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[プロレス観戦記] レアル・ルチャ・リブレ 西都決戦RETADOR レタドール 《魂の挑戦者》

レアル・ルチャ・リブレ 西都決戦・RETADOR レタドール 《魂の挑戦者》(2019・4・14 日 さいとぴあ多目的ホール)

通例だとだいたい一月ならびに二月あたりで、レアルの大会があるのだが、今年はなかったみたい。みたい、というのは、一月は私が腸閉塞ならびに喘息で、一か月伏せっていたためで、どのみち、私にとっての2019年最初のレアル観戦は今回になる。

さて、洗濯も昼飯も済ませて早めに出て小倉駅に着くと、神戸あたりで客が線路に入った影響で、新幹線に大幅な遅れが出ている模様。13時以降は博多行き新幹線が1時間半くらいこないらしい。都心ではよく聞くけど、新幹線では珍しいなあ。早めに出て正解だった。

こういうアクシデントが避けられる時は、なんかいいことがありそうな気がする。三週連続の博多行きで、しかもほぼ糸島よりのさいとぴあに行く今回の観戦が一番身体にも負担がかかる。

そうして考えると博多スターレーンでプロレスが当たり前に見られた時代は本当にありがたかったな、と心から思う。

さて、今回のセミファイナルは、4.6さざんぴあで、ファルコがネグロから直接ピンフォールを奪い、見事博多タッグ王座戦になることが決定。一時期流浪のベルトになっていた博多ライトヘビー級はまだしも、博多タッグが他団体で行われるケースは近年ではまれな出来事。

だが、今のチャンピオンチームはある意味歴代最強のふたりでもある。一度勝った時点がマックスだと、聖氣やファルコに未来はない。この二人からベルトをもぎとるというバトンの重さも理解していないと、試合内容までは評価されまい。さて、どうなりますやら。

①キッズクラス ルチャ・オリンピカ トリプル・スレット 1R 1分30秒 ポイント制ルール/ガール&4thアンダーグレードクラス
女子&4年生以下クラス
アイリVS ライア VS ○リョウ(9ポイント)

5thオーバーグレードクラス
5年生以上クラス
○コウダイ(7ポイント)VS ジュンイチ VS ヒカル

キッズクラスはなかなか名前と顔が一致しなくて観戦記でも間違える。そうすると、校長から直々に大目玉を頂戴する羽目になるので、今回は間違えないようにしっかり見ようと心に決めていた。

選手は2回ずつ対戦し、トータルでポイントが一番高い選手が勝者となるルールで、今回は全員が同じテーマ曲で入場。総当たりは従来通りだが、1対戦ごとにアンダーグレードクラスとオーバークラスが交互に試合をしていく。

このスタイルは進行もダラダラしないし、このまま続けてほしい。クラスわけも体格差による有利不利をなるべくなくす上ではよいこと。このさいとぴあ大会はある意味「発表会」の意味合いもあるのだけど、進行のことを考えたら、大人の部も一人一人の入場にするより、代表する選手の入場テーマを使うか、合体テーマにしてしまってもいいと思う。

今のままだと入場が見せ場になってないし、印象もつきにくい。第三試合のようなキャプテン制をしいた試合なら、キャプテンの入場テーマを使って、三人まとめて入場したほうがもっとスムーズにいくと思うのだが。

さて、試合だが4年生以下のクラスだと唯一の女子であるアイリの成長が見ていていい。5年生だとコウダイの積極性が光ったと思う。全員よく声もでていたし、判定狙いとかいう消極的な試合ではなく、全員が本気でフォールを取りに行っていたのも好感が持てた。

②レレボス・マラビージャ ワンダータッグマッチ 時間無制限一本勝負
(女子戦士デビュー戦)
コラソンシータ&ヴァンヴェール・ジャック VS アグー&ユーセー・エストレージャ○(ダブルフォール)

コラソンシータは、メキシコから飛来して しばらく戦線を離れていたが、レアルで触発され 再びリングに立つことを決意したそうである。なんとなく彼女がフィーチャーされたカードにはなっているが、私的にはパートナーであるジャックと、対角線にいるユーセーが気になる存在。

彼らがリードしてコラソンシータが本領発揮できたら、それはもう彼らの積み重ねてきた努力の賜物。加えてユーセーとタッグを組むアグーは的のデカイ選手だけに、受けに関しても問題ない。

さて、これだけお膳立てされた以上、コラソンシータがとんだいっぱい食わせ物でした、というオチは通用しない。何げに彼女にとってはハードルの高い試練も同時に待ち受けているカードだと私は思っている。

