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[プロレス観戦記] 居酒屋よっしー with62 presents!!がむしゃらプロレス最強戦士決定戦「GAM1 CLIMAX 2018 ~勇往邁進~ 」

2018/09/23

居酒屋よっしー with62 presents!!がむしゃらプロレス最強戦士決定戦「GAM1 CLIMAX 2018 ~勇往邁進~ 」2018年9月9日(日)会場/門司赤煉瓦プレイス

波乱の2018年は災害まみれの1年になりそうだが、幸か不幸か一番台風がきそうな時期にこないだけでも、めっけもんだろう。ただ、リングの上に関しては話は別である。もう恒例になったのだが、GAM1の予想をするということで、がむしゃらプロレスのラジオ番組に呼んでいただいて、出演してきた。ただ、それがあってもなくても、今回の予想は難しすぎた。

がむしゃらプロレスの場合、ジュニアだろうが、タッグだろうが、ベビーだろうが、一回戦の組み合わせはガチ抽選で、しかも一度出た結果を変更しない方針。そのせいで一回戦から有り得ないカードが実現してしまう。しかも、どのカードも予想不能な顔合わせで、いわゆる「捨てカード」と呼べる対戦が一つもない。更に他団体からは唯一の、初参戦選手である丹の国(にのくに)プロレスの嵐弾次郎が、あまりに不確定要素すぎる。

あろうことか、その嵐の対戦相手はスミスなのだ。そのスミスがなんと、なら万葉プロレスに参戦中の嵐弾二郎の敵情視察に現れたから、ことは穏やかではない。幸か不幸か、スミスの到着時には嵐の試合は終わっていたらしいが、北九州で闘うはずの相手が、いきなり奈良に現れたら、そりゃ誰だって驚くだろう。

松江だんだんプロレスみたいに、以前から交流のある団体ならまだしも、嵐弾次郎とがむしゃらプロレスの接点は今年2月のOPGがはじめてなのだ。大阪住まいのスミスにしてみれば、奈良に行くことくらいは造作もない話だが、交流の浅い嵐にしてみたら、度肝を抜かれる出来事だったことは想像に難くない。かくして見事に先制パンチをお見舞いしたスミスの「奇襲」で、ますます先が見えなくなってしまったのだ。

全十試合ということもあってオープニングは短め。ドンタッカーに至っては入場すらなし。そのドンタッカーが選手を呼び込んで、入場式を行い、大会はスタートした。

▼オープニングタッグマッチ
①パンチくん & MIKIHISA vs ダイナマイト九州 & トゥルエノ・ゲレーロ

そもそもMIKIHISAのデビュー戦はいろもんの中に混じった6人タッグだった。近年のMIKIHISAしか知らない人にはにわかに信じがたい話だが、事実である。

デビュー以降時々は九州との絡みがあったけれど、ここ最近はご無沙汰していた。この原点回帰の場で、どういう闘いをみせるか?また、先月ジュニアタイトルを争ったゲレーロとの再戦という意味でも注目のカードになった。

さて、お笑いの波に飲み込まれるか、それとも爪痕を残して「次」に繋げられるか?ある意味MIKIHISAの真価が問われる試合になりそうな予感がする。

九州&ゲレーロの「ゲロQ」は、マイクを持つなりシークレットゲストを呼び込む。なぜか敵陣の助っ人を先に呼び込んだのだが、たぶんこの時点で時間が巻いていたからだろう。パンチくんサイドの助っ人は、前日「くいしんぼう興行」を主宰していたくいしんぼう仮面!そしてゲロQサイドには前日の対戦相手だった菊タローが登場!

こうしてカードは6人タッグへ変更に!

▼オープニングタッグマッチ
①パンチくん & MIKIHISA & くいしんぼう仮面 vs ダイナマイト九州 & トゥルエノ・ゲレーロ & 菊タロー
(13分21秒)

先発は当然、くいしんぼうと菊タロー。もうかれこれ20年近く絡んできただけあって、定番芸を超えた名人芸に爆笑の嵐!変わってでてきた九州とパンチくんも、2人を意識していつも以上に張り切っている!当然、ゲレーロとMIKIHISAは7月の続きのような華麗な絡みで盛り上げる。

しかし全員が混然一体となってくると当然「くいえべ」の流れになっていくのは仕方ない。欽ちゃんジャンプに、全員がフォールされてからのカウント2になるエストレージャにしても、数限りなくみているのに、大爆笑できる。素晴らしいことだと思う。

強いて言うならゲロQの連携ももっと見たかったけど、この流れではいかんともし難いか。第1試合から大盛り上がり!

