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[プロレス観戦記] 「熊本プロレス祭リin花畑広場」2018年6月3日(日)ファーストステージ

2018/06/07

『熊本プロレス祭リin花畑広場』(6月3日(日)ファーストステージ 試合開始11:30)

昨年もFREEDAMS観戦で熊本に訪れているのだが、いわゆる「繁華街」には久々にやってきた。路面電車の辛島町駅前で降りて、商店街横のホテルを定宿にして、各種イベントや故・初代上田馬之助さんのお店に通い詰めていた20代の頃が懐かしい。

あの当時は九州新幹線もなかったから、博多からは在来線で乗り入れていた。だからどうしても「泊まり」にする必要があった。そこへいくと、今は九州新幹線であっという間に着いてしまうんだから、ありがたい話だ。当然日帰りも可能なので十分に時間の余裕が持てる。

今回イベントが開催される花畑広場なんてもんは、基本存在したかどうかさえ覚えていない。用がないものは記憶にも残らないからだ。

だから商店街前に多数の屋台が出ていて、広場の真ん中にリングがある状態をみると、はじめてほんとにここでおまつりがあるんだな、という実感が湧いてきた。

しかし、場内のロープの外からしばし様子をみていたら「立ち見のお客さんも列に並んでください」とのことで、一旦会場をでると、バス乗り場を囲むような長蛇の列。しかも知り合い率高っ!仕方なく最後尾について、改めて再入場。結構時間がかかった。

この時までは日差しがきつくて「試合後まで立ち見できるかな?」という不安が私にはあった。実際、朝だけ飲み食いして水も持参してない時点で、過去一回私自身が死にかけた体験のある、熱中症を舐めてかかっているというのも問題大有りではあるんだが…。

が、あろうことかプロレスが始まり出すと、日差しが弱まる奇跡が!これはありがたい。とうとう飲まず食わずで観戦し終えてしまった!お祭り的には金も落とさない迷惑この上ない客には違いないだろうけど(笑)

これはプロレスの神様が呆れて日よけしてくれたに違いない!おかげで三時間立ち見しても全然疲れなかった!

アンダーマッチ20分一本勝負 レアルルチャ提供試合

○エクス・オダジモvs ×聖氣

糸島にある日本唯一のルチャリブレ専門学校、レアル・ルチャ・リブレ提供試合として組まれた試合。簡単に言うとそこの生徒さんの対決なのだが、わかりやすい正統派とわかりやすい悪役のカードになっていた。

オダジモは4月の大会でみたときのようなグダグダ感がなく、自分の役割を全うしようとしていたようにみえた。無駄な動きも少なかったし、技の一つ一つに気持ちがみえた。

一方聖氣も随所にダーティーファイトを絡めていたが、もうすこし憎々しげにアピールしても良かったと思う。せっかく悪役としてお客さんに認知してもらえたのだから、その空気を読んでいかしても良かったと思う。

お互いがお互いのいいところを引き出すのも大切だけど、それ以上にお客さんからみた自分をもっと意識しないと、なかなかお客さんも本音では応えてくれない。

「プロレスはストーリーありきのショーだ」とみたことのない人に限って、下に見てくることがあるけど、ライブである以上、生の感情が伝わらない技の羅列はストーリーがあろうがなかろうが、試合とは呼べない。ぶっちゃけ用意されたストーリーがあろうがなかろうが、試合のクオリティにはなんら影響を及ぼさないと言い切ってもいいくらいだ。

だから、気持ちの入らない技はいくら出してもお客さんの心を揺さぶることはできないのだ。そこは選手が真剣に向き合わないと、ひとりよがりになっていくだけ。それなら身体能力を生かしてアマチュアスポーツの道に行く方が本人のためだろう。

オダジモと聖氣の試合は、きついいい方をすればさざんぴあの時よりよかった、というだけで現実問題、課題はいくつもある。

ただ救いなのは、二人の試合がお客さんから比較的好意的に受け入れられていたことで、これは彼らの財産になったに違いない。熊本震災の復興支援にもなったのなら、十分すぎる働きだったと私は思う。