試合はアグーとユーセーがルード寄りな試合をして、コラソンシータをいたぶるんだが、ブーイングはおきてもコラソンシータへの応援はなかなかおきない。

私も含めて初めての選手は実力を見定めないと何とも言えないケースが多々あるわけだが、コラソンシータも応援に値するかどうかは最初わからなかった。その時点で自身がコールを要求しても、そりゃ見慣れたユーセーに声援してしまうのは当たり前っちゃ当たり前。

しかしながら、間にユーセーとジャックのライバル対決を挟みつつ、アグーが上手にコラソンシータを盛り上げて、なんだかんだ言って試合は白熱。最後はジャックとのダブルフォールを決めて、コラソンシータは、デビュー戦で初勝利をあげた。

試合後、アグーがコラソンシータの健闘を日本語とスペイン語で称え、動物つながりでタッグ結成もほのめかし、最後は両チームノーサイドで締めてみせた。

③レレボス・ファンタスティコス 6人タッグマッチ 時間無制限一本勝負(ルチャルール+キャプテンフォール採用)
○ RANMA &サミー・グアポーテ&ウラカン・マリーノ VS  × KAZE&パヤソ・ドラド&ビースト

4.6さざんぴあで、10年遅いアステカ&コスモへの引退勧告をしたKAZE。もともと持った素質は高いのだが、おかしな回り道をしたせいで、未だに九州のプロレスシーンでは主役になりきれていない。

まあ、しかし遅くてもやる気になったんなら、それは歓迎したい。あとはKAZEの本気が本当に持続するものなのかどうか?デビュー戦以来、散々失望させられてきた私としては、このあたりで巻き返してお釣りがくるくらい頑張らないとにわかには信じ難い。この試合、レアルには悪いけど、KAZEがどう動くか、に注目したい。

結果的にこの試合は、レアルの悪い点が集約されることになった。ルチャルールは全員からフォールを奪うことで試合が終了するため、3対3で始まった試合が途中から3対2や、2対2になることも珍しくない。

今回退場した選手をリングアナが「失格」とコールしていたのは良かったが、場外で乱闘とかしちゃうと、有資格者が誰なのかが非常にわかりにくい。「あと1名フォールを奪われると〇〇チームの負けです」とかいう案内も必要かと。

もしくはキャプテンフォールにするなら、ルチャルールは採用しないとかいろいろやりようはあると思う。今回キャプテンがフォールされてないのに試合が終わったことで観客の頭にも「?」マークが浮かんだんではないだろうか?

レフェリーはよくみていて試合裁いていたけど、みている側に伝わらない試合をしたという点では全試合中、一番クオリティが低かった。まるで私が見始めたころのレアルみたいな試合だった。やっぱ伝わらない試合をしているようでは、そうそうKAZEへの不信感はなくなりそうにないかな・・・

④セミファイナル 時間無制限一本勝負
博多タッグ選手権試合
○(王者)ヴァンヴェール・ネグロ &新泉浩司 VS ×(挑戦者)エル・ファルコ &聖氣

長いことプロレスをみていると、1試合のうちに知り合いが何人も出ているということはふつうにあるわけだが、このカードも聖氣以外は全員知り合い。なんならレフェリー含めてほぼ全員が友達である。

とはいえ、彼らがいくら変わろうと、あくまでチケット買ってお客として見にきているスタンスは変えないつもりなんで、リングの上にいるのは、いち選手である彼らに過ぎない。以降はそのつもりで書いていく。

この試合で一番気になったのは、気持ちが入りすぎていたこと。確かに気持ちが入らない試合よりはいいのだが、入りすぎもよくない。今思えばその予兆はあったのだ。先週のさざんぴあで直接ピンフォールを奪われたネグロは、執拗にファルコに突っかかっていく。

ネグロからピンフォールを取ったことで一躍目をつけられたファルコは、その後も新泉の容赦ない攻撃にさらされまくるわけだが、なんとかキックアウトして聖氣につなぐが、聖氣もネグロに突っかかっていく有様で、当然新泉に変わると厳しい洗礼を受けてしまう。

この試合のようなバチバチした内容は、90年代の四天王・三銃士時代に散々流行った流れ。張り手やチョップくらいならまだしも、頭から落とし合う技を連発した結果、三銃士も四天王も現在この世ではもう揃わない。