▼GAM1トーナメントAブロック1回戦 第1試合(30分1本勝負)
②○HIROYA vs ×BIG-T
(6分11秒)

7月の大会で共にマスクマンとして激突した両者が、初のGAM1出場でいきなり火花を散らすことになった。キャリアからいえば先輩になるBIG-Tとしては、今まで自分しかいなかった高身長枠に、いきなり大型新人が入ってきたのだから、心中穏やかではあるまい。

しかしながら、すでにプロマットで提供試合まで体験しているHIROYAは、体格だけでなく、メンタルまで新人離れした逸材である。

先輩としての意地をみせてBIG-Tが勝ち進んでも、HIROYAが順当?に勝ち進んだとしても、二回戦は波乱になりそうな予感しかしない。果たして初出場同士の大型対決を制するのはどっちだ?

さて、入場式にはなぜか素顔で登場していたBIG-Tは、試合にはマスク姿で登場。しかしコーナーでアピールしているところを、先に入場していたHIROYAに奇襲されて、先手を取られてしまう。

普通これはヒールのBIG-Tが先手を打たないとダメなパターンだが、傘にかかったHIROYAは、更に攻撃を畳み掛けていく。

BIG-Tが持っている技で唯一HIROYAをたじろがせたのは、林祥弘とも渡りあった水平チョップだけだった。しかし、試合途中で右肩を痛めたBIG-Tは途端に失速していく。

ただですら、技と技の間に間が空きすぎるBIG-Tは、せっかくアドバンテージがきても、フォールにいけない。HIROYAは目ざとくBIG-Tの痛めた右肩を集中攻撃。これで勝負あった。結局、HIROYAに押しきられて、BIG-TのGAM1は幕を下ろした。

▼GAM1トーナメントBブロック1回戦 第1試合(30分1本勝負)
③○陽樹 vs ×尾原 毅
(9分37秒)

元々はドリームチューバーとして同じユニットにいた陽樹と尾原だが、陽樹がgWoに移ってからも、なぜか対戦するチャンスがなく、シングルは今回初対決。実は以前から陽樹は尾原とは戦いたいという希望を持っていた。それは本人たちの口から何度となく聞いてきた。

それとは別に昨年優勝候補に挙げられながら、決勝に進めなかった者同士としては意地でも勝ち上がりたいはず。陽樹はこの先に待つスミスや鉄生と戦うために。尾原は二回連続でインターコンチのタイトル争いに敗退して再起を期する事情もある。二人とも負けられない闘いなのだ。

試合序盤は陽樹が攻勢に攻めていく。しかし下になりながら、隙を伺う尾原は劣勢にはみえない。たぶん陽樹もそのあたりは警戒していたはずだが、それでも脇固めで一気に形成逆転。尾原がもう少し体重のせていたらヤバかった。

しかし、ロープエスケイプした陽樹をまっていたのは、尾原の非情なキックの連打。特に陽樹の右肘を狙い打ちする蹴りは重さも十分。3月に豪右衛門と対戦した時は体重不足に泣いた尾原だったが、今回はちゃんと重量級対策をしてきていた。

とはいえ、陽樹に上に乗られただけできついのは変わりない。尾原の狙いは良かったのだが、非情に徹するにはもう二手三手畳み掛ける必要があったかもしれない。

実際、これ以上蹴りを食らったらヤバイというタイミングで陽樹は反撃してきたし、最後は強烈なラリアットで尾原をなぎ倒した。確かに尾原はロープエスケイプもしていたし、肩も上がっていたが、身近でみているレフェリーに「万事休す」と思わせた時点で敗北は確定していたと思う。誤審と言えば誤審なんだが、それ以前の問題だったように思う。

