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DDTスーパースターレーン2016観戦記(2016年7月3日(日)福岡・博多スターレーン)

DDTスーパースターレーン2016観戦記(2016年7月3日(日)福岡・博多スターレーン)

昨年はがむしゃらとぶつかって見られなかったDDTの夏のスターレーン。正直全面開放を年二回というのはだいぶんリスキーだろうなあとは思っていたが、二団体で借りても満員にならなければ収支的には厳しいと聞く。

ハーフスペースでは満員になっても収益が厳しいとなると、だんだんスターレーンで大会を打つ団体が減ってしまう。それはとても危惧することで、正直捨てカードでも満員にできる新日は例外としても、ほかの団体にそんな余裕はとてもない。

大日がアグレッシブにスターレーンを借りて大会を打っているうちはまだいいのだけど、大日が撤退したら一気にプロレスの火は消えてしまいかねない。そう考えると決して入りが多くないこの日のDDTをみて一抹の焦りを覚えずにはいられなかった。

 

▼オープニングマッチ 30分一本勝負
○男色ディーノ&入江茂弘&相島勇人 vs 高木三四郎&大鷲透&平田一喜●

13分1秒 漢固め
※男色ドライバー

だいたい、異色なメンバーになることが多い男色軍だが、今回は特に異色!

何と言ってもさざんぴあでやっていた時に男色先生に追いかけ回された相島先輩がまさか、その男色軍に入るとは!

そしてドリフ解散を受けて入江がこのメンツの中に入っているのも興味深い。

だが残念ながら元ドリフがこの中で頭角を現したとは言い難い。正直どうやっても平田に美味しいところは持って行かれるシチュエーションだらけだし、男色先生は特に美味しい場面を見逃さないので、彼らが先頭に立つためには、やはりドリフ時代とは違う印象を残さないといけない。

この試合は、そういう意味では大社長が入江に課した課題とも言えるだろう。

試合終了後は理性のタガが外れた男色先生が相島を急襲。必死で逃げる相島というおなじみの絵が展開された。

 

▼第二試合 DDT EXTREME級選手権ストックホルムスタイル・キスキスバンバンデスマッチ 60分一本勝負
<王者>○LiLiCo with 渡瀬瑞基 vs 大石真翔● with ばってん×ぶらぶら<挑戦者>

7分41秒 KISS
※第36代王者が初防衛に成功。※帯同したセコンドとリング上で5秒間、キスをしたら勝利となる特別ルール。

LiLiCoのスケジュールの都合なのか?いきなり第二試合におりてきてしまったこの試合、うまくまわせば爆笑がとれる試合になっただろうけど、ばってんの面倒を見つつ、同時にLiLICoも回さないといけないまこりんの苦悩が試合から見えすぎていた感じがした。

これはいくらなんでもハードルが高いし、LiLICoのパートナーである渡瀬にまこりんの負担の半分を持たせるにはやや酷でもある。

しかし、いくらエクストリーム級が王者によってルールが決められるベルトといってもものには限度というものがあるし、正直そそる内容だったかというとこれ以上面白くなりようがないよねというところまで来てしまったので、正直男色先生がラストで挑戦表明しなかったら、この試合そのものがグダグダで終わっていただろう。

そういう意味ではだれも得しない試合というのはDDTとしては珍しいというか、どうしちゃったの?という印象の方が強かったりする。

 

▼第三試合 山下実優凱旋試合! 30分一本勝負
○山下実優&中島翔子 vs 赤井沙希&坂崎ユカ●

11分43秒 体固め
※クラッシュ・ラビットヒート

久々の東京女子!できれば赤宮サキできてほしかったところだが、まあ、あれは終わっちゃったし、山下美優凱旋以外の意味合いを試合に入れてまもあまり意味がない。

そのせいか、坂崎と中島がその他大勢になってしまったのは大変残念。確かに東京女子が単独でやった博多大会の時より試合のレベルは上がっていたけど、これなら地方大会に華を添える女子プロレス提供試合レベルでしかない。

せっかく見栄えのする赤井と山下の蹴り合いによる攻防がありながら、それだけで終わってしまった。

今後も単独開催は困難であると思われる東女が、ワンオブゼムにならないようにするためには、子の大会で一番目立ってやろうという気持ちくらいないと厳しいと思う。

結局東女絡みで一番盛り上がったのは、LINQの伊藤真紀がプロレス入りするところだったので、今の主要選手の課題は結構多いんじゃないだろうか?

