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[プロレス観戦記] がむしゃらプロレス小倉けいりん杯『1Dayタッグトーナメント』〜新星超魂 〜観戦記(2017年4月23日 日・門司赤煉瓦プレイス)

2017/04/26

[プロレス観戦記] がむしゃらプロレス小倉けいりん杯『1Dayタッグトーナメント』〜新星超魂 〜観戦記(2017年4月23日 日・門司赤煉瓦プレイス)

事前にラジオにお招きいただいて、優勝予想をさせていただいたのだが、こんなに難しい予想はかつてなかった。理由は…

①実力が伯仲しすぎて、飛び抜けたチームがいない
②がむしゃらプロレスに代々伝わる強いシングル志向
③がむしゃらに本格的なタッグ屋がいない
④他団体枠が未知数すぎる

と私は考えている。

①は、がむしゃらプロレスの各選手シングルプレイヤーとしては実績も申し分ないが、タッグとなるとどのチームも心許ない。2人だけでタッグ組んだ経験があるのは、陽樹とゲレーロくらいで、あとはほぼ、ぶっつけ本番で当日を迎えるのだ。読み辛いことこの上ない。

それに輪をかけているのが②の理由。今までもがむしゃらプロレスにタッグ屋がいなかったわけではない。しかし、なぜか歴代王者は皆シングル志向が強く、結局空中分解してきた歴史がある。その発端はLOC時代のマスクドPTが、自ら保持していたタッグのベルトをジェロニモに譲渡してしまったことにいきつく。この「PTの呪い」が、巡り巡ってタッグベルトの価値まで下げたと断じるのは、PTに悪いかもしれない。

しかし、松江だんだんプロレスのマツエデラックスと、ミステリコ・ヤマトが他団体のベルトにも関わらず、タイトルに敬意を払ってベルトを大事にしてくれたおかげで、タッグタイトルは価値をあげられた。一時期は奪回困難とさえ思われたタッグベルトをめぐる攻防は、GWAタッグタイトル戦の価値を、ついにはメインを張る位置まで高めた。シングルのタイトルマッチを差し置いての快挙は、リング上で勝手に譲渡された軽い扱いからしたら隔世の感がある。

そこへきてのタッグトーナメント開催は、がむしゃらプロレスに新しいタッグの歴史を刻むのにこれ以上ふさわしい舞台はないと言っていいだろう。しかも他団体から名うてのタッグ屋を招いて行われるのだから、この試練を超えた先に観たこともないような闘い模様が見られるかもしれないと、想像するだけでワクワクが止まらない。

ましてや、初物のOPG・ゴールデンエッグスも含め、久々結成となる井上同盟、全く情報がない ロッホ・メンティラズなど、未知すぎる強豪も多いと来ている。

予想では山口県民として同郷の土屋、YASU組を推したが、混戦は必至!さて第一回目のトーナメントを制するのはどのチームだろうか?

▼1DayタッグトーナメントAブロック1回戦 第1試合(30分1本勝負)
①○ダイナマイト☆カドワキ & ALLマイティ井上 vs ミゲル・パンチョス・Jr. & ×エル・ヌエベ・エスタドス
(8分50秒)

久々タッグ結成の井上同盟と、全く情報のないロッホ。下馬評でその正体は「もとタッグチャンピオンではないのか?」あるいは「つい最近メキシコにいったあの大物選手か?」などと様々な憶測が飛び交っていた。しかし井上同盟は落としたとはいえ、もと向こうのタッグチャンピオンでもあるし、なによりタッグ屋としてもシングルプレイヤーとしても傑出した才能と実績を持っている。なめてかかって勝てる相手ではないことだけは誰でもわかるだろう。対戦相手が未知すぎて優勝候補に挙がらなかったものの、井上同盟の優勝という目はかなり現実味のある話である。

ところが出てきたロッホは、どこかでみた2人!日本語混じりのスペイン語がかなり怪しいわ、どこかでみたムーブを披露するわ、とってつけたようなフライングクロスチョップを繰り出すわ、とやりたい放題。しかし、そんな自由に闘うロッホに振り回されない井上同盟は、あくまでマイペースを貫く。

結果としては危なげなく、井上同盟が二回戦進出。ロッホも奇策を弄したが、やはり通用しなかったという結果になった。タッグ屋として長い歴史を誇った井上同盟の力量を大いに見せられた試合だった。

