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[プロレス観戦記] DDTレスリングとんこつ2019

DDTレスリングとんこつ2019(2019年8月12日・月祝・さざんぴあ博多)

3月31日のさよなら博多スターレーン以来となるDDT博多大会。スターレーンなきあと、多くの団体がアクロスで大会を開く中、DDTが選択したのはさざんぴあ。たしかに今のDDTなら身の丈にあった会場であることは間違いない。

まあ、人気絶頂の時代なら入りきれないくらいお客さんが来ていたけど、今のDDTだとそこまでの集客は期待できない。攻めの姿勢を崩さない一方で、堅実な選択もおこたらないのがDDTである。関東でデカイ箱を満員にできて、それが地方に波及しているのは新日本だけである。DDTやドラゲーが後を追っているが、依然その差は大きい。

エキシビジョンマッチ5分一本勝負
〇MAO(4分0秒 キャメルクラッチ)×中村圭吾

オープニングが始まる前に、エキシビションとして中村練習生対MAOのシングルマッチが。以前アベマでみた大田区体育館大会でも試合していたが、その時よりも気迫が表にでてくるようにはなっていた。

しかし、これだけだとまだなんか足らないんだよなあ。DDTがいくら敷居が低いと言っても、特にエンタメの部分での表現者としての素養が強く求められるだけに、中村にはまだまだ修行が必要だな、ということが生でみるとよくわかる。

とはいえ、「よくやった!」で済まされるのは、せいぜい練習生のうちだけ。デビューすれば色々艱難辛苦も待ち受けているだろう。頑張れ、中村!

試合後の前説で、今林APの招きでオープニングコールを行う坂口征夫が呼び込まれたが、その背中に忍び寄る上野の影が…

アイアンマンヘビーメタル級選手権試合
<王者>
坂口征夫(13時3分 エビ固め)<挑戦者>上野勇希
(※ベルト殴打。坂口が防衛に失敗、上野が第1400代王者となる。)

オープニング挨拶で「上野の1400代王者は阻止する」と息巻いていた坂口だったが、まさかのベルトで殴打されて、フォール負け!

慌てて遁走する上野に対して怒り心頭の坂口は、今林APにオープニングコールの要請にも食ってかかり、半ばやけ気味に「博多大会スタート!」といって大会は始まった。

オープニングマッチ:
×勝俣瞬馬(6分40秒 フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド) 〇大和ヒロシ

DDTの常連として海苔を売っている人になっている?大和ヒロシ。こうなってから博多で試合するのは初めてかもしれない。対戦相手の勝俣はハイスパートも得意な選手だし、噛み合う内容は期待できる。

試合はやはりテクニックとプロレス頭の攻防になった。大和の技でもあるスライディングXがでてからは、勝俣も負けじといちいち「エーックス」と叫んで攻撃してくる。お互いが「エーックス」「エーックス」と叫ぶのでうるさいことこの上ない(笑)

ただ、終盤に勝俣を捉えた大和がスピアで逆転。スライディングXを返されながらも、最後はフィッシャーマンで3カウントをとった。

6人タッグマッチ:
×男色ディーノ&大石真翔&樋口和貞(4分28秒 無効試合)アントーニオ本多&×平田一喜&渡瀬瑞基

最初なんでこの試合が組まれているのか、わからなかったんだけど、第四試合に続く予告編になっていたのが、このカード。

いつも通り平田はダンスし、男色先生が客席で狩りに勤しんでいると、いきなりリング上から平田がケンカごしにマイクで男色チームを挑発しはじめた。リングに上がってもなお、ケンカごしでやりあう両チームは、おさまりがつかず、ついには椅子まで持ち出してチャンバラまではじめてしまう。

そうこうしているうちに、平田とディーノが激昂しすぎて、止めに入った松井レフェリーを椅子で殴打!…ってあんたら、そんなキャラじゃなかったはずだが(笑)

仮にハードコアルールだとしても、レフェリー暴行は一発反則!かくして私自身も久々にみたノーコンテストの裁定が下された中、なおも争いながら両軍は控室に下がっていった。

○4WAYマッチ
○大鷲透 vs 上野勇希 vs 坂口征夫 vs ラウザ
(7分49秒 ラ・マヒストラル)*※上野が第1400代アイアンマンヘビーメタル級王座防衛に失敗、大鷲が第1401代王者となる。)

この試合はオープニング以前から、アイアンマンチャンピオンだった坂口が上野につけ狙われるところから始まっている。開始のゴングが鳴らされても坂口は当然上野しか見てない。さらに坂口は上野を追いかける。残されたラウザと大鷲がなぜか手をつないで呆然とその光景を見ているのが可笑しかった。