陽樹に余力を残させないくらいに非情になりきれるかどうか?尾原毅ほどのベテランでも課題はあると言うこと。逆に陽樹には、関節技やキックを我慢するだけでなく、切り返したりガードしたりする課題もできたと思う。受けはプロレスラーの矜持だが、トーナメントでは命取りになりやすい。GAM1はそんなに甘くないからだ。

▼GAM1トーナメントAブロック1回戦 第2試合(30分1本勝負)
④○KENTA vs ×鉄生
(7分19秒)

よりによってというのは、このカードのことを言う。大本命同士がいきなり一回戦からぶつかり合う。そもそもKENTAがヒールターンする前に、二人はGWAヘビーを巡って、今はなきスペースワールドで火花を散らしている。要するにこの顔合わせはタイトル戦でもおかしくないのだ。それだけに一回戦でこの闘いが見られるのは、ありがたいやら、残念やらと言う気分。

闘う二人にしても、組んで頼りになる分、思い切っていけるだけに、遺恨のないぶつかり合いが期待できる。屈指の名勝負が生まれるか否か、注目したい。

さて、GAM1の初回から参戦しているKENTAは5年連続一回戦敗退という不名誉な記録保持者でもある。初回から大本命に挙げられながら、この有様だから、昨年の準優勝もヒールターンした結果とはいえ、優勝はないと思われていた。

そして今年のGAM1はよりによっての同門対決になった。だが、昨年までと違い、KENTAは非情に徹していた。相手の攻撃を一通り受けていたという意味では、尾原と同じような戦略だったのだろうが、焦らずじっくり出方を待っていたのが、昨年までのKENTAとは大いに違うところだった。

やはり狙いは鉄生の右肩と首。執拗な腕決めに苦悶の表情を浮かべる鉄生。チキンウイングアームロックや、腕ひしぎだけでなく、ありとあらゆる形でKENTAは弱点を攻め立てた。

普段は試合を楽しむ節が多々見られるKENTAが、勝負に徹するとここまで強くなるものか。改めてKENTAの底力をまざまざと見せつけられた思いだった。

最後はまさかの抑え込み。身体の硬い鉄生にとってはガッチリ決まれば、決まり手になりうる技。ギブアップ狙いより有効なフィニッシュだった。とにかく何が何でも勝つ、という強い意志が感じられたKENTAの闘いっぷりだった。

▼GAM1トーナメントBブロック1回戦 第2試合(30分1本勝負)
⑤○嵐 弾次郎 vs ×SMITH
(10分34秒)

さあ、問題のカードである。題するならば、アメージングvs.アンビリーバブルということになろうか?アメージングというのは、嵐弾次郎がツイッターで決め台詞にしているワード。対するアンビリーバブルは、常日頃から人の想像を遥かに凌駕するスミスのことである。

まあ、アンビリーバブルはある意味スミスの通常営業であることは、がむしゃらプロレス関係者やファンなら常識ではあるのだが、スミスを知らない人間にとっては、信じられないという気持ちにもなるだろう。

とはいえ、実際、嵐弾次郎の試合を観た経験があるのは、がむしゃら側の人間は2月のOPGを観に行ったメンバーだけ。しかもその時は6人タッグだったので、事実上シングルマッチは誰もみていない。

だからこそ、スミスが抜き打ちで視察に訪れたわけだが嵐にしてみたら、こうした揺さぶりはまず体験がないはず。まさに嵐的には「アンビリーバブル」だったはずなのだ。果たしてスミスのメンタル攻撃に対して、嵐がどれだけ平常心で戦えるか?全対戦カード中、一番不確定要素が強いだけに、要注目のカードである。

ところが、最初こそいつも通りのスミスだったのだが、どうも様子がおかしい。いつもなら場を完全支配してしまうのがスミスの常套手段なのだが、スミスコールに対して弾次郎コールが起きると、少しいつもと違う表情を浮かべていた。まあ、これも計算である可能性があるので、序盤はそう気にしてはいなかった。

しかし、弾次郎への声援に対して「計算が違う!」と言ったスミスの表情からは、いつも感じられる余裕みたいなものがないように私には感じられた。そして弾次郎との肉弾戦にムキになって返すあたり、ALLマイティ井上戦やマツエデラックス戦でみせた「らしくない」スミスの姿が見え始めた時に「これはヤバイ」と思ってしまった。