◇6人タッグマッチ

杉浦透&神威&〇ヴァンヴェール・ジャック vs ヒデ久保田&ヤス久保田&×ヴァンヴェール・ネグロ

第1試合から実況と解説がつくことに。実況はプロレスファンらしいのだが、知識が古い方に偏っていて、会場からの反応が薄いのに気づいていたのかな?解説のカズハヤシは、さすがにあちこちで試合を重ねたスキルがあるせいか?わかりやすい解説だった。

そのカズハヤシを驚かせていたのが、やはりヴァンヴェール・ジャックである。同じ九州とはいえ熊本はほぼアウェイ。しかも対角線上には実の父親、ヴァンヴェール・ネグロがいる。この親子対決が試合のウリになっていたが、これはレアルを知らない土地では有効なカードだろう。ましてやネグロのパートナーはでかくて悪い久保田ブラザーズ。見た目だけでも十分すぎるくらい悪党なチームに、小さいジャックが立ち向かう図式は、わかりやすいとも言える。

だが、レアルルチャを知る者にとっては、子が大ベテランで親が中堅クラスのキャリアしかない上に、プロレスのうまさでも親子の立場が逆転していることは周知の事実。ほんとはこの日セコンドにいたユーセーとの絡みも見てもらいたかったが、それはいずれまた見せる機会までのお楽しみ。

やはり「親子対決」・・・しかもグレた親父と、できる息子の対決というのはお祭りのお客さんにはわかりやすいんだろう。ジャックには大きな声援が、そしてネグロと久保田ブラザーズには大きなブーイングが飛んでいた。最近ともすればいい人になろうとしているネグロだが、やはり悪役に徹したほうが味が出る。

頑張っている親父キャラもいいけど、こういう場ではやられ役に徹して、息子を立てるのも必要だなと思っていた。そのあたりは久保田ブラザーズのほうが「わかっていた」ので、リードされながらもネグロは一生懸命やっていたと思う。久々にアウェイのネグロをみたけど、非常に良かったと思う。

しかも、ジャックから直接フォールをとられるあたりも、ネグロはいい仕事をしたと思う。久保田ブラザーズはなかなか九州で見る機会がないけど、よかったらまた見てみたなあと思う。仕事のできる悪役は貴重だからね。

◇シングルマッチ
琉球ドラゴンプロレス提供女子プロレス
〇ハイビスカスみぃ vs ×ポークたま子

琉球ドラゴンプロレスのポークたま子は、北海道出身。対戦相手のみいは、奈良県出身。実は琉球ドラゴンにおいて、純粋に沖縄生まれの女子選手は真栄田ミサキひとりだけなのだが、これもまた面白い。一時期やたら日焼けしていたみいは、いつのまにか肌が白くなっていた。

個人的には女子だろうと、障がい者だろうと、小人だろうと、全部プロレスという目線でみているので、女子選手をエロ目線でみるのは好きではない。これはフェミニズムとは一切関係なくて、単なる趣味嗜好の問題。

だから、あくまで私が感じたことだけど、この日の実況が、この試合に関しては、終始性的目線で進行していたのが不愉快極まりなかった。さすがに解説のカズハヤシはそんなことはしないのだが、あまりに露骨だったので腹が立った。

とはいえ、選手に対するリスペクトがないのかというと、そうでもなさそうなのが悩ましいところ。とはいえ公共の場で行われるお祭りにおける実況としては不適格と言わざるをえない。マニアよりの例えとか、一見さんにはわかりにくい上に、技名や選手のプロフィールにはあまり詳しくないという点でも、私は及第点をあげられない。

さて、みいの純粋な女子プロレスは久々にみるが、やはり実力は安定しているし、ポークたま子を上手く引っ張って試合を組み立てていた。沖縄プロレスなきあと、琉球ドラゴンがしっかりしたプロレスで、沖縄の地にプロレス文化を根付かさせようとしている、真摯な姿勢も垣間見えた。

