映画鑑賞記・22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語
09年1月20日鑑賞。
福岡市の国際貿易会社に勤める川野俊郎(筧利夫)は1960年代生まれの44歳。こだわりのない日常を過ごし気が付けば独身。社内には何となく気になる女性、有美がいた。有美(清水美砂)は37歳。仕事が順調で気が付けば未婚。でも結婚を諦めてはいない。密かに俊郎に想いを寄せている。しかしとっくに大人の分別を身に付けすぎてしまった二人に距離を縮める勇気はない。
そんなある日、俊郎は訪れた病院で「非閉塞性無精子症」と診断される。子供を持てない躰との宣告に追い打ちをかけるように激しい雨が降る。ずぶ濡れで駆け込んだコンビニで俊郎の耳に聞こえてきたのは『22才の別れ』だった。唄っていたのはレジの少女、花鈴(鈴木聖奈)た。とあるキッカケで花鈴の身上を聞いた俊郎は信じられない事実に衝撃を受ける。それはかつて唄の詩そのままに22才の誕生日に別れた恋人、葉子(中村美玲)にまつわることだった……。(あらすじはMOVIE WAKER より)
主人公は43才でもうすぐ44になるというサラリーマンと言うから、てっきり私たち昭和39年世代をターゲットにしたのかと思っていたら、2006年の作品だったわけですね。と言うことは私らより4~5才上の世代がどんぴしゃりはまる映画なんだろうと思う。
確かに私もフォークは好きで、大学時代「22才の別れ」は好んで聞いていた曲なので、わからないわけではないが、ストライクな世代ではない。言われてみれば1960年症候群などという台詞も出てくるし、団塊のすぐ下の世代と言うことも物語には描かれている。
だけど心情的には、セレブな44才より、彼女一人食わせてやれない22才の方に感情移入できるんだよなあ。別にバブルで得をしたわけでもないし、学生時代貧しい下宿で彼女と住んでいたわけでもないけど、その辺が微妙に感情移入できない。
後40代が妙に上から目線で見ているような感じがして、最初はいやだった。それでも大林監督独特の美しい映像と、伊勢正三さんの演奏と歌声で十分もっていける映画だと思う。2世代に振られる男の気持ちはわからないけど、
切なさは伝わってきたし。あと、大分の風景が美しかった。隣県なのにほとんど行ったことがない。こうして映像を通して町並みの美しさを知るのもまた一興だなと思った。