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[プロレス観戦記] 追悼イベント林 祥弘選手 1周忌追悼イベントGAMSHARA with S62~届け!俺たちの想い!!~

2017/09/17

林 祥弘選手 1周忌追悼イベントGAMSHARA with S62~届け!俺たちの想い!!~

一年半ぶりのココランド。正直トンネルくぐらないで済む分、北九州にいくよりはストレスがかからない。所要時間は自宅から片道約1時間弱。

林祥弘とは「いつかがむしゃらプロレスの宇部大会をやりたいね」という話をよくしていた。その時は与太話に近い話題で、場所もココランドではなく、俵田翁記念館や宇部市民球場を想定していたので、現実的な話は一切していなかった。でもその与太話がすごく楽しかった。

今思い起こすと、なぜか林祥弘とはできもしないスケールの話をしてはやたら盛り上がっていたような記憶がある。

最近思い出すのは、「行橋と宇部をトンネルで繋いでしまおう」という話。山口県とは隣県なのに、福岡県経由でないと行けない大分県、あるいは行橋方面へ車で行けるという事って、ある意味山口県民のプチ願望?でもある。とはいえこの話は大概「関門トンネルほど(宇部~行橋間に)需要ないよね」という感じで終わっていた記憶がある。

一周忌のこの時期に、なぜか真面目な話より与太話が思い出されるのは不思議な気もするが、どれも真剣に話していた。つまり宇部大会もトンネルの話も、私にとっては真剣な夢だったのだ。その夢の一つがこの日叶う。本当はうれしいはずだが、内心複雑だった。

オープニングアクトは九州、竹ちゃんマン(おそらく初代)に久々登場のブラック☆スティックがつとめた。宇部を勉強してきたという九州は、藤田ミノルから教わったとおりに「サンパーク!」と絶叫。しかしサンパークは宇部ではなく、藤田ミノルの地元・山陽小野田にあるため、ブーイングあびるはめに。

さらに、運営の挨拶を遮って登場したドン・タッカーが一夜限りのgWo復帰?さらには林と同期の二夜・レイ・タクマも久々に登場。

早田さんらS62のメンバーもリングインし、さらには林祥弘の愛娘ルカさんも登場。gWo全員で大会をスタ―トさせた。

▼オープニング6人タッグマッチ(30分1本勝負)

①×パンチくん & ダイナマイト九州 & モミチャンチン vs 竹ちゃんマン & ダイナマイト・カドワキ & ○ドラゴンウォリアー
(15分15秒)

脳震盪からのリハビリを経て、この日が復帰戦となるモミチャンチン。とはいえ、すっかりおなじみになったキャラクターである。モミチャンチンには、しばらくぶりとは思えないくらいの声援が起こっていた。むしろ事実上の復帰戦になったはずの竹ちゃんマンのコンディションのほうが心配だったが、ドラゴンウォリアーの好フォローと、要所要所をきちんとしめてみせる試合巧者のカドワキががっちりサポートしていた。特にカドワキはドラゴンもうまくコントロールして、いいところを引き出してもいた。このあたりは井上同盟として長く活躍してきたキャリアの賜物でもある。

どうにかして敵陣の穴をあけたい九州とパンチくんも、相手が相手だけになかなか隙を見いだせない。がむしゃらの中だけだと何をしでかすかわからないこのコンビも、カドワキが相手だとそうはいかないというのがなかなか面白い。というか松江だんだんプロレスは、スミスや九州・パンチくんのような変化を得意とする選手を、一切苦手にしていない節がある。スミス相手に勝ちをおさめたALLマイティ井上しかり、マツエデラックスしかり。

林祥弘が願っていたことのひとつでもある社会人による団体対抗戦は、こういう副産物ももたらしていたのだ。ある種感慨深いものがあった試合だった。

▼夢・勝ちます!!シングルマッチ(30分1本勝負)
②×美原 輔 vs ○マツエデラックス
(8分14秒)

がむしゃらプロレス選手全体にいえることだけど、真っ向勝負のプロレスは大の得意だが、変化球主体で来られると、とたんにもろくなる傾向がみられる。師匠・阿蘇山は真っ向勝負で自身の巨体を生かせるから、真っ向勝負をやっても絵になるのだが、残念ながら阿蘇山の弟子たちは師匠ほど体格に恵まれているわけではない。そこで変化球勝負を仕掛けると結構有効だったりするのだが、それを実践しているのは、スミス・九州・パンチくんの3人しかいない。だからスミスが長期政権を築いたり、九州・パンチくんにベルトをとられたりする。

