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[アニソン] アニメ的音楽徒然草 あの素晴しい愛をもう一度

時系列順ではない物語

今回は2015年に放送された「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」一期第一話で使用された「あの素晴しい愛をもう一度」のご紹介です。「すばらしい」の表記は、正しい変換では「素晴らしい」になるんですが、この曲の正しい表記は「素晴しい」となります。

コンクリート・レボルティオは、昭和をモチーフにした架空の元号「神化」が舞台で、そこで、異能の力を使う「超人」たちがそれぞれの目的を持って行動し、時に助け合い時に戦う世界を描く物語です。

コンクリート・レボルティオに登場する人物・事物・事件などは昭和に実在したものとその当時の漫画やテレビ番組などがモデルとなっています。

ちなみに物語は、主人公・爾朗がかつて超人課エージェントであった神化41年前後と、その後の神化45年前後の2つの時制が断片的に進行しています。つまりは時系列順に物語が流れていかないのです。

その中で爾朗に、超人課に、日本に何があったのか。超人たちの真相をパズルを組み立てるように描いているため、初見だとかなりちんぷんかんぷんになる可能性が大です。

神化版の「名曲」

さて、そんな昭和をモチーフにした神化では、昭和に流れた曲が使われています。「あの素晴しい愛をもう一度」もそうです。

ちなみにオリジナルは、加藤和彦さんと北山修さんの連名による作品ですが、「コンクリート・レボルティオ」では、川本真琴さんのカバー版が使用されています。

川本真琴さんは、アニメ「るろうに剣心」のオープニング「1/2」を歌われたことで知られています。川本さんの「この素晴しい愛をもう一度」は、オリジナルとはまた違ったイメージで、最初は川本真琴さんとは気づかず、エンディングクレジットをみて、びっくりしたのをよく覚えています。

「あの素晴しい愛をもう一度」は桑田佳祐さんや井上陽水さんら、多くの錚々たるミュージシャンがカバーしていますが、アニメファン的にはアニメ「日常」(2011年)の第20話エンディングとしても使用されたことも付記しておきたいですね。こちらは佐咲紗花さんが歌っておられます。

昭和歌謡を挟む演出

このように昭和歌謡を劇中に挟むのは水島精二監督の「得意技」のようで、同監督の「夏色キセキ」(2012年)では大瀧詠一さんの「空飛ぶクジラ」のカバー版が劇中で使用されています。

ちなみに「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~神化・傑作曲集」には、北山さんと加藤さんが在籍されていた「ザ・フォーク・クルセダーズ」の「悲しくてやりきれない」も収録されており、こちらは一期第三話で使用されています。また大瀧さんが所属していた「はっぴいえんど」の「さよならアメリカ さよならニッポン」が二期の第23話で使用されています。

コンクリート・レボルティオでは歌だけがフィーチャーされたのではありません。なんといっても話題になった第9話「果てしなき家族の果て」を取り上げないわけにはいきかないでしょう。

この回の「主人公」は、畑山・森野家。ファミリー7人は全員が地球誕生と共に現在の姿のままで生まれ、そのままの姿で数十億年という悠久の時を生きてきた一家です。

驚異のセルフカバー

不老の能力を有しており、見た目と実年齢は全く一致しない上に、外部からの攻撃的な働きかけが全く効かないという、不死というレベルすら遥かに超越した不滅の肉体を持っていて、仮に肉体を完全に滅したとしても、すぐに復活します。

そのため定期的に住む場所を変え周囲の人々に怪しまれないようにしていたというファミリーなんですが、この〇ザエさんをモチーフにした一家が活躍する第九話を担当したのが、アニメ「サザエさん」第一話の脚本を担当し、今なお同作の脚本を手掛け、SFにも見識がある作家の辻真先さんだったから、二度びっくり。

まさに「セルフパロディ」といってもいいこの衝撃回は、今もなお語り草になっています。確かにサ〇エさんのパロディは腐るほど存在しますが、なんといっても現役スタッフ自ら(それも大御所!)が手掛け、しかもきちんとしたSFとして、原案になったサザ〇さんを損ねない描き方をしたという点では、後世に語り継がれるものと私は思っています。

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