▼1DayタッグトーナメントBブロック1回戦 第1試合(30分1本勝負)
②ジャンボ原 & ×SMITH vs KENTA & ○鉄生
(10分32秒)

かつてともに同じチームに在籍しタッグ王者にもなったジャンケンコンビが、お互いヒールターンして初めてがっつり絡む試合。鉄生はSMITHからフォール歴があるものの、KENTAはベビー時代に苦杯をなめている。LCRにあるのは人気と勢いと同級生コンビの絆だが、実はSMITHの後を追うジャンボとSMITHのつながりもあなどれない。LCRの人気を奪うためにはなんだってしそうなSMITHの動向は実に不気味である。でも人気過剰で制御不能になりかかっているLCRはここでSMITHを叩いて、ヒールらしさをアピールするのと同時に、SMITHに二度とタイトル戦線に絡ませないくらいの強い気持ちで挑んでもらいたい。そのくらいのことをしないと、策士SMITHにあっという間に存在自体を消されかねないからだ。

LCRは知恵ものであるスミスの裏をかいてきた。まずリングインする前のスミス、ジャンボを急襲。ジャンボの竹刀を奪うと、スミスを滅多打ち。返す刀で、セコンドのBarongを使ってジャンボをコーナーポストに鎖で括り付け、錠前で脱出不能にして、錠前の鍵を隠すという頭脳プレイに出た。

これによって我を失ったスミスは、いつもの策士ぶりもなりを潜め、ひたすらローンバトルに陥ってしまう。何から何までLCRの手の内にある試合展開を、観客の大「鉄生」「KENTA」コールが後押しする。長年がむしゃらプロレスの象徴として人気、実力ともに常に中心にいたスミス政権の没落というのは、私もショックだったが、スミスを相手にしてでもなお、衰えないLCR人気は、LCR自身にとっても最早制御不能になり始めているのが、気の毒ですらあった。

声援に抗うように必死で悪いことをしているLCRの対戦相手は、gWoだけでなく、観客全てもそうなのだから、始末に負えない。試合そのものはLCRの完勝なのだが、私の目には鉄生、KENTAの表情は冴えているようには見えなかった。

▼1DayタッグトーナメントBブロック1回戦 第2試合(30分1本勝負)
③○ジェリーK & 上原智也 vs ×トゥルエノ・ゲレーロ & 陽樹
(9分52秒)

設立29年を誇る老舗社会人団体OPG。初登場のゴールデンエッグスのジェリーKと上原智也は公私ともに仲のいいまさにタッグの中のタッグチーム。この二人が生まれたころに誕生したOPG。まさに彼らの人生はOPGとともにあったといってもいい。ともに新世代のOPGの旗手と呼ばれ、第6代OPGタッグ王者でもある。必殺のゴールデンボムをひっさげて北九州にやってくる彼らはまさに岡山の最強タッグなのである。そこへくると元・ヘビー級チャンピオン陽樹と、現・ジュニアチャンピオンのゲレーロというのは一見すると「釣り合っている」ような気がする。するのだが、しかし・・・

ここ最近の陽樹の不振ぶりは「これがもとチャンピオンか?」と疑いたくなるような体たらく。前週のマットプロレスではジュニアの Barongに体よくピンフォール負けする失態を演じたばかり。いくら絶好調のゲレーロがいたとしても、チーム凱はかなり厳しいと言わざるを得ない。しかし、それでも強豪相手に燃えない陽樹ではないと信じたいので、まずはこの強敵を相手にぜひとも浮上のきっかけをつかんでほしいと願っている。

しかし、ゴールデンエッグスは、入場と同時に会場の雰囲気をがらりと変える、まさにスターのオーラを纏った、がむしゃらにいそうでいなかったタッグチームだった。華があるだけではない。常に1+1でしか闘わないがむしゃら側と違い、攻守とも常に2人で試合を作るゴールデンエッグスと比較すると、シングルプレイヤーが組んでいるだけの、チーム凱コンビがなかなか主導権をとれないのは、むしろ当然ともいえた。

がむしゃら入団前はシングルの経験がなかったゲレーロもいつのまにか立派なシングルプレイヤーになっていた。その結果がジュニアのチャンピオンベルトとしてあらわれている。

だが、それはいつの間にかタッグの戦い方から遠ざかってしまうことを意味していたかもしれない。それは一時期タッグ王者だった陽樹も同様。シングルプレイヤーとしては卓越した2人が、面白いようにゴールデンエッグスの手玉にとられているのが、ある意味切なかった。

