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[プロレス観戦記] 新日本プロレス・HEIWA Presents G1 CLIMAX 29 福岡大会

2019/08/03

HEIWA Presents G1 CLIMAX 29 福岡大会(2019年8月1日・木・福岡市民体育館)

国際センターでG1クライマックスが行われていた時は必ず観に行っていたが、福岡市民体育館に「格下げ」され、夏場に東京行きが増えてからは、観に行っていない。今年はFREEDAMSが門司にやってくるため、東京行きがなくなって、晴れてG1観戦することに。

さて、G1クライマックスが、地方巡業するようになり、地域によってはカードに当たり外れができるようになると「ハズレ」をつかまされた会場では不満が募る。特にSANADA対EVILみたいに、同一カードがいずれも後楽園にくるような編成は正直どうかと思う。

地方で初対決が実現すると、すぐ東京でも同じカードが組まれるが、逆はそんなに例がない。近年だと、昨年の1.4で初めて実現した飯伏対Codyが、5.3のレスリングどんたくで再戦した程度。G1クライマックスとなると、なかなか地方はよいカードが回ってこない。

というわけで、せっかく観に行けるG1なんだが、いまいち福岡のカードはパッとしない。石井対後藤なんて保険かけているようなもんだし、注目のモクスリーは矢野戦だし。しかも近年では、前半で組まれる前哨戦は、割と短時間で決着する傾向にあり、顔見世にもなっていない。要するに前哨戦の意味をなしていないのだ。

まあ、プロレスはカードで内容が決まるわけではないし、観ないとわからないけど、正直全9試合、休みなしで観るのはキツイ。ワールドだと自宅だからトイレにすぐいけるけど、会場ではそうはいかない。ただ、こうした流れは今後も続いていくのだろう。

初観戦になる福岡市民体育館は、地下鉄貝塚方面で乗り換えて千代県庁前駅からすぐの場所にある。地方大会同様、帰りは売店が閉まっているらしいので、先に並んでモクスリーTシャツを購入。着てきたのは「AEW」Tシャツだけど、モクスリーのも欲しかったし。あのクラスの選手のグッズは躊躇していたら、選手が移籍して後悔先に立たず、という経験を何度もしてきた。だから買うことには迷いがなかったのだ。

中に入ると国際センターと違い一階にひな壇があり、これならかなり見やすいと感じた。まあ、モクスリーのために用意したわけではないだろうが(笑)そしてなぜか西側が正面になっており、東側に入場ゲートがあった。南北が逆になることは多いが、かなり珍しいケースだな、と思った。

第一試合:
KENTA&クラーク・コナーズ&×カール・フレデリックス 対 〇チェーズ・オーエンズ&高橋裕二郎&バッドラック・ファレ(8分11秒 パッケージドライバー→体固め)

Bブロック公式戦が開催されている時のAブロックは、次戦の前哨戦。しかし、リーグ戦のダメージ回避のためか?時間短縮のせいか、ワールドで観戦していると、どれも顔見せにすらなっていない。

救いなのは、新日本お得意の10人タッグとかがない分見やすいというのはあるけど、LA道場のヤングライオンズは、G1関係なしにじっくり見てみたいし、リーグ戦のないKENTAも顔見せではない形で見たかったというのはある。

実際KENTAの出番は1分足らずだったけど、個人的には顔見世程度の前哨戦より、コナーズとフレドリックスの絡みがたっぷり見られたからよしとしよう。2人とも打点の高いドロップキックと、向こう気の強さは柴田の遺伝子を感じさせたし、高橋裕二郎が意外に長くLAヤングライオンズの相手をしていた点も面白かった。

第二試合:
鈴木みのる&〇ザック・セイバー・ジュニア 対 ランス・アーチャー&×金丸義信(5分00秒 ヨーロピアンクラッチ)

これはG1クライマックス開催中だからできるカードで、G1とかじゃなかったら、人数合わせの意味のないカード。CHAOS同士の試合は、ニュージャパンカップ以降、ちょくちょく見られるが、一枚岩と思われる鈴木軍が、前哨戦とはいえ互いに対峙するのは、普通なら興味深い。まあ、短時間で終わるくらいなら、両者反則暴走にしてくれた方がまだスッキリするけどなあ。