ポークたま子というリングネームからは想像し難いが、見た目は普通の女の子っぽいのに、どこか普通じゃない感がある。こういうのはプロレスラーには大切な資質。うまくすれば全国区のスター選手になりうる素材とみた。

いつか琉球ドラゴンプロレスは生でみてみたい。ただ、年に一回東京に行っちゃうと、それだけで沖縄行きが厳しくなるんで、それが何とも悩ましい限りなのだが。

◇6人タッグマッチ FREEDAMS提供試合

佐々木貴&GENTARO&〇ビオレント・ジャック vs マンモス佐々木&KAZMA SAKAMOTO&×平田智也

赤レンジャーズが熊本初見参。といっても喜んでいるのはマニアだけ。せっかく実況がいるんなら、赤レンジャーズの成り立ちから、なぜGENTAROと殿が赤レンジャーズと呼ばれているのか、を説明しないと。実況がマニアと一緒になって喜んでいる場合ではない。この辺も一見さんは置いてけぼりだった。

しかし、さすがにこのメンバーだと外しようがない内容になるのは事実で、特に昨年来の熊本登場となるビオレント・ジャックに対してはどよめきすら起きていた。この日は「ジャックデー」になりそうな予感がしていたが、果たしてヴァンヴェール・ジャックに続いて、ビオレント・ジャックも大いに会場を沸かせていた。

やはりわかりやすくて、インパクトのでかい存在はお祭りでは必須。それだけにジャックに食われかねない他の選手たちも必死にならざるを得なかった。

北九州に続いてぶつかり合った殿とマンモスの佐々木対決もど迫力。北九州ではどうしても阿蘇山との絡みが目立つ展開だったけど、もともと殿とマンモスはFREEDAMS設立メンバーなのだから、組むなり闘うなりしても常にレベルの高い闘いを提供できるのだ。

この輪の中で平田が格落ちして見えなかったのも素晴らしい。やはりFREEDAMSの若手はいいものを持っている。殿は自分たちの居なくなったあとのFREEDAMS像をイメージしているようだが、常に新陳代謝を視野に入れているというのは、驚くほかない。視野に入れて何もしないのではなく、結果まで出しているのだから大したものである。

懐かしの赤レンジャーズは、勝敗には絡まなかったが、随所でベテランらしさを発揮した。やはりFREEDAMSらしい試合になったのは、単にノスタルジーではない現在進行形の闘いを見せたかった選手たちの意図が形通りに現れたといってもいいだろう。お見事でした!

◇3WAYマッチ
〇黒潮イケメン二郎 vs ×がばいじいちゃん vs待(マチ)サミライ(特別レフェリー・中邑珍輔・ゲスト・くまもん)

入場順はサミライ、イケメン、じいちゃん、珍輔、くまもんの順だが、合計タイムが20分以上かかる有様。炎天下の中ならキレていたかもしれない(笑)

しかし、この中で一番入場に時間食いそうなイケメンが、更に入場が長い(というか遅い)じいちゃんのリングインをひたすら待っている図はなかなか面白かった。熊本でもイケメンは認知されているみたいで、イケメンコールがおきる人気ぶり。

しかも、くまもんがリングインしてくまもん体操を踊るくだりにはさすがに気持ちが切れかけてきた。ところが心の広い?イケメンはくまもん体操にまで付き合う始末。なんていい人なんだ!なんかリング上にはゆるキャラしかいないような雰囲気で、ホントに試合があるのか?という感じに。

高齢を理由にダンスをしぶるじいちゃん(これは仕方ない)と、最初からタバコふかしてやる気がないサミライとはえらい違い。くまもんに対するスタンスは三者三様でこれも面白かった。

この試合から解説が佐々木貴にチェンジ。しかし殿のマイクだけが最後まで入らず、地声で解説を続けていた。

試合は3wayといいながら、実質イケメン対じいちゃんのシングルに時々サミライが加勢する形になったので、3way特有のゲーム性はなかったけど、試合だからといって、高齢者にキックを打ち込むイケメンには、さっきまでの人気ぶりとは一転、容赦ないブーイングが炸裂する。