 

▼第四試合 30分一本勝負
○HARASHIMA&高尾蒼馬&アズール・ドラゴン vs 坂口征夫&マサ高梨●&梅田公太

11分5秒 片エビ固め
※蒼魔刀

ドリフ解散でHARASHIMAと高尾が組むのもかなり久々な気がする。それだけ長い間DDTのいち風景になっていたことを考えると、今までチーム売りされていた3人がいよいよシングルレースにも顔を出すことになるわけだ。

だが試合はほぼHARASHIMAとアズールが握り、高尾がつなぐ役割に。これではドリフ時代とあまり変化がない。

逆に酒呑童子は梅田を全面に出しつつ、坂口を上手くコントロールするマサ高梨がいるせいか?KUDO欠場のハンディは微塵も感じさせない。

こういう巧さはやはり今後高尾が目指していく路線にはあっている気がする。とはいえ、高梨クラスを目指すとなればかなり難易度も高いしハードルも決して低くはない。

で、その可能性が見えたか否かというと、正直判断しかねるくらいこの日の高尾は試合に埋没していた。あれだけのスター性がありながら、何とももったいない話である。

でもやはりドリフを解散した以上、次につながるものが残せないと生き残るのは難しい。

 

それが今のDDTなのだ。 

▼第五試合 ディック東郷現役復帰戦!スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負
○ディック東郷&アントーニオ本多 vs ヤス・ウラノ&ワンチューロ●

13分26秒 片エビ固め
※ダイビング・セントーン

私が巖鉄魁という選手をはじめてみたのは、もう20年以上前の話になる。場所はルチャの派手な試合がウリのユニバーサルという団体内では、よくいえば堅実、悪く言えば地味な試合をしていた若手だった。

その巖鉄がメキシコ修行を終えてSATOというマスクマンになって凱旋したシリーズも博多スターレーンで観戦していた。正直言われなければわからないくらいSATOと巖鉄は異なるレスラーだった。

この時の試合後、帰りの高速のサービスエリアの自販機コーナーで、私は偶然素顔のSATOと隣り合わせになったのだ。もちろんプライベートだし、先輩選手のおつかいをしていたらしい

そしてみちのくプロレスがはじめて博多スターレーンに来た時、ここではじめて私はディック東郷という選手に初遭遇することになる。それまでのSATOとも厳鉄とも違う魅力を備えた東郷はたちまちトップ選手としてその後は世界に知られるまでになっていく。

そんな東郷が引退前にプロレス居酒屋がむしゃらにきてくれたことがある。なかなか話すチャンスがなかったけれど、最後の最後でかつて隣通しになったことなどを話したら喜んでくれて一緒に記念写真を撮ってもらった。

そこから5年が経過して復帰を決めた東郷はあのころとなんら変わらない東郷だった。試合を見て五年という時間を感じさせない一つ一つの動きは本当に素晴らしく、再び彼の試合が見られたことを誇りに思いたい。 

▼第六試合 博多名物スペシャル!ワンダフル!サバイバル!4WAYマッチ 30分勝負○マッド・ポーリー vs 石井慧介 vs 遠藤哲哉 vs マッド・ポーリー vs 樋口和貞

【試合経過】
(1)○マッド・ポーリー vs 石井慧介●
5分41秒 体固め
※ポーリーバスター
(2)○遠藤哲哉 vs マッド・ポーリー●
7分29秒 回転エビ固め
(3)○遠藤哲哉 vs 樋口和貞●
13分27秒 片エビ固め
※スカイツイスター・プレス。樋口の持ついつでもどこでも挑戦権が遠藤に移動。

ドリフ解散のトリは石井。入江はもともとシングルプレイヤーでもあったけど石井や高尾はそこまでシングルでやっているイメージはない。

そこで、大社長組に対峙する入江、前王者のHARASHIMAと組んだ高尾ときて、シングルながら4ウェイという難易度の高い宿題が出た石井がどうでるか?