試合はいきなりボス・鈴木みのるとザックが花道でランスと金丸を急襲。今回のG1クライマックスではノーコメントを貫いているらしい鈴木みのるだが、自分が出られなかった憂さ晴らしとばかりに、場外で暴れる、あばれる。

だが、手の内を知っているのはランスたちも同じで、次回Aブロックで対戦するザックの動きは織り込み済み。特にランス自身は対ザックについては自信のあるような感じで圧倒する場面が目立った。

試合は金丸をザックが仕留めて無難な終わり方になったが、おさまらないランスが去りゆくボスとザックの背中をずっと睨みつけていたのが印象的だった。

第三試合:
棚橋弘至&海野翔太&×成田蓮 対 飯伏幸太&本間朋晃&〇トーア・ヘナーレ(8分18秒 TOAボトム→エビ固め)

こちらも鈴木軍同様、本隊同士の対戦。いうまでもなく、棚橋対飯伏は大阪エディオンアリーナ2デイズの目玉カード。ドミニオンといい、G1クライマックスといい、福岡はすっかり大阪の前座扱いである。そりゃ、こんな扱いじゃ国際センター埋めるほどお客さん入らないよ。

とはいえ、序盤から棚橋も飯伏も激しく意識し合う事で、観客の心をつかむ。ただ試合の大半はヤングライオンで回していた。これはやはり前哨戦に埋没すまいと頑張った成田や海野の頑張りのおかげだろう。

ヘナーレや本間と言ったG1落選組も腐らず意欲的な試合をしていたし、やはりG1クライマックス前のシリーズは敗者復活戦を提案したい。サクラジェネシスはどうもジュニアとG1クライマックスの谷間で、これと言ったテーマもないシリーズだし、ちょうどいいと思うんだけど。

第四試合:
オカダ・カズチカ&ウィル・オスプレイ&〇YOSHI-HASHI 対 SANADA&”キング・オブ・ダークネス”EVIL&×BUSHI(9分14秒 バタフライロック)

こちらも大阪の前振り試合。前哨戦になれば御の字。下手すれば顔見せにもならないかもしれないとなると、見ている側としては微妙な感じにならざるを得ない。

そもそも福岡のお客さんが大阪の予告見せられて満足するかどうかなんて、多分新日本サイドとしてはどうでもいいんだろうなあ。実際毎大会ワールドで観戦してても前半戦は下手すればトイレタイムにしかならないし、もう一度見直してみたいとも思わない。

こちらは流石に顔見世では終わらず、両軍ともがっちり絡みがあり、特にEVILがオカダを、オカダがSANADAを意識した図式はなかなか面白かったし、EVILやSANADAとオスプレイの絡みも見応えあってよかった。

ジュニアチャンピオンでもあるオスプレイを狙うという意味では、BUSHIが人数合わせにならなかったし、どの組み合わせも意味があって堪能できた。

リーグ戦の関係上オスプレイとオカダはやや距離もおいていたけど、公式戦が終わり、ふたたびタッグを組んでも違和感がないし、やはり2人並ぶと華がある。

試合後になおもオカダがSANADAを挑発し、コーナーに登って声援をもらうように要請したあたりも面白かった。個人的にはこの試合ではEVILの頑張りが目立っていた気はしたけど、ロス軍の今後はやはりEVILとSANADAが抜きつ抜かれつしながら、担っていくと面白くなりそうだ。

第五試合:Bブロック公式戦
×鷹木信吾 対 〇ジェフ・コブ(12分27秒 ツアー・オブ・ジ・アイランド→片エビ固め)

福岡大会の公式戦でこれは、という期待ができるカードは、名勝負製造機、石井智宏が絡むメインと、この試合。実際、観戦してみたなかではベストだったし、下手すればG1クライマックス29の中でも屈指の名勝負になったと言っていい。

この試合のキーマンは当然、鷹木信悟。ザ・ドラゴンが無差別級を公言した以上、ブロックは違うが、いずれランス・アーチャーみたいな選手とも当たる可能性ばあるし、今回対戦するジェフ・コブみたいに、身長差はあまりないが、いわゆるガチムチ系のパワーファイターともあたるわけで、現状の体型を維持しつつ、ヘビー級と対峙するという選択は、かなり厳しい茨の道。