自身の体の特徴を生かした戦い方をしていかないと、特に体格差がある相手には非常に不利になる。おまけにスミスを破ったことでわかるようにマツエデラックスは変化球使いも一切苦にしていない。

にも関わらず、美原は真っ向勝負しか挑まなかった。時にはぶつかり合い、時にはいなし、あるいは関節技地獄でスタミナを奪ったり、と様々な手でからめとってきたマツエデラックスと比較するとあまりに無策だったとしかいいようがない。今はイキのよさが買われて、チャンスをもらえているが、このままでは美原のシングル初勝利は、夢幻で終わってしまうだろう。「勝ちます」というからには、観客に具体策を示す必要がある。

少しでもそれが見えたら印象も変わったと思う。とはいえ、今回の大会の主役である林祥弘も新人時代からさんざんチャンスをもらいながら、なかなか進化しないタイプの選手だった。だから、私もここで美原を見捨てることはしない。彼にはまだ大化けするだけの眠っている才能があると思えるからだ。それはたぶんマツエデラックスも信じているのではないだろうか?そんな印象を受けた試合だった。

▼LCR vs GWO対抗戦6人タッグマッチ(30分1本勝負)
③Barong & ×Barong-payang & C4 vs ○BIG-T & 影狼 & グレートカグラ
(11分48秒)

なかなか開花しない才能という点ではタシロショウスケ改めBIG Tも美原と似ている。ただ美原とBIG Tとでは大きく違う。まず、Tは休火山である時間が長すぎる。本物の火山は爆発すると自然災害になってしまうけど、人間が休火山に例えられるとあまりいいイメージはない。むしろプロレス界では、爆発しない火山はただのでくのぼう扱いにされてしまう。

やっと本人も自身の変化の必要性を感じて、gWo入りしたはずなんだが、私は彼がgWoの旗をもって入場してくるシーンに何か既視感を感じるなあと思ってみていた。そう、BIG Tって以前BALLET CLUBの旗振りとしてしゅっちゅう登場していながら、いつの間にかプロレスリングノアに「島流し」になっていたコーディ・ホールの姿にかぶってみえたのだ。

ただ、コーディはなんだかんだ言ってもあのスコット・ホールの息子でもあるし、いざというときはサラブレッドのDNAがモノをいうことがあるのかもしれない(あまりに親父のの才能に頼りすぎていて、本人が全く努力していない感じしかしないが…)。しかしタシロ・・・いや、BIG TにはそのDNAもない。

となると、今回のように影狼やカグラがおぜん立てしてくれた勝利に甘んじることなく、さらなる努力が必要になってくるだろう。試合中目立っていたのはやっぱりカグラや影狼ばかりだったことは、はっきり書いておかないといけない、と私は思う。

林との生前最後の試合で壮絶なチョップ合戦を披露したタシロは確かに爆発しかけていた。そういう意味ではまだ死火山にはなっていない。だからこそgWoもTを受け入れたのだと思う。そのことをTには肝に銘じておいてほしい。くれぐれも変わったのが「名前だけ」ということにならないように。それが天からTを見ている林祥弘へのたむけになるだろうから。

▼スペシャル男女ミクスドタッグマッチ(30分1本勝負)
④泰里 & ×つぼ原人 vs ○ハイビスカスみぃ & がばいじぃちゃん
(12分53秒)

Twitterで「敵ながら忠告しておく。じじいには気をつけろ」と泰里に警告していたみぃ。まあ、みぃは九州プロレス以前から何かと縁があるじいちゃんのことは知り尽くしているので、この言葉は単なる脅しとは考えにくい。

見方を変えるとREINAではあたることがまずないつぼ原人やらじいちゃんやらが跋扈するリングの厳しさを、先輩としてみぃが泰里に教えたともとれる。

いつもだと好き放題に暴れることが多いつぼ原人が今回は妙に一歩下がった感じで試合をしていたのが興味深かった。パートナーが泰里で、対角線にみぃとじいちゃんがいるということで、彼なりに計算した結果かも知れない。そしていつもなら早めにスタイルチェンジするじいちゃんが妙にためていたのも面白かった。

泰里にしてみたらいい勉強になったのではないかと思う。もともと同じREINAの真琴の代打という形ではあったが、めったにない地方大会でのプロレスは、きっと彼女にとって大きな財産になったと思う。

▼NASTY vs LCR対抗戦6人タッグマッチ(30分1本勝負)
⑤上原 智也 & 久保 希望 & ○杉浦 透 vs ×TOSSHI & KENTA & 鉄生
(9分12秒)

