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映画鑑賞記・テラ戦士ΨBOY

テラ戦士ΨBOY
 07年5月15日観賞。

今や大学で教鞭まで取っている
菊池桃子さんの若かりし頃の作品。
 
 謎の精神体BOYを救うため、
桃子を始めとする超能力集団が
活躍するファンタジー。

 6歳の少女桃子は、遊園地で友達
のモトハルと遊んでいたとき、
突如として光に包まれ次の瞬間、
16歳の高校生としてごく普通の
学園生活を送っていた。
10年間普通に生きてきたことを
自覚しているものの、この不思議な
体験は、6歳の遊園地の時から突然、
自分が16歳になったようにしか
思えなかった。幼馴染みのモトハル
に打ち明けても、彼は白昼夢だと
笑うのみ。
 同じ頃、彼女らの周辺では、
勉学やスポーツに長けた学生が
消息を絶ち、その2日後に2日間の
記憶ともとの卓越した能力を失って
帰って来るという奇妙な事件が頻発。
そして桃子やモトハルに突如、
超能力が身につく。

 後日「ディラスポーラ」という
メッセージのもと、エスパー少年たち
が桃子のもとに集まってきた。
しかし、悪のエスパー・フレイムの
刺客が彼らを襲う。危機を脱した
彼らは、自分たちを集めた謎の存在
「BOY」からメッセージを受取る。

 彼らに救いを求める「BOY」役の
声はナウシカ島本須美さん。
男役は当時としては極めて珍しい。

 特撮スタッフは歴戦の円谷プロ
関係者に、特殊メイクの原口智生
が加わった布陣。原口氏は超能力者
ゴールデン・フレイムを『宇宙水爆戦』
エクセター人へのオマージュとして
デザインしたそうでそのかつらは白髪
のものがなかった為、普通のかつらを
脱色したものとか。
ゴールデン・フレイムは後にハリウッド
映画にもなった漫画『強殖装甲ガイバー
のギュオーのモデルになったと
作者がコメントしているそうである。
 これを益岡徹さんがカッコよくも
憎々しく演じている。その友人で
手下にされてしまっているのが
竹中直人さんで、アドリブ全開で
はちゃめちゃな役を演じきっている
のが特筆もの。

 また特殊撮影班も東洋現像所
(現イマジカ)のC-CAMの他に
独自のモーションコントロールカメラ
を製作、この両者を駆使して美しい
光の素材を作り上げたのだそうで、
これと林哲司さんの音楽との
相乗効果を生んでいる。特撮技術
としては22年前の粋を集めている
だけに、決して悪くない。

 またストーリー自体も基本的に
良くできたジュナイブル(原作が
外国の人とは...忘れてた)で、
某国営放送の「少年ドラマシリーズ
を彷彿とさせる。今見ても遜色ない
もので、単なるアイドル映画と
笑い飛ばせない魅力がある。

 このテープを録画して保存していた
のは結婚して現在は埼玉に住む
実妹だが、残していたと言うことは
彼女もこの映画を面白いと思ったのだろう。

ただ、この映画には唯一致命的な
欠点があって、85年の時点で10年前の
遊園地において桃子のお母さん
(浅丘雪路さん)がクリスタル状の
ミニピラミッドを500円で買い与える
シーンがあるのだが、当時発行されて
いないはずの「500円硬貨」で
支払っているのである。
今見れば何と言うことはないのだが、
劇場で見たときはそれはもう違和感
バリバリだった。

 本作は唯一回地上波放送された
約20年前の映像を視聴したものだが、
解説のマイク水野閣下も若いし、
間に挿入されているコマーシャルも
とばすのが惜しいくらいレアだった。

 余談だが、テレキネシスを使う
少年ステーションくんは、私の
高校時代の同級生にそっくりで、
これは本人も認めた事実である。
 またこの映画をネタにして
アニメ誌に投稿し、採用されたのも
今となっては懐かしい想い出である。

 ところで私は公開当時、わざわざ
小倉の劇場まで足を運んで
この映画を見ている。
パンフも残っているので間違いない
のだが、菊池桃子さんのファンでもない
私がなぜこの映画を見に行ったのか、
その記憶がごっそりと抜け落ちて
いるのである。ディラスポーラ?
それとも単なる年のせい?(笑)

ちなみにこの記事は初掲載当時
検索1位になったものです。
やっぱ調べたい人はいるもんだな
と^^

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