スターウォーズにまつわる四方山話・デザイン編
1977年公開のスターウォーズ(エピソード4)は、それまでのSF映画の概念を大きく変える作品として登場しました。
それまでSFに出てくるメカは、その多くが流線型であることが前提にデザインされていました。私感ですが、これは地球から宇宙に飛び立つ際に空気抵抗を考えた上で、そういう形になったのだと思われますが、もともと空気のない宇宙に浮かび、惑星着陸を前提としなければ、実は空気抵抗を考える必要はなかったのです。
事実、1968年に原作が発表され、78年〜79年に日本でアニメ化された「キャプテン・フューチャー」において、主役機であるコメット号のデザインが大きく変化しています。原作では涙滴型とされ、挿絵のデザインも全くそのまま涙の形をしているのですが、スターウォーズなどの同時代SF作品の影響を受けて、Xウイングを彷彿とさせるデザインに変更されているあたりが、典型的な例でしょう。
話は前後しますが、キャプテン・フューチャーの生みの親、エドモンド・ハミルトンは、「スペースオペラ」作家として、数多くの作品を残しました。スターウォーズもまたこのスペースオペラの一種でありますが、もともとスペースオペラというのは、質の悪いSFを指す蔑称でしかありませんでした。
しかし、スターウォーズの登場で、スペースオペラは一躍SFのいちジャンルとして定着することになりました。皮肉な話ですが、スターウォーズブームにあやかり、ハミルトン原作の「スターウルフ」もまた日本でTV特撮シリーズとして放映されました。
ちなみに、同時期に制作されていた映画「宇宙からのメッセージ」にスタッフをとられ、スケジュールがおさえられず、また画期的特撮を目指すあまり、四話で特撮予算を使い切ったり、視聴率低下による路線変更などで、結果的に作品が「元の意味での」スペースオペラになってしまったのは皮肉な話だともいえるでしょう。
あえて、同時代にスターウォーズの影響を受けていないSF作品をあげるとしたら、銀河鉄道999、宇宙戦艦ヤマトの第1作目くらいでしょうか?そのヤマトですら続編では、影響されたメカニックが登場しています。
ガンダムは代名詞のビームサーベルにあるように、影響をもろにうけてますから、いかに当時のSF作品がスターウォーズの影響を受けていたか、わかろうというものです。
ルーカスは当初から他にないデザインを追求していたそうで、未だに古さを感じさせないデザインは、革新的ですらあります。スターウォーズの登場は、ストーリーや音楽だけでなく、あらゆる面で世相に影響を与えていたのです。