[心理×音楽コラム]200%元気がもらえる心理的音楽徒然草(22)君に、胸キュン
今回はYMOの君に、胸キュンをご紹介します。
この曲は、「かわいいおじさんたち」というコンセプトで発表され、今までの機械的で無機質なイメージとは全く違う、アイドルのような爽やかないでたちの3人がパフォーマンスを披露しました。
PVでも3人が振り付けをつけて踊っていることも含め、それまでの路線と大きく一線を画したことで、支持・不支持がかなり分かれました。
要するに、立ち位置的には当時のアイドルが歌う歌謡曲のパロディに近い感じではあったのです。
しかし、ゴリゴリのテクノサウンドを期待していた層からは、大衆に迎合したように感じられたのかもしれません。
当時放送していた「高橋幸宏のオールナイトニッポン」で、ユキヒロさんが「YMOのファンクラブの人数が減った」話をしていた記憶が私にはあるのですが、それくらい良しにつけ悪しきにつけインパクトがあったということですね。
君に、胸キュンも、後年アニメ主題歌になりました。
天の妃少女合唱団(真田アサミ、小林ゆう、井上麻里奈)が歌うテレビアニメ『まりあ†ほりっく』のエンディングテーマになりました。
可愛らしいアニメキャラの声を担当した女性声優さんのユニットが歌うことで、同じ曲なのに、まるで違う曲みたいに私には聞こえます。
それは結局、歌謡曲のパロディ的なテイストを持った君に、胸キュンが一周回って正統派歌謡曲にリバースしたともとれるかなと思います。
年代を経て曲の意味合いまで変わったという点では、単なるカバー以上の変化があったといえるかもしれません。