しかし、その石井は早々脱落。試合は遠藤と樋口の争いに。こうなると勝ち残り式という試合形式にした意味合いがあまり感じらない。

やはり石井がキーマンになり、意外性のある選手が勝ち残ることこそミソなはずだが、脱落が早すぎた。

なぜ遠藤の勝ち残りがあまり興味をひかないのか?それは現時点でいつでもどこでも挑戦権をもち、かつてのタッグパートナーであり、現K-ODシングル王者の竹下に大差をつけられている遠藤が、竹下より後輩の樋口に遅れをとるわけにはいかないからだ。

もちろん樋口にも先輩越えを果たし、再びK-OD戦線に返り咲きたい動機もあるが、遠藤ほど切羽詰ってはいない。

だからこそ、この2人が勝ち残るにしても、よりスリリングに進めないと、試合形式の意味がなくなる。

石井に求められたのは、多分この試合形式を生かしていかにしてまわすか?という部分だろうし、それが出来なかったということは、石井への宿題として残された形になってしまったとも言えるだろう。

一方このカードに入れられた遠藤は明らかに不満そう。こういう本音が垣間見える試合は緊張感をうむ。仲良しこよしではなくなった竹下と遠藤のストーリーはむしろ歓迎したい。 

▼セミファイナル KO-Dタッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>●佐々木大輔&石川修司 vs 大家健&KAI○<挑戦者組>

17分51秒 片エビ固め
※スプラッシュ・プランチャ。佐々木組が4度目の防衛に失敗、大家組が第55代王者組となる。

一番びっくりしたのは久々登場の大家健がすっかりガンバレプロレスの人間として認識されていたことだった。入場するなり大・大家コールに包まれたスターレーン。WRESTLE-1チャンピオンであるはずのKAIであえ脇役になってしまうくらい、この試合の主役は大家健だった。

とはいえ、見所としてはもうひとつ。かつてのユニオンの仲間たちがBASARAとして同日興行を行う中で、石川と大家がこんな形で相対峙するというのもなかなか感慨深い。ただ、正直言うとKAIと大家は急造タッグだし、かたや百戦錬磨の佐々木と石川が組んでるとなると、その感傷ばかりに浸ってはいられない。

しかしこういう逆境にいてこそ、”ガンバレプロレスの大家”は本領を発揮していく。

たとえ生でガンプロを見てなくても、大家の今をDDTファンはずっと追いかけているからこそ、何度も何度も大家コールが起きたし、佐々木も石川も憎々しいまでに大家を蹂躙していく。そこへKAIが実にいいタイミングで大家を休ませていく。

メジャープロレスというよりインディの中にいてこそ彼は光るんだなあとつくづく思った。ただ、こうした彼をみているとWRESLE-1に還元されない活動というのを、チャンピオンであるKAIが続けていけばいくほど空回りしているようにも見える。

試合はこれでもかというくらい大家がボロボロになり、同士うちもありながら大逆転で大家・KAIが初戴冠!抱き合って喜ぶ大家とKAIは心が通じ合ったのか?ずっと組んできたかのような戦友感をリング上から放っていた。いや、面白かった! 

▼メインイベント KO-D無差別級選手権試合 60分一本勝負
<王者>○竹下幸之介 vs 宮本裕向●<挑戦者>

18分38秒 ロールスルー・ジャーマン・スープレックス・ホールド
※第58代王者が初防衛に成功。

21歳の王者竹下が34歳の宮本を挑戦者として迎え入れる事実はなかなか感慨深い。とはいっても50を超えた私から見たら、どっちも若手にしか見えないのだけど、実際長い間トップ選手として試合をしてきた宮本がこの日だけは小さく見えた。それくらい王者竹下はベルトを戴冠してから大きく変化してきていたのだ。

ベルトの重さや、メインを務めることの重要さ、そして団体を背負って立つ覚悟、すべてにおいて竹下は圧倒的にオーラを放っていた。正直ここまで圧倒的だとは思わなかったので、宮本が持てる力の限りを出し切ってなお、王者の牙城を崩せなかった。

宮本が竹下を格下扱いもしていなかったし、本気で叩き潰しに行っていたにも関わらず、そのすべてを竹下は受け止めて倍返ししていった。試合中、宮本に追いつめられて青息吐息になる竹下の姿はついに最後までみられなかった。

正直最後はHARASHIMAが巻くんだろう、というKO-Dシングルのイメージを竹下は覆しつつある。これはとんでもないことである。戦前、この試合で竹下が防衛して遠藤との対決を領国にもっていくのかなと思いきや、試合後登場した遠藤との対戦は次回後楽園に決定。

ここで遠藤対竹下をビッグマッチまで引っ張らない潔さもDDTの攻めの姿勢の素晴らしい所である。

逆に言うと遠藤対竹下が両国のメインとするには時期尚早と判断されたことでもあるのだが・・・

個人的には両国前であるにもかかわらず宮本対竹下という極上のカードを組んできてくれたDDTには大いに感謝したい。

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