春のタッグトーナメントで一躍強い印象を焼き付けたGOLDEN EGGSの上原。今回は相方のジェリーKとは別ユニットで、春先に因縁ができたLCRとの対戦となった。実をいうと林がらみでいうとLCRも因縁浅からぬ間柄がある。特に今回NASTYの親方・野本一輝がいないので、現役を続けている同期はKENTAひとりということになる。そういう意味では思うところもたくさんあったはず。

しかしLCRはあえていつも通りの試合を心がけていたように私には見えた。唯一KENTAや鉄生の感情が見え隠れしたのは、やはり上原とのからみで、これはお互いが意識しあってのものだろう。結果的にしんみりした形ではなく、現在進行形の熱いぶつかり合いになった。この結果には林も喜んだことだろうと私は思う。

勢いと人気では他のユニットをはるかにリードするLCRだが、ユニット結成後はじめて合流が叶った杉浦と久保が八面六臂の大活躍を見せて上原をフォロー。負けじと上原も本来以上の力を発揮してナスティの勝利に貢献した。試合が始まる前、上原と杉浦は「本当にナスティでいいの?」という感じがしていたけど、終わってみたらこれ以上ない組み合わせだった。寄せ集めのようでいて、いざとなると強みを発揮するという意味では、ナスティが、LCRの足下を救いかねないという現実を知らしめた一戦だった。

▼届け!思いの詰まった6人タッグマッチ(30分1本勝負)
⑥尾原 毅 & ○SMITH & 阿蘇山 vs ×早田 義治 & ハチミツ二郎 & 藤田ミノル
(18分13秒) ※開始4秒にてハチミツ二郎敗れるも再戦

ハチミツが開始早々破れるのは、もはやお約束だが、追悼の意味合いがあっても、きっちり貫いたのは、賞賛に値する。

ここでポイントになるのは、ドリームチューバー入りしたSMITHである。対角線上に本職がお笑いで、しかもルチャドールのプロライセンスをもつハチミツがいる以上、いつものようなファイトスタイルだと丸被りしてしまう上に、ハチミツに食われかねない。

そこで目ざといSMITHが目をつけたターゲットこそ早田さん、いや、早田義治である。トレーニングを積んでリングに上がっているとはいえ、完成されたプロレスラーではない。しかし、そんな早田をプロレスラーの「先輩」として、厳しい愛の鞭をうつ役というのを、SMITHが自ら買って出たわけだ。

さらには、藤田ミノルが「おまえ、日本人だろ!」という身もふたもないツッコミには、頑なに「アメリカ人だ」と日本語で言い張って会場を沸かせる。このあたりはいつもどおりのSMITHである。

ぶっちゃけ、厳しい愛の鞭は指導者である阿蘇山が放つなら、うってつけなはずだし、実際重量級の技のほとんどは、阿蘇山先生自らが早田に叩きこんでいたのもら事実。ではなぜ阿蘇山とSMITHの「愛の鞭」がかぶらなかったか、というと、一重にSMITHが阿蘇山のような真っ向ファイトをしないタイプだから、である。

普段から省エネファイトでは定評のあるSMITHが相手を悪役として叩きつぶしにくることなく、コミカルかつ厳しい試合にしたのは正解だと思う。

後半、足取りもおぼつかない早田の頑張りもそれによって生きたし、とりわけ攻撃面ではある意味手加減知らずな阿蘇山と尾原の攻撃も生きた。

特に林祥弘とは因縁浅からぬ尾原毅の攻撃にはいつにも増して魂が込められていたように感じた。SMITHが自由に暴れまわっていた背景に尾原毅の存在があるのは間違いないと私は思っている。

やはり、SMITHは侮れないエンターテイナーであり、この試合をプロや先輩が素人を叩き潰すだけの図式にさせなかった影の立役者でもある。

特筆すべきは、誰も林祥弘の技を使わず、普段着のプロレスで勝負していたこと。もちろん水平チョップなどの基本的なムーブは見られたが、これは例外と考えてよいだろう。

この試合で、早田義治が頑張るのは当たり前。それだけでない側面が見られるからプロレスは奥深い。そんなSMITHに散々辛酸を舐めさせらた林祥弘もこの試合を見ていてきっと苦笑いしていたに違いない、と私は思っている。

▼スペシャル6人タッグマッチ(30分1本勝負)
⑦×トゥルエノ・ゲレーロ & ALLマイティ井上 & 佐々木 貴 vs ○ジェリーK & 陽樹 & 竹田 誠志
(12分17秒)

葛西純の負傷欠場に伴い、大日のBJWデスマッチヘビー級王者になったばかりの、竹田誠志が緊急参戦。ひとつ前のカードに触発されたわけでもないだろうが、この試合も現在進行形の熱いカードになっていた。