しかし、それは鷹木信悟が自ら選択したわけだし、かつて全日本のチャンピオンカーニバルでは無差別級の素晴らしい試合もみせてくれた。それは新日本を舞台にしても可能だと私は思っている。

この試合に関しては、鷹木がコブの良さを引き出していたし、コブも負けが込んでいたのが嘘みたいな動きで、会場を沸きに沸かせた。特にコブのスープレックスパーティを、あれだけくらい続けた鷹木信悟のタフさには舌を巻くほかなかった。

惜しむらくは前半で見せていた鷹木の足殺しがもう少し執拗でもよかったかな。あまりに真っ向勝負を挑みすぎたのが、鷹木らしいっちゃらしいところではあるのだが、おかげでコブの良さも引き出せたし、鷹木のタフさも際立つ結果にはなった。

この試合で多分鷹木信悟は無差別でやっていけるという確証をファンも持てたんじゃないか、と私は思う。鷹木の身体は心配だけど、これが彼の求めた道ならば、見届けるほかはない。

第六試合:Bブロック公式戦
×ジョン・モクスリー 対 〇矢野通(5分08秒 リングアウト

高松までBブロック唯一の無敗で連勝街道をひた走るモクスリー。あの難敵・内藤哲也を下してますます勢いにのる狂犬だが、今回の相手は内藤とは別な意味で曲者の敏腕プロデューサーである。

ただし、鷹木信悟あたりにはやや読まれているし、同門の後藤にも裏をかかれたあたりから、やや勢いが失速している矢野だけに、ここで何を企んでくるかが気になるところである。

モクスリーは単なるハードコアファイターではなく、究極のエンタメプロレスWWEでもトップをとっている頭脳派だけに、矢野のトリックに引っかかるかどうかは見てみないとわからない。ある意味矢野の失速で、勝敗がわからなくなるという奇妙なマッチメイクになった。プロレスはライブであり、生き物だけにこういうことも起こりうるのだ。

ということで、前哨戦から頭脳戦を展開していた矢野通。ぼちぼち普段のパターンが読まれ出したことは、おそらく織り込み済みだったのだろう。モクスリーがあえて矢野の土俵に入りこんで、外したコーナーマットでチャンバラしたりしたりしたのも多分「お前の手は通用しないよ」という狂犬のメッセージだったんだろう。

しかし、矢野は矢野の領域で終始ブレずに闘い続けた。強いてモクスリーに寄ったとしたら、執拗な金的くらいだったが、それも矢野が普段からやっているし、モクスリーが持ちかけたイスやテーブルも難なくクリア。その上忘れた頃に登場するガムテで、モクスリーを固定してリングアウト勝ちとなれば、これはもう矢野コンピュータの勝利というほかない。

初黒星を喫し、荒れ狂うどころかリング上で呆然とするモクスリー。なぜかここで起きる「大・モクスリーコール」。だが、すでに時遅しだった。

第七試合:Bブロック公式戦
×ジュース・ロビンソン 対 〇内藤哲也(13分47秒 ディスティーノ→片エビ固め)

かねてよりUSベルトの価値に物申してきた内藤が、現・US王者モクスリーに敗北し、前US王者のジュースに連敗を喫するようでは、自身のインターコンチ王者のまま、IWGP王者になるという野望が絵に描いた餅になりかねない。

いかに満身創痍な内藤とはいえ、ジュース相手に取りこぼしては、モクスリーの独走も許してしまいかねない。となると、内藤の勝利は必須だが、USベルトの再チャレンジならびに、インターコンチも狙うならば、この試合はジュースにとっても大事な試合になる。果たしてベルトをめぐる思惑はどういう形で決着するか?

