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[プロレス入場テーマ曲] プロレス的音楽徒然草 SPEED TK REMIX

プロレス上の関係

今回は、一般的には桜庭和志選手のテーマ曲として有名な「SPEED TK REMIX」のご紹介です。「一般的には」と書いたのは、実をいうと桜庭選手とは別に、このテーマ曲を使っていた選手がいたからです。

実は、新日本プロレスや全日本プロレスを主戦場にしていたジョニー・スミス選手も「SPEED TK REMIX」で入場していたのです。多分使いはじめもスミス選手の方が早かったはずです。

ジョニー・スミス選手は、1985年カナダのカルガリー地区を転戦し、この時期に同郷であるダイナマイト・キッド選手の教えを受けて、レスラーとしての基盤を作りました。さらにデイビーボーイ・スミス(シニア)選手の従兄弟であるという「プロレス上の関係」もこの時期に生まれ、リングネームをジョン・スミスに改名しています。

しかしながら、そのテクニックは玄人が一目おくほどで、アームホイップで相手を倒した後、自身が腕を取ったまま逆回転して、相手の腕にダメージを与えるジョニー・マジックは、スミス選手の代名詞として有名です。また、ボディスラムで相手を抱え上げ、相手を仰向け状態で脚だけを着地させ、素早くリバースDDTに移行するブリティッシュフォールをフィニッシュホールドにもしていました。

来日当初はカナダで用いていたアメリカン・スタイルのレスリングをこなしていましたが、1995年ごろからゲーリー・オブライト選手のアドバイスでイギリスで用いていたヨーロピアン・スタイルのレスリングへ転向。今まで全日本のリングでは見られなかった、独特のムーブが多数披露されるようになり、徐々に独自のポジションを築き上げていきます。

1999年11月、故・ベイダー選手のタッグパートナーとなり、世界最強タッグ決定リーグ戦へ参加。当初は異色のタッグと見られていたが、ベイダーさんのパワフルなファイトとスミス選手のテクニシャンぶりが融合を果たし、3位の好成績を残しています。これがいわゆるスミス選手の「出世シリーズ」になったわけです。

格闘技ブームと冬の時代

もともと心臓の病気もあり、また控えめな性格だったことから、いつの間にかプロレス界からはセミリタイアしていましたが、聞くところによると、第2の人生はイギリスで警察官として順調に過ごしていらっしゃるそうで、個人的には安心しました。

では、なぜ「SPEED TK REMIX」=桜庭選手のテーマというイメージが出来上がったのか?というと、桜庭和志選手が大活躍していた2000年代初頭は、空前の格闘技ブームに沸いてるいた時代だったことも大きく関与してきます。

対してジョニー・スミス選手が上がっていた全日本プロレスは、馬場さんが亡くなられたあと、ノア勢の大量離脱に伴い、瀕死の状態でした。その上、全日本プロレス中継を担当していた日本テレビもほどなく全日本との放送契約を打ち切り、プロレスリングノアの中継をスタートします。

かたや桜庭選手は、ゴールデンタイムの格闘技中継において、その入場シーンが毎回流されていたわけですから、知名度の点で差が出たのは仕方ありません。実はノアに移籍した三沢光晴選手はスミス選手のことを高く評価しており、ノア移籍の話もでていたそうですが、ついには実現しませんでした。もしスミス選手が移籍していたら、たぶんここまで「SPEED TK REMIX」=桜庭選手というイメージが固定されることはなかったかもしれませんね。

そうでなくても。当時はプロレス界全体が格闘技ブームの煽りを食らって「冬の時代」に突入していた時期でもありましたし、新日本時代はまだしも、全日本に移ってからは、タッグプレイヤーの印象が強かったスミス選手が、「SPEED TK REMIX」で入場する場面自体、かなりレアだったとも言えます。

一期一会の接点

ところで、この「SPEED TK REMIX」は2018年に発売になった小室哲哉さんの作品集アルバム「TETSUYA KOMURO ARCHIVES "T"(AL4枚組)」の三枚目にも収録されていますが、マキシシングル盤「SPEED TK REMIX〜炎のコマ」に収められたバージョンとは若干アレンジが異なります。

マキシシングル盤は三パターン収録されていまして、ベストアルバムバージョンはいずれとも異なります。ちなみに、このマキシシングルはプライド全盛期に発売されているため、当然ジャケットは「サク・マシン」だし、なんだったら出典元が映画「スピード2」であることさえわからなくなっています。まあ、別に「SPEED2」のサントラもありますから、ひょっとしたら、小室ベストに入っているのは、映画版の可能性もありますけどね。

ちなみに「SPEED TK REMIX〜炎のコマ」と「TETSUYA KOMURO ARCHIVES "T"(AL4枚組)」は2018年現在比較的入手が可能ですけど、「SPEED2」は結構高値になっていますので、プロレスファン的にはマキシシングルもしくはベスト盤で十分だと私は思います。

さて、ジョニー・スミス選手の話に戻りましょう。実は現役時代のスミス選手と私は一度だけ接点がありました。このブログでもよく登場するミスターヒトさんのお店に、ラッシャー木村、カンナム・エキスプレ(ダニー・クロファット&ダグ・ファーナス)のお三方と共に、 来店されたのです。

たまたま観戦後に居合わせた我々は、食事中の木村さんにおそるおそる一枚しかない色紙を差し出してサインをお願いすると、皆さん快くサインしていただきました。

2018年現在、ラッシャー木村さんと、ダグ・ファーナス選手は鬼籍に入られ、クロファット選手とスミス選手は引退(スミス選手はセミリタイアですが)されたため、この寄せ書き色紙にサインをして下さった選手はどなたもプロレス界にはいらっしゃいません。こうして振り返ると、改めて一期一会という言葉の重みを噛みしめている昨今なのです。

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