おまけにセコンドの尾原に対してバズーカを要求しながら、コーナー最上段でスミスが受け取り損ねるという失態まであっては勝てるものも勝てないだろう。最後は、弾次郎の体重がしっかり乗ったフライングボディプレスでカウント3。がむしゃらではシングルで土をつけたのは、マスクドPTと鉄生のみ。しかし、対他団体のシングル戦はこれで3連敗になってしまったのだった。

▼6人タッグマッチ(30分1本勝負)
⑥ TOSSHI & ZAKA & ○上原 智也 vs ×ジェロニモ & ドラゴン・ウォーリアー & 久保 希望
(14分08秒)

元々、ナスティに振り分けられていたOPGの上原がヒールターンして、ジョロキアに加入した事で、がむしゃらプロレスでの立ち位置も変化した。ジョロキアが事実上LCRと同盟関係になってしまったために、上原がLCR側について、元いたナスティと闘う流れになってしまったのだ。

さて、そこで注目したいのが7月に無事がむしゃらプロレスに復帰したジェロニモである。新生ナスティにヘッドハンティングされたジェロニモは、実をいうと、タッグタイトルをかけて他団体と闘った先駆者でもある。しかし、汚名を挽回する暇もなく、自身がプロレス休業してしまったために、長らく対他団体戦線からは遠ざかっていた。

 

入場時、ナスティはDA PUMPのU.S.A.に乗ってキレッキレのダンスを披露。アメリカといえば前の試合に出ていたスミスの十八番なんだが、よもやの登場に会場大声援。チームリーダーの野本一輝が、虎の子のインターコンチを返上してから、無冠のユニットになり、タイトル挑戦もドラゴンがゲレーロに挑戦して以来、お鉢が回ってこないナスティとしては、何でもやらないとチャンスがつかめない。その危機意識は充分伝わってきた。

だが、OPGを我が物で支配するジョロキアの勢いは、ナスティの危機感を軽く凌駕していた。最初こそTOSSHIを捉えて優勢に出たナスティもZAKAと上原が出てくると、あっという間に形成逆転。

戦力バランス的には両軍とも申し分ないし、寄せ集めといえば両チームともそうなんだが、勢いとうまさではやはりLCR+ジョロキアに明らかに分があったのは確かだった。

確かにナスティには危機感があったけれど、各人がフリーダムなファイトをしているため、全ての攻撃が単発になりやすい。かたやLCR+ジョロキアは、単発の攻撃は殆どないため、徐々に試合の中で差が開いていった。

ジェロニモを仕留めた後もなおナスティをいたぶるジョロキア組を蹴散らしたのは、ドリームチューバーの尾原毅と、gWoのMIKIHISA。

おっとり刀で駆けつけた二人に礼を言うドラゴンは早速二人をナスティに勧誘。尾原は「ドリームチューバーにいると、スミスさんを狙えない」、MIKIHISAは「gWoにいると自身の成長がない」と言う事で、これを承諾。かくしてまたしても寄せ集めではあるが、ナスティはメンバー増強。一躍台風の目となった!

▼GAM1トーナメントAブロック準決勝戦(30分1本勝負)
⑦×HIROYA vs ○KENTA
(9分43秒)

KENTAにとって、昨年に続き新人との対決になったが、今回は決着以外に想定外な出来事が起こった。まあ、がむしゃらに限らず10年選手と新人が闘うなら、新人選手が応援されやすいのは確かだが、それでも人気絶頂のLCRの中でも、とりわけ人気者のKENTAには、どんな試合でも大概、声援が飛ぶのだ。

しかし、試合がはじまると、会場はほぼ9対1くらいでHIROYAコールに覆われてしまう。これでKENTAが「試合を楽しむモード」になっていると、客席に毒づいたり、自分のコールを要求したりするのだが、この日のKENTAは完全に試に集中していた。

この集中力が発揮されたKENTAは手がつけられないくらい強い。下手するとスミスを凌駕しかねないくらいの潜在能力がある。ただ、通常バージョンのKENTAばかりみていると、本気モードのKENTAをついつい忘れがちになるのだ。

