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[心理×映画] 映画鑑賞記・この胸いっぱいの愛を

09年1月23日鑑賞。

鈴谷比呂志は百貨店勤務の30歳の男。出張で小学校時代を過ごした門司(福岡県北九州市)を訪れた。ふと見ると少年が走っている。それは20年前の自分だった。喫茶店で以前に出会ったヤクザ・布川と再会し、新聞を見ると1986年の文字がある。比呂志と布川は、2006年から20年前、1986年の門司にタイムスリップしていた。

20年前に自分の不始末で火事を起こしたのを思い出した比呂志は、少年時代に過ごした旅館に駆け込んだ。比呂志の働きで火は消し止められ、火事は起こらずに済む。

やがてこの旅館に住み込みで働くことになり、幼い頃の自分と同居生活をはじめた比呂志は、ある女性と出会う。それは20年前の比呂志の初恋の女性、青木和美だった。音大を卒業した和美は明るく気さくな性格で、少年時代の比呂志の遊び友達であった。しかし比呂志の記憶では、20年前、和美は難病を抱えており、手術を拒み続けた後に死亡していた。和美を救えなかった事が心の奥にあった比呂志は、果たして今度は和美を救えるのか?(あらすじはwikipediaより)

梶尾真治原作×塩田明彦監督の第2弾。「黄泉がえり」はほとんど原作に忠実だったけど、こちらはほとんどオリジナルストーリー。個人的には「原作いらねぇじゃん」と思ってしまうくらいオリジナルな内容なのだが、不思議とカジシンカラーだけは守られている。

塩田監督のお得意パターンと言えばそれまでだろうが、この監督の持ち味は宮崎あおい主演「害虫」みたいな映画だと思うので、やはり梶尾原作の看板は必要だったのだろう。

舞台がなぜ北九州なのかも疑問だったけど、ノスタルジックな演出にはあの代わり映えしない町並みは必要だったかなと思う。

どうせなら「ロボコン」の時も書いたけど方言も使ってほしかった。それをのぞけば問題なし。

特に役者.宮藤官九郎の名演には思わず泣きそうになった。全くのオリジナルシーンなんだけど、梶尾さんが書いたみたいな展開に驚きつつも、感心した。この人何でも出来るんだなあ。

あと、最後にひとことだけいっておきたいのだが、この映画と原作がほとんどリンクしていないからと行って、どっちか片方だけ

見るのだけは止めてほしい。原作は原作ですばらしいし、この映画もそれ自体すばらしい。特に原作を先に読んだからといって、ネタバレになるようなことは一切ないので安心してみてほしい。

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