とにかく誰が誰と絡んでも刺激的な組み合わせになる。驚くべきは普段プロとはあまり絡んでいないだろうと思われるジェリーKが、このメンツに埋没することなく生き生きとして闘っていたこと。

もちろん現在進行形のターゲットでもあるゲレーロはもとより、井上、殿と絡んでも一切臆するところがない。ある意味、この試合の立役者といってもいい。そして何よりプロレスの激しさ、すごさ、面白さを徹底的に詰め込んだ内容になっていた。

陽樹と井上の重量級バトルに、ジェリーKとゲレーロとの意地の張り合いもよかったけど、そこにアクセントとしてマネージャー・大向美智子が絡んでくると、また一味違った展開になる。本当に目まぐるしく動き回る展開になった試合は、春先同様、ジェリーKがジュニア王者ゲレーロから直接フォール勝ち!

タッグとはいえ、まさかの2連敗という状況下で、堂々と王座に挑戦表明したジェリーKに対して、ゲレーロも挑戦を受諾。「このベルトは他団体に流出していないんだよ!」とフラグっぽいことをいってしまったのが気にはなるけど、YASUがタッグ戦線に行ってしまった以上、この挑戦はわたりに舟だろう。

しかし、よりによって外敵の中でも1・2を争う強豪を迎え撃つ展開になったことで、10月1日は波乱の予感もしてきた。さて、10月1日。最後に笑うのは林が密かに意識していたジェリーKか?王者としての意地を見せつけたいゲレーロか?

▼GWA無差別級タッグ選手権(45分1本勝負)
⑧〈挑戦者〉○YASU & 土屋クレイジー vs MIKIHISA & ×豪右衛門〈王者〉
※YASU & 土屋クレイジー組は第11代王者

禅譲されたとはいえ、ここまで確固たる防衛ロードを重ねてきた現王者に対し、並みいる強豪を押しのけて勝ち上がってきた山口県タッグ。しかも現王者にとって宇部はアウェイ。いくら豪右衛門とMIKIHISAに林との「魂のつながり」があったとしても、生まれ育ちは本人の資質ではどうにもならない問題である。

はからずも北九州対山口の対決になった攻防は、当初私が予想したようにスタミナ勝負の非常に厳しい試合になった。本当に松江にベルトが流出して以降、タッグ王座戦にほとんどはずれがないのは素晴らしいこと。一時は添え物扱いだったタッグのベルトがこうして復権したことは、がむしゃらにとっても大きな出来事だったと思うし、それゆえ、春のタッグの祭典もがむしゃらの新名物になりそうな予感さえしている。そう考えると林祥弘がもたらした功績はあまりにでかい。

その重さを重々知っているからこそ、あえてこの4人は厳しい試合に身を投じたと私は思っている。前半は現王者の試合運びにたびたび分断されていたYASUと土屋だが、流れを変える土屋の各種スクリュー技で、王者組の連携を寸断。

そこには驚異的なYASUの打たれ強さに絶大なる信頼をおいている土屋の心情が見て取れた。実際パワーでは豪右衛門は4人の中で抜きんでているし、MIKIHISAのキックだって決して生易しいものではない。でもそれを受け切って自ら逆転していくYASUと土屋の連携は春よりもさらに進化していた。所属団体こそちがえど、ここまでがむしゃらで闘ってきた土屋のひとかたならぬ思いがそこにあったと思う。

転機は終盤キックを得意とするMIKIHISAが膝をいため、場外に転落したところをすかさず土屋が追い打ちをかけるように、ダイビングボディプレスでフォロー。そこを小回りを利かせたYASUが豪右衛門を見事にダイビングフットスタンプ葬。これにて新王者YASU・土屋組が誕生した。

試合後、精魂尽き果てた両者は、ノーサイド。試合中は豪右衛門が思わず「うるせえ!」と大向美智子にけんか腰になっていたが、その大向が豪右衛門に肩をかすシーンも見られた。それぞれのマイクでは林への思いが込められていた。しかし、この試合も現在進行形の激闘だった。彼らが前をむいてくれて試合をしてくれたから、これほどの名勝負が生まれたのだと思う。当初10・1で行われる予定だったこの試合が宇部のメインで本当に良かった。

最後は早田さんが再びリングにあがって、締めのあいさつ。そして全軍団がノーサイドでリングインして大会は終了した。

正直追悼大会というのは、色んな団体で観戦してきているけれど、ここまで未来志向な追悼大会ははじめてみたかもしれない。悲しい別れだったけど、9.10でしっかり胸に刻まれた思いは決して風化することはないだろう。ありがとう、林祥弘!また逢う日まで…








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