それでいて、じいちゃんの覚醒モードはわかっていても毎回引き込まれてしまう。異色と言いつつなかなか面白い対戦だった。ぶっちゃけサミライがいなくても良かったような気がするけど。そもそも、もとネタの「エル・サムライがヘビースモーカー」なんてネタは、コアなマニアにしかわからないネタなんだし。

ちなみに本家・エル・サムライはサミライより細くなっているからなあ。ネタ元も微妙なんだけど、伝わりにくかったという点ではお祭り向きではなかったという事ではないかなと私は思う。

それと個人的には中邑珍輔は、「RISING SUN」で入場してほしかったのだが、使われていたのは「SUBCONSCIOUS」(新日時代)の方だった。まあ今回はレフェリーだったし、仕方ないか。

スペシャルトークショー
前田日明×藤原喜明

私が生の前田日明氏をみるのは実に32年ぶり!黒髪のロペスピエールと呼ばれた格闘王の頭には白髪がはっきりみえて、体型もとてもじゃないが、佐山さんのことは笑えないような丸まり方。年月の経過とは、かくも残酷なものか。これで現役復帰のオファー出し続けているドラゴンの気が知れないが、あの方は昔から「ああ」だからなあ(笑)

しかし、腐っても前田日明なのは、その眼光!あれはまだ充分殺る気に満ちた目である。熊本の被災については心を痛めていたということで、自分が少しでも役に立つなら、と引き受けたそうだ。

一方、未だ現役にしてテレビ等にもバリバリでている藤原組長は実に闊達なしゃべりを披露。「組長!」という声援には「藤原でございます。組長といっても怪しいものじゃございません。」と喋りも実に滑らか。ガンも克服した組長は当然、体型もスマート。節制してないとはいいながら、影で努力してそうなところだけは変わらない。

「最近はセクハラ.パワハラなどと申しまして、いろいろ気をつけていないと」と、報道用や大会主催者の記録用ビデオを指して笑いをとったりしていた。さすが組長。まさに一流のエンターテイナーである。

新日本入門からUWFへ移籍するまでの話をする二人には揺るぎない信頼関係を感じた。猪木さんについてはなぜか「金を騙し取られる人」というイメージで二人とも一致していた。

途中ビアホールMANの村田さんが乱入。旧知の組長は苦笑いしながら「入ってくんなよ!」と毒づきながらも嬉しそうにしていた。

ちなみに大会後、ビアホールMANにて前田さんと組長を囲む会が先着5名で開催される旨アナウンスがあったが、あの二人に5人で立ち向かえる勇気がないのと、値段がわからなかったので、不参加とした。

さて、トークショーの白眉はこれ!私も「まさか!」と思った「熊本旅館破壊事件」の真相が当事者から語られることに!私も半世紀近くプロレスをみているが、あの騒動を当事者が、しかも熊本の地で語るなんて初めての体験である!

私が知らなかった事実としては

①破壊した熊本県の旅館はもう一軒あったらしい
②旅館が廃業したことを前田日明は知らなかった
③二人が記憶している賠償金の額が三百万円違っていた

の三つ。

①については全国でやっていたわけではない、といいながら前田さんと組長が覚えていた旅館が異なることが判明。これで熊本県内で犠牲になった旅館がもう一つあることが判明!

②は本当に知らなかったらしくて、記憶力のよい組長は覚えていた。しかし前田さんはなぜか一抜け二抜けした猪木さんや藤波さん、そして自分が酔いつぶそうとした坂口征二さんのことは克明に覚えていたが、その後の顛末は全く記憶にないらしい。

ちなみに武藤敬司と殴り合ったというエピソードについては「殴ってません。あれはじゃんけんして勝った方がグーで(パンチ)やるゲーム」だと言い張っていた(笑)

③はなぜか差額を山本小鉄さんが懐にいれたというオチがついて、2人とも納得していた。ひでー!死んだ人に罪なすりつけた(笑)しかし、これはやはり昔の信頼関係なしでは話せないだろうし、二人ともめちゃくちゃ楽しそうだった。

