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映画鑑賞記・必殺仕掛人 春雪仕掛針

06年11月27日鑑賞。

正月の雪の降る夜、漆器問屋の一家が惨殺された。この事件は、半年前、ここに後妻に入ったお千代が盗賊の首領であり、彼女の手引きによるものだった。この真相を知っているのは、昔は盗っ人で今は堅気となっている、お千代を育てた小兵衛だけだった。小兵衛は千代を立直らすには彼女の子分たち(勝四郎、三上、定六)を殺すしかないと考え、仕掛人音羽屋半右衛門に三人の始末を依頼した。半右衛門の命を受けた梅安は、まず、定六を風呂屋の中で殺した。そして、三上は小杉十五郎の剣に倒れた。次に勝四郎を狙った梅安は、勝四郎が千代の情夫であるのを知ると同時に、千代は、昔、自分が女にした女であることを知った。千代が次に目をつけたのは大阪屋で、そこの手代幸太郎の誘惑に成功するが、幸太郎は勝四郎に殺されてしまった。(あらすじはMovie Walkerより)

こちらは完全に2作目の続編で、小杉さんもそのまま出てくる。テーマは金をもらって人殺しをする事への正否を問うという「必殺シリーズ」では割とありがちな話。しかし今回は盗人の頭を岩下志麻さんがやっていらしてもの凄い画面に緊張感がみなぎった力作になっていた。

梅安さんとの過去があるが為に罪を重ねてしまう女・お千代を熱演。それが殺しの重みを増す役割を果たしている。一方で梅安さんの命を助けるために助太刀に入った小杉さんの殺めた相手に子供がいたことを知り、信念の為だけに人が殺せるのか否かを突きつけられる小杉さんを林与一さんがこれまた熱演。

この二つの糸が絡み合って物語に重苦しい雰囲気を与えている。一時も目が離せない。仕掛人の劇場版はどれも出来が良くてすばらしい。なお、映画版には森次さん、黒部さんとなぜかウルトラ兄弟の出演があって、両方とも死んでいるというのがなんともはや。

聞いた話ではこの時分には、お二方とも時代劇の仕事が多かったそうなのだが、そのうちのひとつなのだろう。余談だがテレビシリーズ3話がこれと近い話の筋立てになっていた。オチも設定も違うけど。

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