ここのところジュニアでは敵なしでいたゲレーロがきってとられた結末は、もはや会場では当たり前のように受け取られていた。そのくらいゴールデンエッグスはタッグ屋として卓越しすぎていたのだ。

▼1DayタッグトーナメントAブロック1回戦 第2試合(30分1本勝負)
④○YASU & 土屋クレイジー vs 久保希望 & ×野本一輝
(7分30秒)※モミチャンチン負傷のため久保希望が出場

山口県人が三人もいる試合というのは同県人としては、応援するにあたってかなり悩ましい。しかし頭一つ抜きんでるためには同県人であろうと同門(所属ユニットは違うけど)であろうと、ここは叩いておかなければならない相手であることにはかわりない。特にタイトル戦線からはながらく遠ざかっている野本一輝にとってはある意味ここから這い上がらないとチャンス自体がめぐってこない可能性もある。同期の中でプロレスセンスに関しては傑出したものをもっていただけに、ナスティ人気に火がついている今こそ打って出るときだろう。

対する土屋・YASUはヘビー&ジュニアのバランスがとれたチーム。人気も高く、また二人ともテクニシャンと個々のクオリティは抜群に高い。しかし土屋をよく知るモミチャンチンが相手にいる以上、いくらクオリティが高くても、そうやすやすと勝てるわけではないことは、gWoチームも承知の上だろう。パワー&テクニックということでいうとナスティも実はバランスが取れているからだ。

しかし、ナスティにはまさかの誤算が発生した。22日の山口におけるプロレスイベントで、モミチャンチンが脳しんとうをおこし、欠場になってしまった!ただでさえ纏まりがわるいナスティが立てた策は…
代打・久保希望!

久保希望が入ることで、メリットとデメリットが生まれたナスティ。メリットは卓越したプロ選手である久保の力が加わること。デメリットはナスティ自体がチームの方向性のみえていないところ。

そこへいくとgWo長州連合は実にバランスのとれた良いチームだった。2人が魂の部分で共鳴し合うような不思議なチームワークが生まれていた。はじめて組んで始動するという点では両チームとも同じ条件なのだが、方向性と結びつきという点では大きな開きがあった。

加えて近年野本が繰り出すゴッチ式パイルドライバーのタイミングが早くなりすぎている悪癖もYASUと土屋は見切っていたようにみえた。パワーと体重差で押し切ろうとした野本を嘲笑うかのように、見事に丸め込んだYASUのテクニックと、要所要所でYASUを好フォローした土屋。優勝予想しておいて言うのもなんだが、この時点で私の予想は確信に変わり始めていた。

▼チーム凱vsLCR 対抗戦 6人タッグマッチ(30分1本勝負)
⑤タシロショウスケ & ○ジェロニモ & 尾原 毅 vs ×Barong & Barong-rapido(バロン・ラピード) & Barong-peyang(バロン・ペイヤン)(16分31秒)

この対抗戦のポイントとしては

①チームの要として機能している選手の立ち位置の変化
②ウィークポイントになる選手の変化

の二つがある。

①は、普段LCRの要として活躍しているBarongが増殖したBarong軍団のリーダーになっていること。そして凱サイドの要であるジェロニモの復調のことを指している。②はジェロニモの復調が本物なら、Barong軍団のターゲットはタシロにかわる可能性が高い。逆に凱側はBarong軍団のだれをターゲットにするのか?

タッグトーナメントに隠れがちだが、一気に増殖した Barong軍団はかなり不気味な存在。これまでがむしゃらにいそうでいなかった「増殖するマスクマン」という手で凱をかく乱しに来たのか?それともLCRの軍団拡張の目的か?いずれにしても手ごわいイメージはぬぐえない。復調の兆しが見えているジェロニモにしてもこれは厄介極まりない相手と言っていいだろう。何せ、 Barong自体が陽樹をフォールした時点で、このカードの注目度もぐんとアップしている。プロレスのテクニックでは抜きん出ている尾原毅のアキレス腱でもあるインサイドワークも Barongにしてみたらお手の物なのである。こういう時こそ要になるべきジェロニモがどれだけ活躍できるか?凱の浮沈は彼の双肩にかかったといってもいいだろう。

