[プロレス] 私的プロレススーパースター烈伝#86 ニック・ボックウィンクル

私的プロレススーパースター烈伝#86 ニック・ボックウィンクル

AWAのダーティチャンプ

今回はAWAのダーティチャンプことニック・ボックウィンクル選手のお話です。

ニックさんはリック・フレアー選手に先駆け、バディ・ロジャース選手の流れを汲むヒールの「ダーティー・チャンプ」のスタイルを貫いた選手です。

劣勢になるとわざと凶器攻撃を見舞ったり、セコンドを乱入させるなどして反則負けを選び、AWA世界ヘビー級王座を防衛することがほとんどでした。

これはAWAではピンフォール勝ち、ノックアウト勝ちもしくはギブアップ勝ちでないと王座は移動しなかったためです。

レジェンドの試合を間近で

ニックさんのお父さんウォーレン・ボックウィンクル選手もまたプロレスラーでした。

お父さんは1930年代から1950年代にかけて活躍した名ヒールで、少年時代のニックさんはお父さんの巡業に同行し、レジェンドの試合を間近で見る機会に恵まれました。

この経験が後のレスラー人生で大きな財産となったといいます。

ニックさんは15歳のとき、ルー・テーズ選手を相手にデビューします。

28歳の時にフルタイムのプロレスラーとなり、アメリカ各地を転戦し、ローカル・タイトルを数多く獲得しています。

天才といわれた実力派

のちに「プロレスラーはスーツケースひとつで旅ができる仕事」とニックさんは述べています。ニックさん自身もそうした仕事をしたかったということだったようです。

ニックさんは天才と言われるほどの実力派レスラーでしたが、なかなかタイトル挑戦に恵まれず、30代中頃からAWAに定着し、AWA世界タッグ王座を獲得した後、1975年11月18日、ミネソタ州セントポールにおいてバーン・ガニア選手を下し、AWA世界ヘビー級王座を獲得します。

以後1987年5月2日にカート・ヘニング選手に敗れタイトル戦線から退くまでの13年間で同王座を合計4回獲得し延べ7年以上保持し、北部の帝王として君臨しました。

ヒールのお手本

1979年3月25日には、AWA世界王者として当時のWWF王者ボブ・バックランド選手とダブルタイトルマッチも行っています。

ニックさんはヒールのお手本的存在としても語られることの多いレスラーでした。

ニックさんは、日本にも日本プロレス、国際プロレス、全日本プロレスへの参戦で度々登場しています。

本格派の実力

「反則負け、リングアウト負けなどあらゆる負けでも王座が移動する」というPWFルールで行われた1984年2月23日のジャンボ鶴田選手とのAWA世界・インターナショナルダブル選手権や、鶴田さんにAWA世界王座を奪われてからのAWA世界選手権では打って変わって本格派の実力を示し、それまでの「ルールに守られている単なるダーティー・チャンプ」という見方が過小評価であることを示しました。

求められた仕事を

もっともファンに王者の実力を過小評価させ『次にやれば地元のヒーローが勝つ』と思わせるのがダーティー・チャンプの在り方でしたから、ニックさんは求められた仕事をしたに過ぎなかったのです。

鶴田さんは、2月26日の試合後のインタビューでは「ニックは強いですね」と発言し、この連戦以降はニックさんを酷評するような発言はピタリと止め、全日本プロレス中継のスペシャル番組「ジャンボ鶴田と5人のライバル」ではスタン・ハンセン、三沢光晴、天龍源一郎、ブルーザー・ブロディ各選手と共に、ニックさんを選ぶほどに評価を高めています。

夢の世界王者タッグ

ジャイアント馬場さんもニックさんを「ダーティ王者と言われながらも根はオーソドックスなテクニシャン」と語っています。

また、全日本の年末恒例世界最強タッグ決定リーグ戦では1978年から1985年にかけて4回出場、1984年にはハーリー・レイス選手との「夢の世界王者コンビ」も実現させました。

殿堂入り

1987年8月の全日本プロレスへの参戦を最後にリングを降り、WWFのロード・エージェントやWCWのコミッショナーなどを務めました。

2007年にはWWE殿堂に迎えられました。そして 2015年11月14日、80歳でお亡くなりになられました。

没後の2016年にはNWA殿堂にも迎えられています。

理詰めのレスリング

ニックさんは非常に理詰めのレスリングをし、投げ技も上手いのですが試合では殆ど使いませんでした。

また有名な言葉として残っている「相手がワルツを踊れば私もワルツを踊り、ジルバを踊れば私もジルバを踊る」は、もともとはお父さんから教えられた言葉で、
相手のスタイルにあわせて、相手の持ち味を十分に引き出すのが私の役目、という意味をもっています。

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私的プロレススーパースター烈伝






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