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万国びっくり映画鑑賞記・女子高生ロボット戦争

2016/10/18

ロボット工学からナノテクまでマスターした頭脳明晰な「天才オタク少女」のブリトニーと、運動神経抜群でアメフトから格闘技からスポーツ万能の少女「スーパーガール」アリー。少々変わっている事もあり(実際は変わっているとかいうレベルではないが)、周囲から奇異の目で見られる事もある2人の少女は、昔からの無二の親友だった。しかし、そんな彼女たちの通うハイスクールに、都会からの転校生でハンサムボーイのクリスが転校してくる。

ブリトニーはクリスに一目惚れし、それを知ったアリーはクリスと彼女との仲を取り持とうとするが、彼女自身もクリスの事を好きになってしまい…やがてクリスを巡る2人の天才少女の対立は、巨大ロボットまで登場する大事件へと発展していく・・・

ご存じ「とんでも映画にこの会社あり」といわれる「アルバトロス」作品!しかもアマゾンでは1900円もしてるのに、近所のホームセンターでは500円で売っていた!もうアルバトロス製というだけで、内容は約束されたようなものだが、意外にも1時間近く「ビバリーヒルズ青春白書」のようなノリが延々と続き、少々辟易してくる。「俺はロボット戦争がみたいんだよ!」という向きには1時間を超えないと、お楽しみは訪れない。

もっとも随所におかしな場面はあって学校のカウンセリングルームのPCで18禁サイト(と思われる)をのぞいているスクールカウンセラーにブリトニーとアリーが個別に恋愛相談にいっていたり(こんなのに相談するほうも相談するほうだが…)、夜の遊び場で絡んできたカウボーイハットの若い男のジーンズのベルトを「WWEのチャンピオンベルトを巻いているような人を相手にけんかしようとは思ってないですよ」とイケメン転校生クリスが「挑発」するシーン(この挑発に男がのってくるものの、転校生ではなくアリーがボコボコにしてしまう。)など、細かいところをあげていけばきりがない。

この騒動の後、ナノマシーンみたいなロボットがでてくるので、巨大ロボじゃないんだ、と思っていたら、やっとロボ登場!しかしブリトニーが鉄人28号のようなリモコンで操るロボはなんと約3メーター程度。しかも超陳腐なCG!

ここでひるまないのがアリーの恐ろしいところで、なんと持っていた金属バットでロボの足を一撃で破壊!ロボ戦闘不能!役に立たねえ!!!!このロボ、確か米軍も使用してる特殊金属製とかいってなかったか?まさか市販の金属バットに敗北するとは!・・・ということで戦争する前にロボ退場!この間5秒!ええ????

驚くのはまだ早い!序盤で図書館をめちゃくちゃにした(といっても本を数冊落とした程度)ブリトニーは次の手として両手にミサイルを仕込んでいた。これが学校中を飛び回る!女の嫉妬こえええ!!!さらにブリトニーはロケットランチャーを片手にもと親友を狙い撃つが、誤って砲弾が校長の頭に激突!しかし、校長は気絶するだけ(のちに額に絆創膏貼って登場していた)で、弾は校長の頭から跳ね返ってよその方角に飛んでいく・・・(それも校外に・・・)なんか少女コマンドーIZUMIを思い出してしまったが、あれの方がまだまともだったような・・・・

ここからロボット戦争開戦か・・・と思いきや、なんと運動少女アリーにブリトニーが肉弾戦を挑む!それもカンフーで!である。いや、それできるんならなんでロボ作ったの?なんでミサイルやロケットランチャー用意してるの?肉体派のアリーに体力で勝てないからロボとか用意したんじゃないの?っていうか、ミサイルやランチャーぶちこまなければ勝てないと思っている相手に、最後何でステゴロ(素手の喧嘩)挑むかなあ・・・・?

ということで唐突に「女子高生カンフー戦争」(アリーはキックボクシングやってるんで実質異種格闘技戦だけど)に内容チェンジ。「どこで覚えたの?」と聞くアリーに「本で読んだ」とさらっと返すブリトニー。本さえ読めばロボット制作から格闘技まで習得できるって能力むちゃくちゃすごくないか?

この格闘戦シーンはチープなロボCGとは打って変わって超シリアスモード!武田梨奈レベルとまではいかないが、まあそこそこ形になっているし、プロポーションもいいので見栄えがする。そしてしばらくやりあううちに拳と拳で語り合って理解しあった?2人は親友に戻って唐突に闘いは終了。このあたりもカンフー映画のそれに近い。

とにかく前半の三角関係と後半の破天荒なアクションシーンとの落差がすごすぎて、この手の映画が好きな人にはこたえられないだろう。もっとも前半もコメディ色が強いため、全編青春コメディ映画としてみようと思えばみられなくもない。ビバリーヒルズからやってきたイケメン転校生クリス(しかしどう見てもイケメンでない)が花をバックに散らしながら現れたりするあたりから、なんか変だし…

でも最後警察まで出動する大騒ぎ(当たり前だ)に発展しながら、ブリトニーパパが図書館と校舎の破損分を全面的にみることで示談になってるし(いや、ミサイルは確か校外にもでていった描写があったぞ・・・)、いくら町の名士が口きいたからって大団円で終わらせていいのかよ?

それにしても大概こういうタイプの映画で引き合いに出されるのがWWEというのがなんかおかしい(確か別な映画では、未来人の知能が低下している設定で、その世界での最高の娯楽がWWEだった)。WWEの映画は腐ってもアルバトロスのよりはきちんとしているんだが・・・・

とにかく1時間は退屈なドラマに付き合う必要があるけど、そこをこえたら期待以上のものがでてくるし、主演の2人もアメリカ人にしては結構かわいい部類に入ると個人的には思うので、見て損する覚悟がある方はぜひご覧いただきたい!

my-story-eiga
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