映画鑑賞記・渋谷怪談
05年3月26日鑑賞。
女子大生の八島リエカは友人たちとキャンプを楽しんだ後、赤ん坊の声のような奇妙な幻聴に悩まされ始める。やがてキャンプ仲間が次々に失踪し、変死してゆく。続出する怪現象の中で生き残ったリエカと宮野良平は、キャンプ時に利用した渋谷のコインロッカーが、かつてのコインロッカーベイビーの現場と知る。渋谷には、幸せを呼ぶコインロッカーの噂がある一方、そのロッカーを使った者は呪われるという噂もあった。リエカたちは呪いを止めるべく、そのコインロッカーへと向かう。(あらすじはwikipedeiaより抜粋・編集)
ホラーはあまり得意分野 ではないが、演者に 惹かれてみてみた一本。 ガオイエロー堀江慶 「監督」作品。 特撮ファン的には「そっち 」関連の豪華キャストから入っていくのはある意味ベストかも。私も実はそっから興味持ってたし。
ちょっと前のスーパー ヒーロータイムでおなじみ の顔ぶれが続々出てきては ひどい目に遭う。おそらく監督の人脈が生かされまくった?顔ぶれだけでも満足がいくけど、これに内容が十分に 伴っているから素晴らしい。
一時間十分程度の小品 ながら小粒でぴりっと辛い、ちょっともの悲しい良質の「怪談」。少し泣いてしまいそうになった。ホラーの定石である「キャンプに行った男女がひどい目に遭う」パターンを「水子地蔵の呪い」という 黄金律を使って、 「本当に怖いのは希薄になった人間関係」という テーマにもっていったのは見事。渋谷という 「いかにもな」舞台で描いている。ありがちとはいえ、全くハズシがない。台詞まわしよりも風景や色で登場人物の心象を表現しているのが素晴らしい。
だから随所に出てくる 台詞が印象深く聞こえる。 友達の死に対しての「怖いけど悲しくない」とか、ヒロインが教え子に対していった「望んで産まれてこない子供は いない」とかいった台詞が生きている。
最後に怖い目にあった主人公が、教訓を元に希薄な人間関係を 埋めていくとか、単なる 成長物語にせず、希望のもてる終わり方にしていないのも好感。救いはないけど嫌みはない。