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映画鑑賞記・湘南爆走族

10年7月1日鑑賞。

 これは少年KINGが掲載誌でなかったらもっともっと語り継がれたであろう名作マンガが原作。あの宮崎駿をして「名作」と言わしめたほどの傑作なのだ。ジブリでアニメ化すればいいのに^^まあその前にアニメにもなっているし、こうして実写化もされている。

江口洋介が江口洋助役で出ているのは単なる偶然。まあしかし、偶然とはいえ、名前が似ていたというのは選ばれる際にインパクトがあったのは間違いないだろう。映画デビュー作にして初主演作でもあり、織田裕二や清水美沙のデビュー作でもある。

神奈川県茅ケ崎にある波打際高校。放課後の手芸部部室に、女生徒たちとフランス刺繍に励む紫色のリーゼント頭

の江口洋助の姿があった。彼は手芸部部長としてのやさしい顔と湘南暴走族のリーダーとしてのいかつい顔の二つを備えていた。間もなく江口はこっそり部活を抜け出し仲間の呼び出しに単車の待つ校庭へ出向く。

数分後、湘南の潮風の中、江口、親衛隊長の晃、丸川、桜井、旗持ち原沢の略して“湘爆"こと、湘南爆走族はマシンをぶっ飛ばしていた。途中、路上で隊員勧誘のためのプロモーションビデオの撮影に大忙しの宿命のライバル“地獄の軍団"にガンくれた後に、彼らはラーメンショップじぇんとる麺をめざす。そこのマスター茂岡は、湘爆の初代親衛隊長である。

金欠で一杯のラーメンをとりあう湘爆のメンバーたちを怒りながらも温かい目で見ている。その頃、横浜をおさえた

荒くれ集団“横浜御伽"は湘南進出をもくらみ、他グループの席巻を開始した。まずは湘南を爆走中遭遇した地獄の軍団を叩きのめし、リーダーの権田を病院送りにした。

また、晃は恋人民子とデート中、民子にチョッカイを出した彼女の中学の先輩だという横浜御伽の神林と乱闘になるが、これをたたきのめしてしまう。一方、横浜へ銀色の刺繍糸を買いに出た江口と副部長津山の前にも御伽の面々が

現われ、喧嘩を売って来た。そしてとうとう御伽が復讐に燃えて湘爆狩りに打って出た。それを受けた晃はひとりで

決着をつけるといきがって長者ヶ崎へ向かってしまう。御伽のリーダー城崎の妹・奈美は前々から江口に憧れていて

決闘をやめさせようと波打際高校を訪れた。長老ヶ崎へと単車を走らせる湘爆たち。それを病院の窓から見つけた

権田も抜け出し、地獄の軍団も向かった。

闘いの結果、江口は「走り屋はハシリで決着つけよう」という言葉にチキンレースをする二人だったが...

バカなところもあるんだけど、ものすごく人間味もあるところがいい。ケンカをくだらないといいきり、ヤーさん

と自分たちはちがうんだという、江口の主張に込められたモノは、それまで暴力が絶対上位だったハシリ屋不良系マンガを大きく変えたと言ってもいいだろう。

こういうバカはでもいたなあ^^硬派は硬派なんだけど、文化系の不良って。今はもう絶滅危惧種だけど。ただ、いきがっているだけでなくて、単に走りたければみんなで走ればいいと言うのは根っから走ることが好きだという、彼らは見た目やんちゃだし、バイトも次々クビになったりするんだけど、仕事ぶりに関しては本人達が抜けているだけでマジメなのだ。そしてキチンと学校にも通っているし。

出席が足らないのに頭の指示に逆らえない下っ端とか^^今はこういうのがいなくなって、形骸化した単なる軽いヤツだけがミョーにいきがっていたりするけど、もはや映画やマンガにすらならないほどスケールダウンしてしまった。

この当時はまだ東映もこんなの撮る元気があったんだよなあ。良くも悪くも大見栄切っていく映画って言うのは

このあたりが最後かもしれない。そして江口洋介が年を取るに従って爽やかになっていったのに対して、織田裕二はこの頃より暑苦しくなっているというのが意外といえば意外。本当、人それぞれななんだなあ...

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