新日本プロレスについては、前田さんが「もう、あれは別物」とピシャリ。組長は同意しつつも「お客さんがあれだけ入っているということはいいことかもしれない」と多少フォローは入れていた。

このトークショーを花道の後ろでGENTAROが本当にうれしそうに見ていたのが印象的だった。表情が完全にプロレス少年のそれだったので、ほほえましかった(^^)

最後に前田さんと組長が一人ずつ挨拶。前田さんが「この後も若い選手が一生懸命試合すると思いますので、楽しんでいってください」と締めてトークショーは終了。最後はUWFプロレスメインテーマで退場した。

UWFプロレスメインテーマはオリジナルだったので、感動して涙が出たが、残念ながら入場時のキャプチュードワルキューレの騎行はオリジナルではなかった(たぶんUWFのテーマアルバムのカバー版)。プロレスファンが関わっている割にはテーマ曲の扱いがぞんざいなのが気になった。

まあ、でもこの二人を見られただけでもヨシとしなければ。

◇シングルマッチ
〇火野裕士 vs ×力

正直チョップとバックドロップしかない力に、火野という対戦相手は強大すぎるだろう。あの鷹木信吾ですら、チャンピオンカーニバルで打ち砕かれたほどの破壊力は、メジャー団体にもしっかり爪痕が残せる実力をもつ。しかもチョップに関しては一過言ある使い手だけに、力道山の遺伝子だけでは太刀打ちできないのも明白。

しかし、これしか武器がない以上、この2つでやるしかない。腹をくくった力は火野裕士を相手にしても決してひるまない。あの分厚い胸板に何度もチョップを打つ姿勢は、応援したくなる要素があった。

でも火野の壁はそれだけでは破れない。そうそうに仕掛けていったバックドロップもやすやすとこらえられてしまう。出すタイミングも早すぎた。だが引っ張ったところで火野のスタミナを奪うにも不十分過ぎる。

結局、力にとっては試練の勝負になったわけだが、自分に今足りないものが何かはみえてきたかもしれない。いつか大きな壁を前にしてもこえられるだけのパワーをもってまた向かっていってほしい。

◇6人タッグマッチ

〇竹田誠志&正岡大介&塚本拓海 vs カズハヤシ&×進祐哉&吉岡世起

解説の殿曰く「団体の垣根をこえた」タッグマッチ。団体はシャッフルされていたけど、どちらかといえばデスマッチよりのチームと、どちらかというとプロレスマスターテイストのチームにわかれてはいた。

私としては、レスリングもできる竹田組の普通のプロレスより、普段デスマッチやハードコアとは無縁なカズのチームにデスマッチ寄りの試合を期待した いところなんだけど、W-1はそういうの、飲まないだろうしなあ。

まあ、メインでデスマッチもしくはハードコアをやることは決定済みだったんで、セミまでデスマッチにできない事情もあったのはやむをえまい。

しかし、さすがにこのメンツがそろっただけあって、つまらない試合になるはずもない。中でも地元出身の吉岡の動きはなかなかのもの。軽量級でなければ間違いなくW-1の屋台骨を背負うスターになれたんだろうけどなあ。

実際、W-1は全日から離脱したころとは別団体になっているので、正直今のW-1を見たいかどうかといわれるとかなり微妙なのだが、イケメンの人気と吉岡だけだと正直全国区の団体としては、きついといわざるをえない。かといってプロレスリングノアみたいに方向性のない補強を繰り返したあげく、ジュニアだらけの団体になってしまうのもどうかと思うし、ここは地道に若い世代を育てていくしかないかなあと思う。

正直これだけできる選手がいるんだから、大化けする可能性がないわけではないだろうけど、現状は厳しいだろうなあ。試合も結局竹田がめちゃくちゃ目立っていたし、デスマッチチームの勢いの良さだけが傑出していた。それで冒頭の「デスマッチ」発言につながっていくのだけど、そのくらいなんでもやっていかないとW-1の未来はないんじゃないだろうかなあ。

竹田を目立たせるだけではなく、自分が竹田を食うくらいで行かないと、デスマッチ以前にプロレスができる人間には勝てっこないんじゃないだろうか?