会場とHIROYAを敵に回しても終始KENTAは冷静だったし、取り乱すこともなかった。こうなるといかにHIROYAが驚異の新人だとは言っても分が悪い。

それにしてもここまでKENTAが勝負に集中するとは、まさに予想外。元々持っている力はあるけれど、本命視されにくかったKENTAはもうどこにもいなかった。

▼GAM1トーナメントBブロック準決勝戦(30分1本勝負)
⑧○陽樹 vs ×嵐 弾次郎
(8分19秒)

初戦がUWFスタイルの使い手。準決勝が身軽なヘビー級という形で、陽樹の対戦相手はバラエティに富んだ選手が揃った。しかも因縁らしい因縁もない。これは鉄生にもいえる話だが、今回のクジで出た結果は、非常に興味深い形になった。

因縁なくぶつかり合えるという点では嵐弾次郎は最適な相手ではある。果たして序盤から2人は遠慮なくぶつかり合う。ど迫力対決にどよめく会場。GAM1にふさわしいぶつかり合いは、非常に見応えがあった。

だが、タックル合戦だけではない。100キロ超ある弾次郎はパワーだけの選手ではない。場外に落ちた陽樹めがけて、セカンドロープの間から弾次郎のトペ弾が炸裂。あまりの威力に、陽樹が後ろではなく、真横に吹っ飛ばされた!おそるべし、嵐弾次郎。だが、こういう正攻法でぶつかってくる相手は陽樹の得意とするところ。真正面から弾次郎を受け切った陽樹は、最後パワーで押し切って決勝進出。

試合後、ノーサイドで健闘を称えあう両者。こういう因縁のない闘いは陽樹にはよく似合う。見応えのある闘いだった。

▼GWA無差別級タッグ選手権試合(60分1本勝負)
⑨【挑戦者】○美原 輔 & サムソン澤田 vs 【王者】土屋クレイジー & ×YASU
(17分08秒)

鉄壁の連携と信頼関係を築いて、ここまで防衛ロードを重ねてきた土屋とYASU。しかし、6月に土屋がライジングHAYATO を破り、第2代四国統一王者になってから、少し二人の関係性に変化が生じてきた。

要するに、相方が二冠王になった以上、パートナーであるYASUにも二冠を目指す欲が生まれてきたのだ。だが、これはある意味仕方ないこと。

そもそも土屋の戴冠に関係なく、ゲレーロがジュニアの絶対王者に君臨している現実を、がむしゃらジュニアで一時代を築いてきたYASUが、面白くないと思っていても不思議ではない。

もし、美原と澤田が付け入るとしたら、このチームのシングル指向にしか隙間がないわけだ。共に今はシングルよりタッグを重視し、このパートナーでチャンピオンになりたい、という欲求は、むしろ王者組より強いかもしれない。

とはいえ、土屋とYASUの実力が落ちているわけではない。ましてや、美原と澤田は、一回挑んで弾かれている。果たしてチャレンジャーチームの想いが勝つか?それとも、団体を超えた山口県タッグの絆が上回るか?

試合を見ていて気になったのは、鉄壁の絆を誇るYASUと土屋の連携に若干の綻びがみえたこと。序盤で土屋にタッチするふりをして、YASUが自分の出番を増やしたところだった。これは土屋が四国統一のベルト巻くまでは見られなかったシーンだった。

「自分もジュニアのベルトを巻いて二冠王タッグになる」という欲はレスラーとして持っていて当たり前。それは悪くないのだが、連携に微妙な影を落とすと問題になる。

反対に美原と澤田には後にひけない覚悟がみえたように思えた。全体的に連携の綻びもなく、信頼関係が構築された感じがする。確かに個々の力は明らかに土屋&YASU組には劣る。しかしこの日のチャレンジャーチームには固い決意に満ちた信念のようなものを感じた。

対してgWo側はいつもならうまくいく流れが自分の方にこない苛立ちをみせはじめる。セコンドについた大向美智子が竹刀攻撃で介入することは珍しくはないのだが、この日の介入はそれすら歯車が噛み合っていなかった。