ところがこの試合、ジュースが先手を取って内藤をじらす作戦にでた。コスチュームを何枚も着込んで、丁寧に脱いでいく。じらされた内藤は先手を取って奇襲。逆にこぶしを握って「ジュース」コールを呼び込む。

ただ、プロレスの頭脳戦って単に先に相手の真似をすればいいというわけではない。結果的に変な間が開きすぎて退屈な試合になってしまった。内藤はどんな相手でもあわせられる技量はもっているものの、石井のように名勝負製造機というわけでもない。カリスマ性はあるけど、満身創痍の身体でできることは限られてくる。

石井のような選択肢もありだし、内藤のような選択肢もレスラーとしてはあり。ただ、この試合では両者の思惑がうまくかみ合わなかったとしかいいようがない。前の二試合が盛り上がっただけに残念としかいいようがなかった。

第八試合:Bブロック公式戦
×タイチ 対 〇ジェイ・ホワイト(15分07秒 ブレードランナー→片エビ固め)

タイプは違うが、共に小狡いという共通項がある両者。かつてワールドの解説でジェイの印象を聞かれたタイチが「なんか気にくわない」と言うようなコメントをしていたが、多分同族嫌悪だろう。

ただ、対戦相手によっては、バチバチにやりあうタイチに対して、あくまでものらりくらりとしているジェイという点では全く同種というわけではない。実際、よりのらりくらりしてして、なおかつ場外のディーヴァ・あべみほすらも使って試合していたのは、ジェイの方だったし、じれてハードヒットな闘いを先に持ち込んだのはタイチの方だった。

中盤に金丸も投入して外道対策も完璧なように見えたが、やはりそこは歴戦のいやらしさでは外道をこえられなかった。タイチがもうワンランク上に行くにはジェイのようなタイプも攻略できる必要があるだろう。

第九試合:Bブロック公式戦
〇後藤洋央紀 対 ×石井智宏(GTR→エビ固め)

悪い言い方すれば石井をメインにしとけば、とりあえず悪い結果にはならないことは、長くプロレス観てなくても、なんとなくわかるだろう。要するにここまでの試合がしょっぱくても、石井なら、満足させられるという会社の信頼が現れているカード。

そして、その無骨さゆえにマイクアピールなど一切しないという点を考慮すると、後藤が勝ちそうな気もする。実際石井の首は連戦で相当ダメージを受けているし、一回矢野戦で省エネできた後藤とはコンディション面でもハンディがあるとみた。

となると、後藤が締めるラストになるわけだが、ここまでの成績で今後の後藤に何を期待したらいいのか?正直そんな締めだと困ることは困るんだよなあ。実際どんたくで後藤がメイン締めた時もかなり微妙な終わり方だったしなあ。

で、試合内容は戦前の予想通りになったわけだが、後藤を後押ししたのが会場の大声援。本当に福岡の後藤人気はすさまじい。これは生で体感しないとわからない部分だった。とはいうものの、後藤ほどのスキルがあったらアウェイでも石井のような試合ができないと本来はいけないので、本人がマイクで語ったように「第二の故郷」で「対戦相手が石井」というお膳立てなしに試合をしていかないと、本当の意味でG1が後藤のGになる日はこないだろう。

インターコンチをとった時もそうだったけど、福岡は後藤にとってゲンのいい会場であることは間違いないので、これをきっかけに再びトップ戦線に浮上してきてもらいたいと切に願う。

ところで、この大会も休憩なしで、来年のどんたく発表も休憩なしで行われた。それはいいのだが、後藤の試合が終わったとたんにお客さんの民族大移動がはじまってしまい、マイクを終えてコーナーで後藤がアピールしているころにはさらに出口へ急ぐお客さんが増えていた。

コーナートップからだと後藤にもその光景はみえていたかもしれないんだけど、長時間休憩なしで観戦しているお客さんには罪はないし、これはこれで複雑な場面ではあった。ハッピーエンドのはずなのに、微妙な空気になってもいたし、これは運営サイドには一考してもらいたいところではある。

さて、1日が終わると今度は3日にFREEDAMS対がむしゃら、4日にはまた福岡に行って大橋サマーフェスティバルを観戦するため、観戦記も巻き巻きで書いていかないといつまでたっても終わらない。何もなかったら4日は熊本とのはしごも考えていたけど、それはもう体力的に無理というもの。とはいえ大変な夏だけど、たっぷり楽しめそうだ。まだまだ熱い夏は続いていく!

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