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[プロレス観戦記] 全日本プロレス・2017 チャンピオン・カーニバル 優勝決定戦(17.4.30日:博多スターレーン)

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全日本プロレス・2017 チャンピオン・カーニバル 優勝決定戦観戦記(17.4.30日:博多スターレーン)[観衆] 875人(超満員)

博多スターレーンといえば、かつては全日本の西の聖地としてファンの記憶に刻まれた会場である。しかしながら、私の記憶が確かならば、その聖地でチャンピオンカーニバルの決勝が行われたことはない・・・はずである。

そんな聖地だが、最近は近場でプロレスを楽しめる環境が整ってきたせいか、私が殆ど足を運ばなくなって久しい。全日本のスターレーン大会自体2010年の武藤祭りが最後なので、実に7年ぶり。スターレーンでの観戦も昨年の夏以来だからほぼ一年ぶり。

すっかり博多とはご無沙汰の私が全日本のスターレーンに足を運びたいと思った理由の一つは、チャンカンの決勝がジョー対石川になったことが大きい。大型選手の石川修司が主戦場にしている大日本やDDTでは、彼の体格に見合う外国人選手は登場していない。そもそも日本に来日する外国人選手の行き先がほぼ新日本一択になっている現状では、石川が新日本にあがらない限りは、大型外国人選手との対戦は不可能に近い。

しかし、全日本愛を貫いて、脳腫瘍と闘いながら、全日本のリングに戻ってきたジョーならば、これ以上ない相手である。もともと全日本は大型外国人選手の宝庫でもあり、大型選手のぶつかり合いをみせることで、新日本とは対極の位置にいた団体である。

中に入るとなんと全面開放!いや武藤時代もやってはいたけど、おもいきったな、秋山社長!しかし、これくらいやらないとチャンカンらしくない!さすが今勢いにのるだけのことはある。

世界の巨人、ジャイアント馬場にみいだされ、馬場体制のもとでレスラー人生をスタートさせた秋山社長ならば、メインのカードが古き良き全日本のイメージを想起させるのに、これ以上適したものがないことは重々承知しているだろう、と私は思う。

日本人ではないけれど、全日本愛にあふれたジョーと、日本人だけど、外敵として決勝に進んだ石川。このねじれ具合が今の全日本を象徴しているようにも、私にはみえる。

さて、大型対決で春の本場所を制するのはどちらだろうか?

シングルマッチ 15分1本勝負
○ 青柳優馬
(7分03秒:フィッシャーマンスープレックスホールド)
× 岡田佑介

一月の小倉大会で一部に大人気となった、全日本の伝統を破壊する男、岡田。その破天荒な素顔と、新人らしからぬ舞台度胸で、先を行く先輩、青柳の牙城を崩せるかいなか。しかし勝ち負けはともかく、何かをやらかしそうな可能性を感じさせられる岡田からは目が離せない。

そんな岡田をみた全日本の追っ掛けらしき女性客が「日々成長している」と評していた。それは私も同感。カードも小倉と同じ青柳だったけど、確実に岡田は成長している。あのはっちゃけた素顔と、先輩に対してものまれない新人離れした心臓は、確かに魅力!

しかし、青柳もまた進化の途上にある選手。岡田も進化しているけど、青柳もまた進化している。その証拠に青柳の攻めが一月よりきびしいものになっていた。こういうフレッシュなファイトは新日本の十八番だったけど、秋山全日本は、今までの体制が苦手としていた人材育成に関して最も成功しているといっていいだろう。

いつか岡田にもテーマ曲がついて、紙テープがまう日が来るだろう。その日はそんなに遠くないかもしれないと思わせた試合だった。

シングルマッチ 20分1本勝負
○ 青木篤志(4分51秒:テキサスクローバーホールド)
× 新泉浩司

注目のシングル。全日本系列でありながら、Uスタイルも楽にこなすプロレス職人の青木と、四天王プロレスを崇拝し、今や華☆激を代表する選手でもある新泉。技巧と勢い、メジャーとインディ。対比する要素はいくつも思いつくが、噛み合えば全日本に新泉の名が刻める絶好の機会。全日本に定期的に呼ばれて全国区に新泉の名が轟けば、ファンとしても鼻が高い。

しかし、全日本の悪いところは、インディの選手にこれみよがしな態度で試合することで、これは青木の悪い癖でもある。金丸との違いはやはりそのあたりにある。この試合も4分足らずで、新泉に付き合うことなく、そっけない形で幕を閉じた。メジャー対インディという形でいうなら、メジャーの力を誇示したかったのかもしれないが、お客さんが求めているのは、メジャーがインディの選手を成敗する図ではない。第2試合という立ち位置を考慮したにしてもあまりに、つれない試合だった。