受け身がとれるから危険な技出しても大丈夫というのは、プロレスの落とし穴である。信頼するからこそギリギリの線を攻め続けた結果、命まで落としたら元も子もない。

終盤に繰り出した聖氣のリバースブレンバスターが、スタイナースクリュードライバーのような感じで、ネグロの脳天を垂直落下で叩き落とした時は、さいとぴあの会場中が凍りついた。そのあと新泉がファルコに放ったエメラルドフロウジョンもえげつなかったが、こうした展開は正直もう観客として求めてはいけないと私は思う。その結果、五体満足でリングを降りられず、あげく命まで落としたら何が信頼か?という話になる。

私は試合内容をくさしたいわけではない。だが、せっかくレアルでは磁雷矢校長自らジャベリブレという実験を通して、無事にリングを降りられるようにしている中、時代錯誤な方向に進化してもらいたくないのだ。

せっかくの熱戦だったのに、あの一瞬で会場が凍りついたのは事実。どうか命まで投げ出さないでほしい。知り合いでなくても、誰だって目の前で選手が死ぬとこなど見たくはないのだから。

幸いネグロはマイクを持ってしっかり聖氣&ファルコにメッセージを送って健闘を称えていたので、ちょっとホッとした。返す刀で打倒KAZEをぶち上げたネグロの顔面を張ってKAZEは答えた。先週上の世代の打倒を宣言したら、もう次に突き上げをくらう。願わくば彼らの闘いで誰も怪我なくリングを降りられるように、見ている私は祈ることしかできない。

⑤メインイベント
ジャベ・リブレ 10分1R 5P先取制
△磁雷矢 VS △政宗(10分3対3)

近年はジャベリブレの普及と完成に邁進している磁雷矢校長。今回の対戦相手は大阪の実力者(主戦場は関東だけど)、政宗。どうしても秀吉との戦国タッグが印象に強いため、シングルプレイヤーとして、しかも空中戦のないジャベリブレでどれくらい力量を発揮するだろうか?

ポイント先取で競われるジャベはプロレスの関節技と決定的に異なる点がある。それは二箇所以上を同時に決めること。ルチャドールではないが、新日本プロレスでザックセイバージュニアが活躍している事で、複合関節技に注目が集まっているという事実は、ジャベリブレにとっても追い風になっているはずだ。

さて、実力者二人の織りなすルチャの芸術を存分に堪能させてもらおうか!とはいえ、ザックはヨーロピアンレスリングなんで、メキシコ源流のジャベとはまた違う。試合は、実力者政宗がジャベポイントを先取。息を飲む展開に会場は、セミ同様シーンとなったが、これは安心してみていられる前提があっての事。

要は頭から落とし合う展開でなくても、なんならルチャの持ち味である空中戦を封印しても、お客さんの目線をリングに集めることは可能なのだ。試合は時間切れ寸前で先制されていた磁雷矢が、ギリギリでジャベポイントを獲得。3対3のイーブンでサドンデスの延長戦に突入!

延長サドンデス(ジャベポイントもしくはエスケープを先取した方の勝利)

×政宗(ロープエスケープ1)○磁雷矢

延長戦は、どちらかがロープエスケープ、もしくはジャベポイントが入った時点で試合終了になる。もともとスロースターターな校長は、延長戦にはめっぽう強い。結局政宗がロープエスケープして試合は終了。

はじめた当初は一番わかりにくいと言われていたジャベリブレが、一番面白い試合になる日が来るとは、やはり積み重ねは大事だな、と痛感させられた。

しかし、通常のルチャやプロレスルールに馴染んでいる選手ほど、負けた実感が感じられないのも事実だろう。実際、試合後には政宗が「ルチャルールで」再戦を要求。これに勝っても納得していない校長が応じたことで、次回の政宗対磁雷矢はふつうのルチャルールになることが決まってしまった。

こうなるとレアルではできないだろうし、仮に再戦がレアルで実現したら、今度はジャベリブレルールの試合が組めなくなるという問題が出てしまう。個人的にはジャベリブレルールで再戦して欲しかったなあ。

とはいえ、個人的にメインがベストバウトであることは間違いないし、レアル・ルチャ・リブレが目指す正しい方向性であることは疑いようもない。

この日の締めがそうだったように、参加選手がノーサイドでにこやかに集合写真に収まる…それがいつまでも当たり前でいられるために、今一度全選手に自身の方向性を冷静になって見直してほしい、と心から願わずにはいられなかった。プロレスは奥が深いし、本当に難しい。いろいろ考えさせられた1日だった。

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