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[プロレス観戦記] センダイガールズプロレスリング・山口・下関海峡メッセ大会

センダイガールズプロレスリング・山口・下関海峡メッセ大会(2019年06月01日(土曜日) 17:00試合開始)

五月末に父を市内の大病院へ検査に連れて行くなどして、慌ただしく北九州と下関を行き来していたため、6月1日は週2度目の帰省。本来なら仙女観戦のためにだけ帰る予定だったのだが、思うようには進まないもの。

なんとなくこういう時はギリギリで動くより早めに動いておこうと家を出たら、ちょうど関門橋の近くで事故渋滞。だが、多少遅れたくらいで無事海峡メッセに到着。今年もリングレンタルで鳥取だらずプロレスのトラックが止まっていた。多分翌日の広島大会と込みでの契約なんだろう。今やプロレスの地方巡業に、地元でリングを所有する団体の協力は必要不可欠。

新日本のように全てを自前で賄うようなメジャーどころと、経費を抑えるだけ抑えてツアーを行うその他の団体とで二極化がはっきりしてきている。今のプロレスブームというのは、新日本プロレスだけが潤っている状態であり、業界全体が浮上しているわけではない。

そんな中例年満員を記録してきた仙女だが、今年は不安材料がある。地元・山口県出身のカサンドラ宮城(現・アンドラス宮城)退団の余波はでかいようだ。中に入ると、去年より明らかにイスが間引きれている。席は三方向しかない。一時期のドラゴンゲートもこんな感じだったけど、いつもの海峡メッセで見た光景がよみがえっていた。

こんなところにも宮城退団の余波が…。昨年までは岩田とダブル凱旋だったからなあ。博多スターレーンがなくなり、下関大会も厳しいとなると、来年仙女見られる機会はもうなくなるかも…。

だからといって、アンドラス宮城が現在所属しているスターダムが下関に来るとも思えない。なぜならWWEに行く前の宝城カイリ(現・カイリ・セイン)凱旋した光大会が惨憺たる入りだったらしいこともあるくらいだから。スターダムには、他にも美祢市出身の岩谷麻優がいてこの状況なんだから、推して知るべし。

さて、悪い時は悪い事が重なるもんで、出場予定だったハイジ・カトリーナが飛行機トラブルで到着が間に合わず欠場となってしまった。これによりカードも大幅に変更。

第1試合
シングルマッチ 15分一本勝負
×愛海vs○神童ミコト(7分20秒 横入り式エビ固め)

仙女が自前でツアーできないのはリングに限らず、友好団体から選手を借りてやりくりしている。神童ミコトは、長与千種プロデュースのマーベラス所属。

そういえば昨年いた新人は今年居なくなっている。怪我かはたまた退団か?仙女は新しい選手が出てくるかわりに、選手の定着率はそんなによくない。里村の師・長与千種がかつて主催していたGAIA JAPANのように、一期生以降全く新人が出てこなかったという極端な例は最近見ないが、ベテランか若手かしかいない「二極化」は、近年の女子プロレス全体の傾向のように思われる。

神童ははじめてみるけど、さすが長与千種直系だけあってドロップキックと丸め込みには一日の長が見られる。ただ逆エビにいく際に腰が高いままなのは、やや見栄えが悪い。どっしり腰を落として決めないと、お客さんに技が決まっているような印象を与えない。この辺は場数踏んで勉強していく部分だろう。

一方愛美だが中学三年生とはいえ、デビュー2年になる選手。年齢的にはまだしもキャリア的にはそろそろ若手枠は卒業していく頃合いだが、2018年デビューの神童よりは1年先輩になる。

だが、試合運びやオーラも含めて愛海は新人の域を出ていない。結局2017年デビューの彼女が一番下という現実が今の仙女の問題点そのものになっているような気がする。アウェイで乗り込んできている神童の方が、結果的に気迫でも上回り、試合もリードしていたように思う。やはり下がいるかいないか、ということを考えたら、愛海にはせめて他団体でもっと修行するなりして、アウェイを体験してきてほしい。