逆に言えば、新泉にはまだまだ伸び代もあるあるわけで、この日のくやしさを忘れずにいつの日かリベンジしてほしい。

タッグマッチ 30分1本勝負
○ 中島洋平& 岩本煌史(10分05秒:跳後廻蹴→片エビ固め)
ウルティモ・ドラゴン&× KING

ジュニアリーグを制した岩本と中島のライバルコンビも魅力的だが、何かと華☆激にも縁があるウルティモ校長が、華☆激随一のヘビー級選手、KINGをどう操縦するか?ファイトスタイルは異なるが、KINGにとっても大チャンスになりうるマッチメイク。

よそではあまり聞かないという中島のテーマ曲を今年に入って二回もきいている私は一体ついているのか、いないのか?一月はTMネットワーク対ベイビーメタルだったけど、今回はベイビーメタル対ルイス・ミゲル!異次元対決だよなあ。

見所はやはり闘龍門卒業生の中島と校長の絡み。校長相手には遠慮しつつ、ウルティモムーブに付き合っている中島が見られたのは収穫。しかし、中島にも悪い癖があって、インディから昇格したのにメジャープロレスをしようとするところ。青木はまだしも中島がそれをやると感じが悪い。

それでも校長のリードで中盤まではいい形でKINGも試合に絡んでいたが、フィニッシュも比較的そっけない勝ち方。秋山社長が積極的にインディと絡んでいるのに、妙なプライドでゲスト選手潰すやり方はあまり好きになれない。このあたりはまだ秋山全日本にも改良の余地はあると思う。

タッグマッチ 30分1本勝負
○ 秋山準&橋本大地(9分16秒:リストクラッチ式エクスプロイダー
→片エビ固め)
諏訪魔&× 佐藤光留

破壊王子が流れ流れて秋山とタッグを組むのは実に感慨深い。かつて大地が所属し、故・橋本真也がおこしたゼロワン旗揚げで、橋本真也に三沢と共に対峙したのが、他ならね秋山準である。時を経て、破壊王の息子と同じコーナーに立つ日が来ようとは!つくづくプロレスというのは面白い!

一方そんなノスタルジーをふき飛ばさんとする、秋山全日本の「今」を象徴する諏訪魔とひかるんは、あくまで今の全日本を叩き込んでくるものと思われる。エボリューションが再び全日本の中心にもっていくことこそ、彼らの最大の目標。全日本の日本人選手が決勝にのこれなかった事実を踏まえれば、当然のことなのだ。

試合はやはりチャンカン決勝に進めなかったフラストレーションをぶつけまくる諏訪魔の暴走ファイトに、秋山がうまくいなす形で進んでいった。また、ひかるんのテクニカルな動きに対して大地が飲まれずに対処できていたことは特筆したい。ゼロワンより水が合うであろう大日に所属したことで、親父のイメージに潰されずのびのび闘っている大地は実に気持ちよさそうにみえた。

やはりこうしてみると秋山は実に懐の深いプロレスをみせる。ゲスト選手を潰すことなく、良さを引き出して、なおかつ勝てるというあたり、まだまだ隠居するには早すぎる!確かに社長業は激務だろうけど、秋山にはまだまだ第一線で活躍してほしい。

2017 チャンピオン・カーニバル スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
大森隆男&× ボディガー(10分15秒:バックドロップ
→片エビ固め)
○ ジェイク・リー&野村直矢

スペシャルというほどスペシャル感がないカード。それはひとえに大森がチャンカンの主役から脱落したことにつきる。ベテランとはいえ、馬場全日本のおとし子である大森が、チャンカンの中心からはずれていることに、私は寂しさを感じずにはいられない。

しかし、時代はうつりかわるもの。新しい全日本の歴史を刻む使命があるジェイクや野村にしてみたら、むしろこれ以上に大森を過去の人にしてしまいたいのではないか?と私は想像している。

そこで年齢はベテランながらプロレスのキャリアは浅いボディガーが大森サイドにいることにも注目したい。まだまだ老け込むわけにはいかないボディガーにしてみたら、若い野村やジェイクは年下だけどれっきとしたライバルでもある。大森と一緒に過去の遺物になるわけにはいかないのだ。

さてこの試合の印象を一言でいえば、若さは勢いにのせると怖いということ。老獪さとパワーなら、大森・ボディガーに分があるけれど、厳しいチャンカンをくぐり抜けたジェイクと野村はこちらの予想を裏切るくらいの急成長をみせていた。

正直そうは言っても最後は大森が勝つんじゃないかとわたしは思っていただけに、まさかジェイクがボディガーからピンをとるとは思わなんだ。やはり秋山全日本の新しさは若さであり、しかも皆がデカくて勢いがあるということ。こういう経験を重ねていけるのは、野村にしろジェイクにしろそのキャリア形成にとって大変貴重な体験になったと思う。

2017 チャンピオン・カーニバル スペシャル6人タッグマッチ 60分1本勝負
○ 宮原健斗&関本大介&真霜拳號(25分20秒:シャットダウン・
スープレックス・ホールド)
× ゼウス&崔 領ニ&KAI

全日本のオールスターというよりインディオールスターみたいな顔ぶれなんだけど、現状これがセミにくるのが今の秋山体制の限界でもある。未だに宮原が全日本の顔であるという意識を私はどうも持てないでいるのだが、それでも現在の三冠チャンピオンは宮原健斗であることは事実。

であれば、頼もしくもあり、同時にライバルでもある関本や真霜に差をつけて、対角線上のゼウスらにも力を見せつける必要がある。ましてや武藤全日の落とし子であり、全日本に三冠という「忘れ物」をとりにきたというKAIにでかい顔はさせられまい。四面楚歌の三冠王者、宮原がどれだけ存在感を残せるだろうか?

