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[私的人物伝] アニメーションスーパースター列伝 モンキー・パンチ

これが噂のルパン三世か

平成の最後には、さまざまな方々が後を追うように鬼籍に入られることがたくさんありました。その度に悲しみにはふけるのですが、あまりに立て続け過ぎて気持ちが追いつかないというのが正直なところです。

今回取り上げる漫画家のモンキー・パンチ先生の訃報もそうでした。一般的にはルパン三世の原作者として著名な作家さんですが、あまりにアニメが有名になりすぎて、私には、モンキー・パンチ作品が正当な評価をされていない感じがずっとしてました。

では、そんな私がモンキー・パンチ作品を語ることができるのか?というと「ある程度はできる」ということはできますでしょう。といいますのも、私は原作からルパン三世に入った、世代的にいうとかなりませたガキだったからです。もちろんアニメのルパン三世ファーストシリーズが放送されていた1971年当時、私はまだ小学校低学年でしたので、リアルタイムの世代ではありません。

ですから、私が初めてルパン三世を読んだのは、第2シリーズが始まっていた中学生時代になります。この頃私はボーイスカウト部に所属していました。実を言うと、この部活は望んで始めたものではなく、成り行きで入部したもので、正直イヤイヤやっておりました。そんないやで仕方ない部活に唯一の希望がありました。

それがルパン三世だったのです。当時なぜか部室には原作コミックスが全巻揃えられており、最初は「これが噂のルパン三世か」という程度でパラパラみていました。

リアルタイムでは見られなかった

今思うと、ルパンとともに部室にあった「俺の空」にしろ、中学生にしては刺激の強い作品が並んでいたのですが、私個人はルパン三世のエロティックな部分より、アダルトでバイオレンスな雰囲気に打ちのめされたのでした。そこからほかの作品まで読むようになっていったのです。

私がルパンに対してエロティシズムを感じたのはむしろアニメ版の方で、再放送されていたファーストシリーズの第1話や、劇場版第一作(マモーとの対決)などがそうでした。

正確にはルパン三世より以前にアルセーヌルパンに慣れ親しんでいた私としては、よりアダルティックな雰囲気を纏い、なおかつ荒削りながら、迫力十分な画風にノックアウトされていたのです。ところが、テレビ版第2シリーズは塾の関係で、劇場版第一作、第二作(カリオストロの城)は部活のせいで、リアルタイムでは見られませんでした。

ボーイスカウトでは年末に赤い羽根募金を行うんですが、ルパンが公開されていた劇場のある商業施設前で、映画に未練を残しながら、募金活動をしていた想い出があります。

しかし、私とルパンとの出会いが原作からだったせいか、後年見た第2シリーズは食い足らなく見えました。特にアニメではギャグテイストに味付けされた銭形警部に関しては失望以外の何者でもなかったですね。

部活をやめた後も、原作原理主義の道をひた走った私は、アニメ版には特に厳しい目で見るようになってしまいました。とはいえカリオストロの城に関しては、「宮崎駿監督のルパン三世」として最初から捉えていたせいか、それほど違和感は感じませんでした。

金持ちで盗みを楽しんでる

むしろ、公開当時は世間の方がカリオストロに関しては冷たかったように記憶しています。宮崎さんの絵にはまだ名作劇場の色合いが濃く滲んでいたので、アダルト路線のマモーを支持した層には不評でした。実際興行収益は、マモーが9億1500万円。対してカリオストロは公開当時の1979年に公開された全ての映画の中で興行成績の「最低記録」を打ち立てたのです。今では考えられませんけどね。

モンキー・パンチ先生は、アニメはアニメ、原作は原作というスタンスでいた作家さんなので、宮崎ルパンにも鷹揚な印象がありましたが、後年先生自らが監督を手掛けられた「ルパン3世DEAD OR ALIVE」で、先行しすぎたアニメ版のイメージに固執したスタッフと、しばしば激突されたのは、有名なエピソードです。

アニメのルパンは基本的に殺人をしませんが、原作のルパンはそうではありません。私が原作ルパンに感じていたバイオレンスのにおいは、アニメでは相当薄まっていましたし、そちらをスタンダードだと認識している人間からすると、原作ルパン三世はあまりにダーティーで受け入れがたいものなのでしょうね。

そもそも原作にあった「ルパン帝国の総帥で金持ちだけど、知的ゲームとして盗みを楽しんでる」ルパンが完全に出てくるアニメシリーズはないですからね。強いて言うなら原作の設定をアニメに取り込もうとしたPART5あたりが、アニメと原作の溝を意識的に埋めようとした痕跡がうかがえます。

ですが、宮崎ルパンというのはこの真逆で、毒気を全部抜いた人も殺さない貧乏泥棒ですから、描かれ方の方向性がまるっきり違うわけです。ともあれ、アニメファンからは必ずしも高評価を得なかった「ルパン三世DEAD OR ALIVE」ですが、今となってはモンキー・パンチ印唯一のアニメ作品として、異彩を放っている事を考えると、この作品が作られた意義はとても大きいと思います。

あらためましてモンキー・パンチ先生のご冥福をお祈りいたします。

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