◇TLCハードコアマッチ時間無制限一本勝負
葛西純&×吹本賢児 vs 宮本裕向&○木高イサミ

TLCとはテーブル・ラダー・チェアーを使った試合形式で、通称ハードコアスタイルという。デスマッチは簡単に言うとこれら以外のアイテムも使われる。

木高イサミと宮本裕向のヤンキー二丁拳銃対葛西純率いるUNCHAINというカードは、関東では結構組まれているらしいのだが、九州ではまずお目にかかれないレアカード。それをメインに据えたというだけでも、この大会はやった意味があると思うのだけど、問題は試合形式。結局デスマッチではなく、ハードコアになった。このあたりがどう作用するか?デスマッチのカリスマ・葛西は、一見するとハードコアもお手の物という感じがするけど、実際はデスマッチを深く愛しているがゆえに、そのこだわりも人一倍ある選手。

したがって、ハードコアは葛西にとってデスマッチとは「似て非なる」スタイルなのだ。そのこだわりは序盤に宮本をテーブル葬にし、そのテーブルの破片で追い討ちをかけたシーンに如実に表れていた。それはイスにおいても然り。

要するにTLCのうち、テーブルとイスは壊れても使える。しかし、ラダーだけはデスマッチのなかではあまり見かけない。私はデスマッチとハードコアの境目にあるアイテムがラダーだと思っている。

ラダーの「見せ場」は様々だが、やはり高所での攻防が一番お客さんが沸く。そうなると、TLCの中で唯一「壊れては困るアイテム」として扱われる。実際この日も選手がラダーに登るとセコンドが支えに出ていた。受け身をとるために作られたプロレスのマットは、他の格闘技と違い、ラダーの足場には向かない作りになっている。

そして、ラダーが仮に壊れていた場合、選手の命の危険にも直結する。もちろん選手がわざわざ死ぬためだけに試合形式を選んでいないことは明白なんだが、それでもより死に向かいやすいスタイルは、ハードコアだと私は思うのだ。

それは痛める箇所が皮膚かそれ以外かという点でも異なる。裂傷や流血はデスマッチの花ともいえるが、TLCでの怪我はみえないものが多い。みえないということは、お客さんにも伝わりにくい。そういう意味では、ダメージがでかい割には伝わらない損なスタイルでもある。

ヤンキー二丁拳銃のスタイルは「手段を選ばず、今日を精一杯やって明日死んでもいい」スタイル。かたや葛西や吹本は「守るべきもののために生き抜く」闘い。どちらが優れているとか、素晴らしいとか言う問題ではない。

どちらも素晴らしいから譲れない。そういう問題だと私は考える。

この日はたまたまヤンキー二丁拳銃の思いが強かっただけにすぎない。もちろんイサミにも宮本にも、デスマッチに対する己の矜持があるはず。しかし、長年デスマッチ一筋でメシ食って生きぬいてきた葛西の生命力とこだわりは伊達ではない。

「次はデスマッチで勝負だ!」といった葛西の眼は決して死んでなかった。もちろん再戦はヤンキー二丁拳銃も望むところ。

かくして勝ったヤンキー二丁拳銃が締めようとしたが、なぜかいきなり殿に締めを放り投げた(笑)宮本を小突きながら、リングインした殿は全員を集めて集合写真を撮ることに。気配りの人らしく、四方に全員が向きを変えるサービスぶり。観客的にはありがたいのだが、このあと15時から九州プロレスが控えているのに(笑)この時点でかなり時間が推していた。

大会が終わり、九州プロレス開始まで一旦外に出るように言われたので、そのまま家路に着いた。

大会に関しては音響の不備や、テーマ曲、司会進行の不慣れ、アナウンスの徹底など課題は山積み。それでも今回こういう形で熊本をプロレスで元気にしたい、という思いはたしかに伝わった。

来年があるならまた来たいと思う。皆さんおつかれさまでした!

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