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[プロレス入場曲] プロレス的音楽徒然草 FMWのテーマ / TEAM "F.M.W."

2019/07/14

三つの転換点

今回は新生FMWのテーマ曲でもある、通称「FMWのテーマ」をご紹介します。正確には「TEAM "F.M.W."」というのが正しいタイトルですね。この曲は、このカテゴリーの記事では珍しくオリジナル制作された楽曲になります。

作曲はハヤブサ・プロジェクトとなっていますが、これはこの曲の「初出」がハヤブサ選手のテーマ曲「FIGHT WITH A DREAM」を収録した「PHOENIX F.M.W OFFICIAL THEME SONG CD Vol.1」というアルバムに収録されているからだと思われます。

90年代というのは、FMWをはじめとしたインディペンデント団体が花開いた時代でした。プロレス入場テーマ曲としても、90年代は三つの転換点を迎えていました。その三つとは…

①オリジナルテーマ曲が主体になりはじめた
②日米レスリングサミットの開催
③プロレスQシリーズの登場

退場時にもテーマ曲を流す

①は、それまで一部のスター選手にしか許されていなかったオリジナル作品による入場テーマ曲が、様々な選手や団体に書き下ろされるようになりました。

新日本プロレスや全日本プロレスなどメジャー団体にはすでに先例がありましたが、90年代に入るまでは全選手に入場テーマ曲がつくというケースはありませんでした。ですから、いわゆるテレビ中継に出ない選手は、入場テーマ曲があったとしても使われない事だって普通にあったわけです。

それが一転したのが、②でとりあげた、90年4月13日にWWF(現・WWE)と全日本プロレス、新日本プロレスが東京ドームで共同開催した「日米レスリングサミット」だったのです。WWFは既にレッスルマニアをスタートさせ、全選手に入場テーマ曲(しかもオリジナル)をつける事など当たり前に行っていました。

この大会が画期的だったのは、今でこそ当たり前になっている「退場時にもテーマ曲を流す」という演出を日本ではじめて行った事です。これに倣い、全日本・新日本が入退場時にテーマ曲を流すようになって、プロレス界では当たり前になっていったのです。

そうした時代背景もあり、また新日本プロレスが闘魂三銃士、全日本プロレスが四天王に時代が移行してきていました。特に闘魂三銃士は、全員がオリジナルテーマ曲を使用していましたから、入場テーマ曲がプロレスの演出上欠かせないものになっていったわけです。

完全オリジナル音源

プロレス入場テーマ曲の新しい波に乗っかる形で、98年からキングレコードが発売開始したのが「格闘音楽大全プロレスQ」シリーズでした。それまでのプロレステーマ曲アルバムというのは、オリジナルを除くと基本カバー曲で揃えるのが習わしみたいになっていました。

それに変化をつけ出したのが、闘魂三銃士だったり、四天王だったりしたわけです。プロレスQシリーズの優れたところは、邦楽限定にはなりますが、完全オリジナル音源にしたことです。これがヒットしたことにより、以降のプロレステーマ曲アルバムからは、ほぼほぼカバー曲が駆逐されるほど影響力があったのです。

このプロレスQシリーズには、「みちのくプロレスのテーマ」など団体のテーマ曲も入っていました。FMWのテーマはレコード会社が違うため、プロレスQシリーズには入っていませんが、同じ流れに基づいて作られた作品であることには違いないでしょう。

では、なぜ「新生」になってからテーマ曲ができたのかと言いますと、大仁田厚が旗揚げした当時は、レコード会社とのコネクションもなかったでしょうし、そもそもお金もありませんでした。

有名な「五万円」で旗揚げしたエピソードを持つFMWは、有刺鉄線電流爆破マッチによって次第に有名になり、ゴールデンウィークの川崎球場のビッグマッチは、FMWの定番になっていきました。このFMW時代の最初の引退時に、大仁田厚の対戦相手を務めたのが、新生FMWでエースになるハヤブサでした。ハヤブサのテーマ曲をはじめ、FMW各選手のテーマ曲は、東芝EMIが手がけています。これは、新生FMWの試合ビデオを東芝EMIが手がけていたため、その流れで作品化されたと思われます。

様々な思い出が積み重なって

旗揚げ当時のFMWとハヤブサ政権になってからの新生FMWに決定的な違いがあるとしたら、入場テーマ曲が既製品かそうでないか、という違いが大きいと思います。大仁田選手の「WILD THING」はもともと映画「メジャーリーグ」のテーマ曲でしたし、ライバルで後輩でもあったターザン後藤選手のテーマ曲は同名映画の主題歌「汚れた英雄」でした。

元々FMWのテーマは、新生FMW発足当時に行われていた全選手入場式でよくかけられていた記憶があります。現在も新生FMWでデビューしたマンモス佐々木選手(現・プロレスリングFREEDAMS)ら、FMWにゆかりのある選手が入場する際に使用しています。

残念ながら、FMWのアルバムはいずれも中古品でしか入手できないのが残念ですが、FMWのベスト盤以外は比較的安値で買えます(時期によって異なりますが)。もし興味があれば是非入手してみてください。

オリジナルテーマ曲というのは、なかなか配信では手に入りにくく、CDでしか集められないという欠点はありますが、これだけ年月を経てくると、様々な思い出が積み重なっています。その重みは既存の曲を使用した入場テーマ曲とも何ら変わらない、と私は思っています。

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