試合開始前から同じコーナーにいながら、関本・真霜を必要以上にライバル視して、先発を買って出た宮原。しかし、勢い余ってコーナーに肩を直撃してからの、場外戦でぴたりと勢いが止まってしまった。関本や真霜が大人の対応でフォローに入るものの、中盤までは三冠王者の劣勢がつづいた。

かたや、ゼウスを中心に比較的まとまっている敵陣はKAIがイキイキしているし、崔も動きが軽い。青息吐息な上に、連携が全くない宮原組は度々ピンチにおちいる。しかし、真霜と関本の大人なコンビネーションで活路を開いた宮原組は三冠王者にゼウス退治を任せた。

ここで折れないのは、いまの宮原の成長した部分である。曲がりなりにも現役の世界タッグ王者相手に三冠王者が苦杯をなめるわけにはいかない。かなりギリギリだけど、最後は自力で宮原がゼウスをビンフォール。意地をみせた。

2017 チャンピオン・カーニバル 優勝決定戦 時間無制限1本勝負
Aブロック1位 × ジョー・ドーリング(15分13秒:ファイアーサンダー
→体固め)
Bブロック1位 ○ 石川修司(石川が初出場・初優勝)

デカくて強い選手ががっちりぶつかり合う。それが古き良き全日本プロレスである。温故知新というならば、このカードこそ決勝に相応しい。正直これが宮原や諏訪魔が勝ち上がっていたら、私は博多行きを取りやめただろう。そのくらい私にとっては重要で意味のあるカード、それがジョー・ドーリング対石川修司なのだ。

博多の地ではハンセン対ベイダーの規格外対決があったり、馬場・アンドレ組の結成が見られたり、何かと巨漢の闘いには縁が深い。ましてや日米ともに選手が小型化している昨今、ジョーと石川が覇権をかけて闘う意義はとても大きい。

テクニカルな面では石川がリードし、パワーではジョーに分があるぶつかり合いは、まさに怪獣プロレス!往年の全日本プロレスが蘇った瞬間だった。特に場外戦では諏訪魔譲り?のジョーが暴走ファイトで石川を窮地に追い込んでいく。あまりに暴れっぷりがすぎて和田京平レフェリーがリング下まで降りて注意するくらい、この日のジョーは久々にリミッターを外したファイトを仕掛けてきた。

ここまで体格の面で石川が追い込まれるシーンをわたしは見たことがない。それくらいジョーの攻めは厳しいものばかりだった。あの石川修司がここまで苦悶の表情を浮かべた試合は、正直記憶にない。

だから、リングに戻っても劣勢がつづいた石川が意地で繰り出したファイヤーサンダーは、多分本能的なものだったんだろう。落差のついた落ち方でジョーの動きを止めきった石川が覆いかぶさるように、固めるとカウント3!

会場から「石川、インディの意地みせろ!」という声が飛んでいたくらい、思った以上にジョーびいきにならなかった声援が、結果的に石川の底力を引き出したのかもしれない。日米怪獣対決の名に恥じない壮絶な死闘だった。こういう試合を観ちゃうとやはりプロレスは素晴らしいと痛感させられるし、同時にプロレスファンでいてよかったと心から思えるのだ。

終わってみれば今の秋山全日本の勢いを見せつけるかのような、スターレーンフルスペースでの満員!メインのど迫力バトルが作り出した熱狂ぶりは、かつて四天王が数々の激闘を展開したあの頃の全日本にもひけをとらないものだった。

ただ、二点だけ残念だったのは、秋山体制からパンフサインOKになったのに、サインを渋った選手が一名いたことと、メインの途中でイスを投げた酔客にたいして、セコンドが毅然とした態度で望まなかったこと。

特に酔客は迷惑行為を繰り返していたので、事前につまみ出しておけば、イス投げには至らなかったかもしれない。あれが別なお客さんに当たっていたら、と想像するだけでゾッとする。

帰り際、階段が混んでいたので、よくみたらゼウスと秋山が一人一人のお客さんに握手して「ありがとうございます」と送り出していた。かつて、馬場全日本ですらみられなかった光景である。社長自らが率先して行動するあたりも、非常に好感度が高い。

それだけに、築き上げた信用があっと言う間に崩れ去ることだけはないよう願いたいものである。しかし、改善ポイントがあるにせよ、大会自体の満足度はとても高かった。やはりプロレスは素晴らしい!












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