ここでうまく立ち回っていたのが上野。坂口から逃げるために、同じディザスターボックスの大鷲を盾にしたり、その大鷲を黒ブタ呼ばわりしたり、ラウザの陰口まで叩く始末で、結果的には全員から袋叩きにあう。

結果的にはラ・マヒストラルで大鷲に丸め込まれた上野は、せっかくだまし討ちまでして手に入れたアイアンマンのベルトを手放してしまう。が、しかし…

アイアンマンヘビーメタル級選手権
<王者>大鷲透(13時42分 エビ固め)<挑戦者>上野勇希

※ベルト殴打。大鷲が防衛に失敗、上野が第1402代王者となる。

試合後、上野は坂口に「最高のアイアンマンチャンピオンでした!」と拳を差し出すと、坂口もグータッチで応じて退場。さらに上野は「またアイアンマン懸けて勝負しましょう!」と呼びかけると大鷲に「焼き鳥や肉まんといった無機物とアイアンマンを懸けて闘っている大鷲さんが一番似合ってます。大鷲さんの腰にベルトを巻かせていただけないでしょうか?」とベルトを腰に巻く・・・・

 

フリをして大鷲の急所を蹴り上げると、上野はさらにベルトで殴打。そこから押さえ込んで3カウント。ベルトと手にした上野は大鷲を挑発し、脱兎のごとく逃げていった。

というわけで、あっという間に上野は王座に返り咲き。ひとり大鷲だけが呆然と残されたのだった。

タッグマッチ:
○遠藤哲哉&×島谷常寛(8分54秒 変形逆さ押さえ込み)相島勇人&〇アズールドラゴン

ダムネーションはヒールだし、ご当地レスラーであるアズールと相島も基本は悪役。今まで混成タッグはたくさんあったけど、悪役対決みたいなカードは実現していなかったため、これも見ようによっては、かなり面白くなるに違いない。

試合前から島谷が顔の怖い相島を挑発。だがショルダーアタックで場外まで飛ばされると途端に「無理無理」と戦意喪失。しかし、代わった遠藤が場外戦を仕掛けて、アズールを鉄柱にぶつけていく。ローンバトルを強いられたアズールだが、なんとかここは切り抜ける。ダムネーションは序盤翻弄していただけに、チャンスを逃してしまう。

巻き返した九州タッグに対して、島谷が投げ捨てジャーマンから襲い掛かるが、アズールは逆さ押さえ込みからさらにブリッジを効かせる変形の押さえ込みで勝負を制した。

テクニック勝負になるとやはりキャリアで一日の長がある九州タッグに分があったかな。

○ポコたん丸投げ試合
イス vs イス
※特別レフェリー…ポコたん
(1分28秒頃 無効試合)*※ドラドリくんの乱入

さあ、問題はこの試合。DDTは全試合の中にたまに謎なカードを放り込んでくる。片方が人間で片方がそうではない、というのは今まででもなかったわけではない。

しかし、人間が誰もいない(ポコたんは、ゆるキャラで人間ではない)プロレスの試合なんて、約50年近くプロレスみてきて初めてのケースになる。これが気にならないわけがない。プロレスの奥深さを知るか、はたまたグダグダな内容になるか?

まずゆるキャラで特別レフェリーのポコたんがテーマ曲付きで入場してくると、中村練習生に抱えられた赤と青の椅子(これにも入場テーマ曲がかかる)が入場。

レフェリーのポコたんのボディチェックが終了し、ゴングが鳴らされたけど、特にリング上に変化があるわけではない。じれてきたポコたんが、両者に戦うよう促すが、両コーナーのイスは戦わない。

と、そこへいきなりポコたんにゆるキャラの座を奪われたドラドリくんが乱入。すると第2試合のメンバーも続々と入ってきたため、結局、赤と青のイスをキャプテンにしたキャプテンフォールマッチに変更して試合再開!

緊急決定試合 30分一本勝負 キャプテンフォール8人タッグマッチ
× イス(C)& ポコたん& 男色ディーノ& 大石真翔(10分37秒 体固め)
〇イス(C)&ドラドリくん&平田一喜&アントーニオ本多
※押さえ込む

だが、イスはイスなんで当然第2試合のように、凶器としてしか使われない。なおも罵り合いながら、バシバシ椅子を使っていくが、途中からイスがキャプテンであることに気づきはじめて少しずつイスが人間をフォールしはじめる。

さらにまこりんがディーノに、山笠と称した地獄門の開門を要求。その途中にすっ転んだアントンがこのタイミングで「ごんぎつね」をはじめて、試合はどんどんカオスな内容になっていく。

しかし、あろうことかアントンのごんぎつねがディーノの地獄門に直撃!これでコントロール不能になったごんぎつねが敵味方問わず目潰ししはじめ、収拾のつかない事態に!