あげく、美原に竹刀を奪われ滅多打ちにされて場外に転落。更には土屋を場外に 放り出して、YASUに集中砲火。最後はツープラトンのスタナーを決めて、見事三度目の正直を果たした。

竹刀を握った美原には綺麗な試合する気などさらさらなく、むしろ狂気じみた表情を浮かべていたが、ある意味本能覚醒させたことで実力以上の力が出せたと思う。

ただ、がむしゃらにはタッグがシングルを目指す上での通過点になることがままあり、それがためにタッグベルトの価値が一時期暴落した歴史がある。美原・澤田もいずれシングル路線に行く可能性もあろうけれど、せっかく林祥弘や豪右衛門、MIKIHISA、そしてYASU&土屋と、過去のチャンピオンが築きあげてきたタッグの価値をどうか落とさないでほしいと願うばかりである。

▼GAM1トーナメント決勝戦(60分1本勝負)
⑩○KENTA vs ×陽樹
(15分56秒)

決勝は奇しくも、元「チーム凱」同士の対戦になった。両者がヒールターンしたあと、何回か試合はしているが、GAM1決勝のような重要な局面における顔合わせはもちろんはじめて。

試合前から心配だったのは陽樹の右肘だった。難敵・鉄生を丸め込み、新星・HIROYAも比較的短時間で片付けたKENTAと比較すると、どうしても分が悪い。

しかし、この試合もKENTAはのらりくらりと序盤は陽樹の技を受けていた。今思い返すに、トーナメント二試合を戦い抜いた後の陽樹のコンディションを品定めしていたかのような、そんな感じさえしていた。しかも、KENTAが様子見していようが、なんだろうが反撃されない内に畳み掛けないと、自分がやられてしまう。そんな焦りも陽樹にはあったのかもしれない。

だが、余力を残して戦っているKENTAと、余力が切れかかっている陽樹とでは、試合が長引くほどどちらが有利になるかは、もはや歴然としていた。

果たして陽樹は、中盤から始まったKENTAの腕殺しにはなすすべがなくなってきた。しかも全部を切り返すでなく、気力だけで逃げようとするから、どんどんスタミナも奪われて行く。

かつてスミスに「トーナメントの戦い方が出来ていない」と酷評されたKENTAがまさかスミスもかくや、と思わせるトーナメントの戦術を磨いて試合に臨んでいたことは最早明白だった。

もし、「命日の近かった林祥弘のために闘う」とかいう気持ちがあったなら、おそらくKENTAは陽樹に勝てなかっただろう。だが、感傷に浸って勝てるほど陽樹は甘くない。単純に「優勝しかない!」という強い意志があったから、KENTAは勝った。

形の上ではレフェリーストップにはなったが、勝ち方すらどうでも良かったのだろう。試合後、健闘を称えた居酒屋よっしーの早田さんがリングに上がると、「おまえはgWoだろうが!」と一喝。その目は決して死んではいなかった。

私が想像するに、早田さんの後ろに林祥弘の影を感じたKENTAは「お前のおかげで勝ったんじゃない!」という気持ちがあったのではないか?単純に自分のためだけに、自分が目指す目標のために試合して、勝ち上がり、優勝した。それだけだったのだ、と私は思う。

試合後、マイクを持ったKENTAは、優勝した暁に挑戦するベルトに、本大会を欠場している豪右衛門のもつインターコンチを指名。これによって11月25日の大会ではKENTA対豪右衛門のインターコンチ戦が決定した。

今回もそうだが、特にメインはKENTA推しのコールと陽樹推しのコールがまるで悲鳴のように交差する物凄い空間になった。KENTA優勝に、美原&澤田の戴冠と終わってみれば、今年のGAM1は大ハッピーエンドになった。

しかし、課題がないわけではない。挑戦者がついに1年通して現れなかった、GWAヘビーのベルトの価値は昨年スミスが巻いた状態から全く変化していない。加えてシングル・タッグ・ジュニアとドリームチューバーにタイトルが集中している現実は、他のユニットにとっても内心面白くないだろう。

ハッピーエンドの先にあるがむしゃらマニアに向けて既に水面下では動きが始まっている。他団体の動向も含めてますます目が離せない!

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