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[プロレスコラム]プロレス想い出コラム~林祥弘との尽きない想い出の数々(6)

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プロレス想い出コラム~林祥弘との尽きない想い出の数々(6)

佐々木貴戦振り返る

林祥弘を語るうえでこの試合は外せないという試合が二試合ある。

ひとつは2016年2月14日の対佐々木貴戦。もう一つが7月31日の対マツエデラックス&ミステリコヤマトの試合である。

今回は佐々木貴戦を振り返ってみたい。

プロもアマも関係ねえ!

ことの発端は2015年5月5日、TOP OF THE SUPER GAMSHARA Jr’2015~気炎万丈~から始まっていた。

この日、宿敵七海健大からスーパーノヴァでピンフォールをとられた林は、珍しく激高。なんと対戦相手でもある殿こと佐々木貴にまでつっかかっていった。

よほど収まりがつかなかったのか、なおも食い下がろうとする林に向けて、殿がマイクで「リングに上がる以上、プロもアマも関係ねえ!お前がやりたいっていうんだったらいつでも受けて立つぞ!」と林にアピール。これを受けて林も受諾。

やらかしました

ところが全試合終了後、表にでてきた林は「やらかしました」と私に一言いって顔をしかめていた。どうも自分が勢いで挑戦表明したのを若干後悔しているようだった。

もともとあまり自己主張する方でない林が珍しく激高していたし、あれはやっぱイレギュラーだったんだなとこの時私は思ったものだった。でも林は「もっともっと練習していつか(殿の)前に立てるように頑張ります」とはっきりいってくれた。

正直「自分は顔じゃない」とか言い出したらどうしようと思っていたけど、そこはプロレスラー林祥弘の成長した証でもあったんじゃないかなと私は思っている。

後回しになりそうだった

そして続く7月19日のFREEDAMS北九州大会でも両者は激突。この日はダイビングダブルニードロップ(のちのヘルズクラッシュ)で、林が健大をピンフォールして借りを返している。

ここで対佐々木貴とのシングル待ったなしと思われたが、ここで思わぬ流れが生まれてしまう。

11月23日の試合後に殿が健大と鉄生に「いつでも挑戦受けてやるぞ!」と激を飛ばすと、健大が「ベルトを巻いて必ず挑戦しますから待っていてください!」と返礼してしまい、流れが七海健大対殿のシングルに移行しそうになってしまう。

もともとフライングマイクでGWAへビーへの挑戦権をもぎ取ったことがある七海健大の勢いを考えると、下手しなくても林戦が後回しになりかねない。でも対殿ということに関しては林が先に先鞭をつけている案件である。これを後回しにされたのでは意味がない。

ついにシングル戦が実現

しかし実によくしたもので、11月の大会の後は2月のgWo興行が待っていた。時は2016年2月14日。ここでついに林祥弘対佐々木貴のシングルマッチが実現する。

ここまで約1年あまり。まさに機は熟したといえるタイミングだったと思う。自分のプロレススタイルを完成させるまで6年を費やし、ヒール転向からもこつこつと自分のプロレスを追求し続けた林らしい実直なファイトに、佐々木貴も容赦なくそれに応えた。

本当に叩き潰しに来ないとああいうファイトはできはしない。それにまた林もよく耐えた。耐えるだけでなく林も佐々木貴を本気でつぶしに行っていた。リングを降りれば憧れの人でもリングに上がればただの対戦相手。そこまで関係性の純度を高められた二人には敬意を感じてしまった。

一線を引いていた時期

ましてや、がむしゃらプロレスには一時期プロとアマの交流に一線を引いていた時期があって、その渦中に入団してきた林にしてみたら隔世の感があったに違いない。

対戦している2人が相手のことしか見てないのであれば、やはりこういう試合にはならなかっただろう。

観客の目というものを常に意識したうえで全力の死闘を演じたという部分がこの試合を屈指の名勝負にした要因のひとつであろう。

課題をクリア

これこそ結果はどうでもよかった。

試合の中で何を表現できているかが重要だったわけで、林はその課題を見事クリアしてみせた。やはりだてに林は芸術劇場のメインを二回連続はってきたわけでない。

若手時代、下手したら野本一輝のインパクトに埋没したかもしれない彼のレスラー人生で、己の力だけで輝いて見せたこと。ここにこの試合の最大の意義があったのだ。そしてそれを見事に引き出した殿のプロとしての力量の確かさと、懐の深さには脱帽するしかなかった。

がむしゃら史上に残る試合

結果的にこうなったからいうわけではないが、佐々木貴対林祥弘はがむしゃらプロレス史上に残るベストバウトになったといってもいい。この試合が実現して本当によかったと思う。

大会後にまた赤煉瓦の階段下で我々を迎えてくれた林は疲れ切っていたけど、満足感のある顔をしていた。その表情がみられただけでも私は満足だった。

「リングにあがる以上、プロもアマも関係ない」・・・佐々木貴のこの言葉を体を張って実践して見せた林祥弘は、気が付いたら紛れもない立派なプロレスラーになっていた。

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『FREEDOMS vs がむしゃらプロレス 対抗戦』

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