ドラドリくんを蹴散らした平田だったが、大石はイスでブロック。なおもまこりんはイスを手に襲い掛かるが、これはかわされてトップロープに接触し、その反動でイスが大石の頭にヒットしてしまう。

ようやく正気に戻ったアントンもイスで襲い掛かるがかわされてトップロープに接触し、その反動でイスがアントンの頭部にヒット。両者フラつく中、イスチャンバラで両者がダウンしてしまう。その際に青いイスの上に赤いイスが乗っかった状態になったため、松永レフェリーが3カウントを入れて勝負あり。

いや、本当にイスとイスで決着がついてしまった!これは平田のマイクではないが「伝説に残る試合」だったと思う。本当におそれいったとしかいいようがない。すごいものをみてしまった。プロレスは奥が深い・・・・

セミファイナル:
〇佐々木大輔&高尾蒼馬&マッド・ポーリー(12分10秒 クロス・フェースロック)高梨将弘&MAO&×納谷幸男

個人的には非常に興味があるのがこの試合。リアルジャパンからDDTに移籍した納谷が博多ではじめて試合するカードだし、対戦相手が曲者揃いのダムネーション。中でも巨漢のポーリーとのぶつかり合いは、トラディショナルなプロレスの魅力あふれたマッチアップになるのでは?と個人的には期待していた。

DAMNATIONが襲い掛かって試合はスタートした。場外戦からリングに戻るとDAMNATIONが高梨を捕まえてペースを握ると、しばらくはDAMNATIONのペースになっていく。

納谷に対しては、当然ポーリーがでてきて、肉弾戦を展開。ここかではよかったが、カリスマをとらえた納谷がノド輪からバックドロップで攻勢にでたけど、高尾が松永レフェリーを足引きして阻止してしまう。

ここで抗議する納谷を背後から佐々木がローブローを決め、クロスフェースへ。高梨とMAOを分断したDAMNATIONは、高尾とポーリーがバズソーキックを決めて、さらにカリスマが締めあげてギブアップ勝ちした。

肉弾戦では申し分なかった納谷だが、まだいかんせん自分の体格を持て余しているし、プロレス頭でもまだまだ。スピードや連携など覚えることはたくさんある。なにより2mあるにも関わらずあまり大きく見えないというのも問題かな?

メインイベント:
○博多名物! せいもん払いスペシャルタッグマッチ
竹下幸之介&×彰人(15分59秒 蒼魔刀→体固め)〇HARASHIMA&吉村直巳

ALL OUT対ディザスターボックスの対抗戦。一度受け身の失敗でヒヤヒヤさせられた吉村も、上野の勧誘でディザスターボックス入りしてからは、イキイキした試合をしていると思う。

吉村は以前からターゲットにしている竹下狙いでくるのは間違いないが、チームリーダーHARASHIMAも再浮上を狙ってKO-D王者を狙ってくるだろう。いずれにせよ標的は竹下幸之介であり、こうして狙われることは、竹下も望むところだろう。

ALL OUTがタッチワークと連係でHARASHIMAに攻め込む。竹下が場外で右足を鉄柱にぶつけると、リングに戻されたHARASHIMAは右足攻めに苦しむ。が、このピンチを切り抜けると、ディザスターは反撃を開始する。

HARASHIMAとの連携も見事だったが、度々の窮地を吉村の攻撃で自軍に流れを寄せていたのは、非常に印象的だった。これで息を吹き返したHARASHIMAがハイキック→リバースフランケン。エルボーで飛び込んでくる竹下にはジャンピングハイを決めて八面六臂の大活躍。最後は吉村が竹下をカットしてHARASHIMAが彰人に蒼魔刀を決めて勝利した。

「なかなか厳しい闘いでしたが皆さんの応援のおかげで勝つことができました!」とHARASHIMAはまんざらでもない様子。吉村もHARASHIMAの横にいて何も違和感がなかった。これは大きな成長といっていいいだろう。

イス対イスも含めて全試合がDDTらしい大会だった。奇しくもこの日は新日のG1最終戦。OBの飯伏が武道館に立ち、優勝を決めていたことも含めて実に感慨深かった。例年だと冬にも大会があるんだけど、次回大会の発表は大牟田のみ。また北九州にも来てほしいなあ。

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