかが、鍵なのだろう
けど、残念ながらキャラクターたちが、命を懸けたギャンブルを繰り返すだけでは、こいつらバカか、の域を出ていない。そこが結局のところ「ジョーズ」
を超えきっていないというか、中途半端な位置にこの作品をおとしめた最大の要因であるような気がする。
低予算映画というのはなんとなくわかったんだけど、ワニがヤケに迫力あるなと思ったら、なんとか迫力を出したくて、いろいろ熟考した結果、本物のワニを撮影に使う
というとんでもない思いつきを実行していたらしいのだ。道理で...
動物指導の専門家などに聞いたところ、ワニなら演技ができるだろうとのお墨付きも得たというが...そんな確証どこにあるんだよ!!
まあ後味の悪さも含めて、みて損はないと思うけど、よく「実話」が繰り返されなかったなあ...そういう意味では奇蹟の映画といえるかも...
ちなみに本物を川に放った結果は案の定いう事を聞いてくれず、大切なカメラ機材一式をひとのみに食われてしまったということである。.....
なんともいいようがない^^
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