このまま仙女の中にいるだけではいつまでも若手の域は超えられないように私にはみえて仕方なかった。

第2試合
シングルマッチ 15分一本勝負
×旧姓・広田さくら対○ アイガー対KAORU(12分12秒 へナーラを潰しての押さえ込み)

ハイジ・カトリーナ欠場の余波をくらい、アイガー対広田が急遽KAORUを加えた3wayに変更。

驚異の新人ともてはやされたガイア一期生。引退を選択する選手もいる中で、里村ばりに現役の長い選手になった広田が久々に参戦。 いきなりマイクをとると「3wayは全員が敵!」と言い出した。かと思えば思えば、自分とアイガーはタッグを組んでいるので、そのチーム名を発表…しようとしたら、アイガーがKAORUに襲いかかりうやむやのうちに試合開始。

よくよくみるとKAORUと広田はガイアつながりで、二人とも人妻。そうかんがえると、女子プロレスってなんだろう?と思わずにはいられない。そもそも3人とも「センダイガールズ」ですらない。

結局、タッグパートナーであるはずのアイガーに広田が押さえ込まれてピンフォール負け。最後まで広田はチーム名発表に固執していたが、その都度アイガーが暴れ出すため、結局うやむやになってしまった。

第3試合
タッグマッチ 20分一本勝負
○里村明衣子対×アレックス・リー(11分37秒 デスバレーボム→片エビ固め)

本来は里村とアレックスが組んでKAORU&ハイジとあたるタッグマッチだったが、図らずも里村のシングルが見られるのはありがたい。というかWWEのメイヤングクラシックでも感じたことなんだが、里村が日本人選手に気を使いながら試合している姿よりガタイに恵まれた外国人選手や、DDTの男子レスラーと試合している方が持ち味がよく出ていると私は思っている。

結果的にだけど、この試合も両者の持ち味が存分に出せた好試合になった。アレックスは技術もさることながら、気迫が前面に出やすく、日本人好みのファイトスタイルは非常に共感を呼びやすいのではないか、と私は考えている。

序盤のグラウンドでも中盤の蹴り合いでも里村相手に引かない姿勢はなかなかみるべきものがある。終盤里村の勢いが落ちたようにみえたのも、それだけアレックスの攻めが厳しかったからかもしれない。

アレックスがWWEに上がりたいのかどうかは定かではないが、AEWという選択肢もできた中、アレックスに触手を伸ばす団体は増えていくだろう。貴重な外国人選手だけに、日本でみていたい気持ちはあるけれど、数年先のメイヤングクラシックで里村と激突する可能性もゼロではない。

そうした時に生で見ていてよかったな、と思える試合にはなっていたと思う内容だった。正直WWEマットでこのクオリティの試合みせたら、アメリカのプロレスファンは狂喜乱舞するに違いない。果たしてそれが現実になるかどうか?

試合は里村の起死回生のデスバレーがずばりと決まってピンフォール勝ち。試合後深々とお辞儀をして健闘を称えあう両者の姿は、まさしく昨年メイヤングクラシックにおける、里村の試合でもみた光景そのものだった。

セミファイナル
シングルマッチ 20分一本勝負
○DASH・チサコ対×ミリー・マッケンジー(13分03秒 ホルモンスプラッシュ→片エビ固め)

個人的にはチサコのスピード対マッケンジーの若さ(なんとまだ19歳!)と勢いに期待したのだが、セコンドのKAORUが度々介入してくる不利な戦いになってしまった。相方のチャーリー・エヴァンスはこの後のメインに出るので、当然セコンドにはいない。

さて、KAORUとチサコのRiot Crown的には、ここでタッグ王者に土をつけて、自分たちがタッグ戦線に名乗りをあげる。そのためには手段を選ばず、つぶしにかかる・・・・というストーリーラインだったらまだ感情移入できるのだけど、この試合を見る限りはKAORUにもチサコにも「次につなげる」意識はなさそう。

