
8年半の体験談を告白しちゃいます。もとカーディーラーセールスマンの体験談ブログ 車を買う時に気をつけておきたい10のポイント
8年半の体験談を告白しちゃいます。もとカーディーラーセールスマンの体験談ブログ(34)車を買う時に気をつけておきたい10のポイント(4)
2016/10/16
Win-Winの交渉をするためには譲るだけではダメです。攻めるところはせめてより有利な条件を出してもらわなければあなたがルーザーになるだけです。
私が勤務していた時代にはほぼなかったことですが、同じモデルが複数の販売店で売られているケースをよく見かけます。30年前だとフロントグリルやテールエンドを変えた「兄弟モデル」が多数販売されていました。マークⅡ三兄弟(マークⅡ、チェイサー、クレスタ)やカローラⅡ三兄弟(カローラⅡ、ターセル、コルサ)などが有名ですね。これらは基本同じ車でしたが、販売チャンネルが違うため、競争も激烈でした。まあ生産元のトヨタ自動車にしてみたらどれが売れても困りはしないのですが、その看板を借りて商売をしている各ディーラーはそれぞれがライバル同士で別な会社でしたから、当時はしのぎを削っていました。
ここで間違って欲しくないのは、下取り額を比較検討する際に、同じディーラーの違う営業所同士で値引きを競わせるのは無意味だということです。例えばトヨペット店の◯◯営業所と◯◯営業所で同じプリウスの見積もりを競わせてもあまり意味がないのです。なぜなら二つの営業所は同じ会社であり、下取り額を出す権限がある本社が同じだからです。上のような販売チャンネルが違う別な車でしたら競わせる価値があります。でも同じ車を同じディーラー内で競争させるのは賢いやり方ではないんですね。
今でいうとプリウスとかアクアなどは全トヨタディーラーで販売されています。例えばカローラ店のプリウスと、トヨペット店のプリウスの条件を競わせる、これはアリです。なぜなら同じトヨタの看板を持ちながら二つは別会社だからです。ほかのメーカーですと、店ごとに会社が違う場合もあります。わかりやすい言い方をするならば、セブンイレブンの看板を出しているコンビニが全て同じ会社の元で営業していないのと同じことになります。ですから一概に営業所同士を競わせることが悪いわけではありません。
しかしだいたいどのディーラーにも共通しているのは、下取り価格はそんなに高くはならないということです。なぜなら彼らの主力商品は新車であり、中古車販売はおまけみたいなものでだからです。もし新車と同等の力を注いでいるなら、新車営業所と同じくらい中古車販売店も存在するはずです。私が知る限り同じ市内に新車営業所はいくつもありますが、中古車販売店はよくて一市にひとつといったところでしょうかね。
今は買取専門店なども充実しています。ディーラーの言い値で買い取らせるより、まず無料査定を受けるなどして、より高い所に引き取ってもらってそのお金で資金調達するとか、あるいは見積もりだけもっていってディーラーに高値でとらせるというのもアリです。
ちなみに車の価値を6年で滅却させるのはディーラーサイドの考え方です。実際は6年乗ろうが、10万キロ走ろうがきちんとした整備さえしていれば、ほぼ車には価値がでます。最近は事故車買取みたいなケースを謳うお店も増えましたからね。また部品どりをして販売するケースも出てきていますから、実際は売れない車が即廃車になるケースはまれだと考えてもいいと思います。特にあなたがワンボックスカーや、ハイブリッドカー、軽四の人気車種にお乗りでしたら、査定の一番いいところにもっていって高く買い取ってもらい、そのお金で新車を買う足しにするというのが最も賢いやりかたかもしれませんね。
賢い消費者は交渉する前に準備します。交渉のプロを相手にするわけですから、こちらもそれなりの準備をして挑む必要があるわけです。ただしそれは意味がある準備でないといけません。
まとめておくと
①同じディーラー内の違う営業所同士の見積もりをとって競わせるのはあまり意味がない
②競わせるなら多チャンネルで売られているモデルを、違うディーラー同士で競わせる
➂ディーラーの下取り以上に高く買い取ってくれる買取専門店を活用する
この3つができていたらだいたい準備完了です。どうせやるなら相手も自分も買ってよかったと思える買い物をしたいですからね。