Barong軍団は予想通りタシロ狙いで、ローンバトルに誘い込む。タッグが苦手な尾原と、乗せるとこわいジェロニモを出させない作戦はかなり奏功していた。

本来ならタシロがウィークポイントになるようではダメなのだが、この日もアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げながら、足元がふらついたり、ふらついた勢いで担いだ相手を危険な角度で場外に落としたりしていた。

しかし、Barong軍団はいわば急増チーム。終盤になると、普段のLCRならありえない綻びが少しずつ出はじめた。普段ならLCRの要になるBarongが、慣れないチームリーダーも兼務した点がLCRにとっては落とし穴になった。復活したジェロニモがしつこくジェロバスターをしかけ、タシロが相手から奪った粉攻撃で、Barongに目つぶしをかけると、因縁の深いジェロニモが再度ジェロバスターを決めて自らリベンジを果たした!

ジェロニモの復活はここの所明るい話題に乏しかった凱にとっては大きな力になったと思う。

▼1DayタッグトーナメントAブロック準決勝(30分1本勝負)
⑥×ダイナマイト☆カドワキ & ALLマイティ井上 vs ○YASU & 土屋クレイジー
(9分22秒)

山口県対島根県の対抗戦という形になったAブロック準決勝。チーム歴でいえば一日の長がある井上同盟と、一回戦突破で波に乗る長州連合。どっちが勝ってもおかしくない対戦だった。しかし連戦が続き、体にダメージが残る井上は今一つ本調子でない。いつもならローンバトルになってもカドワキに任せて、ポイントだけ登場すればいいということもできたのだが、トーナメントになるとなかなかそうはいかない。カットに入るタイミングが遅れると、命取りにもなりかねない。

決め手は中盤で井上の膝を破壊した土屋の膝十字固めだっただろう。これにプラス要所要所で放つドラゴンスクリューはスーパーヘビー級の体重を抱える井上にとっては大きなダメージを負うことになってしまった。加えてすかさずYASUが井上の膝に集中攻撃を加え、一番うるさい人間を戦線離脱に追い込んだ。ここがターニングポイントになったと思う。

見殺しとはいかないが、結果井上はカドワキの救助には入れなかった。こういう細かい機微が勝敗の明暗を分けるのもタッグならではのだいご味だなと私は感じた。

▼1DayタッグトーナメントBブロック準決勝(30分1本勝負)
⑦KENTA & ○鉄生 vs ジェリーK & ×上原智也
(7分09秒)

人気沸騰のゴールデンエッグスを前にしても全く声援がやまないLCR。チーム凱相手には大声援だったOPGも、LCR人気の前にはヒールにならざるをえないほど。もっともジェリーKも上原も悪いことをするわけではないので、ブーイングは飛ばないのだが、この図式では本来やりたいことができにくいLCRにとっては、やりにくいことこの上ない。ゴールデンエッグスの勝ちパターンとしては、まず膝狙いにきて、動きをとめ、膝を持ち上げてマットに打ち付けてから、流れを自分たちにひきよせて、鮮やかな連携プレーで畳みかける。もちろん戦力の分断も視野にいれつつだから、凱のようなシングルプレイヤーの寄せ集めなら容易に勝利を手にできる。

しかし、LCRの二人はがむしゃらの中でも連携にたけ、知恵も回る。加えて実力・人気ともに絶頂期にある。崩すにしても凱と同じパターンで勝てるわけではない。そこはゴールデンエッグスの若さが裏目に出たのかもしれない。

とりあえず目先の闘いに集中したLCRはチームの勢いそのままに、波に乗るOPGコンビを撃破。決勝にコマを進めた。

正直いうとOPG対gWoの決勝を見たかったのだが、それはまあお預けでもいいかもしれない。OPGサイドとしてもこのまま勝ち逃げされるわけにもいかないだろう。ぜひともリベンジに来てほしいと思う。

▼GWA無差別級タッグ選手権試合(45分1本勝負)
⑧【挑戦者】サムソン澤田 & ×美原 輔 vs ○MIKIHISA & 豪右衛門【王者】
(17分13秒)

せっかく林・豪右衛門でメインの座に上り詰めたタッグ王座もMIKIHISA&豪右衛門だと第二試合に格下げ・・・それが前回のタイトルマッチだった。しかしそこで、MIKIHISAが成長をアピールし、お客さんも2人を王者として認めた。だからこそ今回のセミファイナルに繋がったのだと4人には思ってほしい。