そうなると、ただ単に好きなことやって勝っただけという印象しか残らないのだ。結局KAORUの介入は何だったのか?そこまでしなくてもチサコのスキルだったら、十分にマッケンシーと渡り合える実力を持っていると思うのだけど・・・・

このRiot Crownってチームは仙女の中でどういう立ち位置にいるチームなのか?正統派の橋本&岩田がビューティーベアとして活躍しだした今となっては、ますますその存在価値が不明瞭になってしまっているとしか言いようがないのだ。

メインイベント
タッグマッチ 30分一本勝負
橋本千紘&○岩田美香[ビューティ・ベアー]対×チャーリー・エヴァンス&優宇
(12分05秒 三角蹴り→片エビ固め)

いつのまにかイギリスのプロレスリングイブ所属になっていた優宇だが、正直あのまま東京女子にいても窮屈そうだったし、対戦相手を壊さないように気遣いながら試合していた時よりイキイキして見える。特に体格的には自身より大きな橋本(しかもDDTのKO-D6人タッグ選手権者)とのぶつかり合いは迫力満点。さらに打撃と関節技では1日の長がある岩田との絡みもまた刺激的だった。

だが、勝敗ということを考えるとここまでできる優宇が負けるというのは考えにくい。かといって地元凱旋の岩田、現シングルチャンピオンの橋本、その岩田&橋本を破り、仙女タッグチャンピオンになっているエヴァンス…

一番考えられるのは、岩田がエヴァンスから一本とること。結果的にベルトとられたビューティーベアーとしても一矢報いる形になる。

だが、セミファイナルでエヴァンスのパートナーであるミリー・マッケンジーがフォール負けしているという結果を踏まえて考えるとことはそう簡単ではない。なぜならメインでエヴァンスが負けてしまうと、それぞれ試合は別々とはいえ、タッグチャンピオンが二連敗してしまう構図になる。

こうなると、現タッグ王者の価値が微妙なものになるし、その現チャンピオンに負けたビューティーベアーのタッグチームとしての価値も微妙に思えてくる。まあ、岩田が勝てば、の話なんだが…

と思ったら橋本が場外に優宇をとらえ、エヴァンスと岩田がリングに残ってしまった。そして岩田がヱヴァンスから一本とってしまい試合終了。なまじここまでの流れが非常に良かっただけに、結末で味噌つけられた気分になってしまった。

最初にも書いたとおり、優宇とビューティーベアのぶつかり合いは非常に迫力があって刺激的だったし、エヴァンスもまぎれもない実力者だった。それだけに宮城が退団して繰り上がり式に凱旋大会の主役になり、しかもベルトとられた相手に勝ってしまうというのが岩田にとってよかったんだか、悪かったんだか。見ていて非常にモヤモヤさせられてしまった。

ハイジ・カトリーナの欠場はこの試合にはなんら影響していない。ということはタッグ戦の前哨戦でもない。強いて言えば優宇が橋本と一騎打ちをした翌日の広島大会への前哨戦という位置づけではあったのだが、それならそれなりのカードを用意してもよかった気がする。現・タッグ王者の価値を下げてしまったことに対しては疑問しか残らなかった。

さて、宮城退団の余波は椅子を少なくしてしまった会場にも露骨に現れており、岩田応援団の集客でいうとこれが限界なのかなとも思う。

あと気になったのは、花束贈呈のためにリングに上がった人間が全員土足だったこと。これはさすがに解せない。屋外イベントでステージのかわりになるケース以外は、基本リングは神聖なものであり、下足は脱ぐのが常識。そういう細かいところをおろそかにするプロ団体はやがて信用をなくしていくと私は思う。

とにかくメインを含めて内容はとてもいいのに、随所にモヤモヤしたものが残る大会になったのは残念としかいいようがない。来年がもしあるのであればこういう事態はなくしてほしいものだが・・・・

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