本来なら高みの見物を決め込んでいてもいい王者チームに対して、しつこく食い下がってチャンスをものにした美原の執念は見上げたものがある。美原と組んだことで、図らずも二回連続挑戦の権利を得た澤田も同様。この若手二人のやる気のすばらしさは、本当に敬服に値する。

しかし、本格的タッグ屋がいないという中でベルトの権威を上げつつも、チームとして活動していくにあたり、チャンピオンサイドとしては負けるわけにはいかないだろう。もし油断でもしようものなら、即座にとって食われるだけのものを美原も澤田も備えもっているのだ。よもや、相手を「顔じゃない」などとは思ってはいないだろうが、寝首をかかれないようにするためには、王者としておこの一戦は落とせない。逆に挑戦者サイドは失うものが何もない状態で迎えるタイトルマッチ。あらん限りの力を王者にぶつけていくことこそ、最も求められていることだといえるだろう。

そして美原も澤田もあらん限りの力を出し切って敗北した。その姿はすがすがしいものがあった。デビュー一年ならば、まだ新人としていてもいいのだが、それを自分に許さない姿勢も好感が持てる。最後に決まったMIKIHISAの極楽固めはえげつない入り方をしていた。あれでは落とされてもやむをえまい。

だが試合後「お前ら、面白いよ」と悪役らしく美原・澤田の健闘ををたたえた王者組をして「何度でもやろう」と言わしめたのは収穫だったと思う。今は現実的に力の差はあるけれど、そこをどう埋めていくかはこれからの伸びしろとしてまだまだ成長の余地があるということ。そういうことでいうならば、新時代のスターとして美原・澤田が台頭する日はそう遠くないかもしれない。

▼1Dayトーナメント決勝戦(30分1本勝負)
⑨○YASU & 土屋クレイジー vs ×KENTA & 鉄生
(17分52秒)

偶然にも悪役ながら人気絶頂の両チームが決勝進出と相成った。声援も真っ二つに割れる大熱狂の中まさに死闘と呼ぶに相応しい決勝戦は、まさに白熱した内容の連続。おそらくあばらを痛めていたであろうKENTAの動きが、やや鈍っていたのが気がかりだったが、それでも伝家の宝刀・一本背負いは効果的に火を噴いたし、これで何度もgWoを窮地に追い込んでいった。

だが、体が硬い鉄生は土屋の関節技に何度も悲鳴をあげさせられる場面が多くなってきた。おまけに土屋が動いてYASUが休んでいた分、機動力という点ではgWoは全くと言っていいほど衰えがなかった。やはり捕まえるならYASU狙いだったんだろうが、土屋を追い込もうとしてその都度逆転を許してしまったあたりに、勢いだけでは突破できないタッグマッチの難しさみたいなものを感じてしまった。

LCRの場合、自分たちの人気とも闘わないといけないため、目の前の相手だけをつぶすということに集中できないハンディもあっただろう。しかしそこを乗り越えないと、単なる人気者ユニットで終わる危険性がある。スミス時代を終焉に導いてなお、やまないあ自分たちへの声援。ありがたいけど、そのまま受け取るのはなんか違う・・・・そんなジレンマとLCRはこれからも闘い続けることになるのだろう。

驚くべきことはヘビーの土屋が一度ピンをとっただけで、三試合中二試合でYASUがフィニッシュを飾ったこと。よほどの信頼関係がないとここまではうまくいかない・・・・と思っていたら・・・・

試合後のマイクで林祥弘への思いを口にした土屋。YASUとのコンビは山口県愛・そして林が人生を捧げたgWo愛にもあふれていた。そして同門の挑戦を受けることになった豪右衛門は「面白いことになってきたね」と歓迎。10月1日に決まった小倉北大会でタッグのタイトルを賭けた同門同士の対決が実現することになった。同門ながら北九州対山口の対戦になったことは大変興味深い。


全9試合という長丁場になりそうな大会も気が付くと4時間弱でおさまっていた。会場の熱狂も半端なかったし、やはり実力伯仲したメンバーが競い合うとこれほど面白いのかとこちらも勉強になることが多かった。この大会の成功で、春の祭典がタッグ、夏(もしくは秋)の祭典がシングルのトーナメントになると面白いかもしれない。今回のメンツに加えて美原・澤田も加えたらさらに面白くなるだろう。シングル中心のがむしゃらプロレスにタッグという古くて新しい概念が定着した4月23日は、ある意味歴史的な一日になったと思う。プロレスは本当に奥が深い。そして面白い!












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