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[心理× プロレス観戦記]がむしゃらプロレス"チーム凱"自主イベント『百花繚乱』~がむプロ春の侍祭り~観戦記

がむしゃらプロレス"チーム凱"自主イベント『百花繚乱』~がむプロ春の侍祭り~観戦記(2016年4月24日(日)会場/門司赤煉瓦プレイス)

2月のgWo興行を大成功させた後、今度はチーム凱が自主イベント。

しかし、この間熊本や大分を襲った震災のおかげで意味合いが大きく変わってしまった。

もともとgWoと凱のどっちが多くのお客の支持を得るかという流れだったのだが、被災し今も熊本で避難所生活をおくる那須レフェリーがある意味この日の主役のひとりになったことで、本来の流れではなくなってしまった。

本当なら凱に対して毒づくドン・タッカーも「今日はチーム凱を応援してやってください」とアピール。

ユニット抗争というより、がむしゃらの熊本・大分遠征を実現するために各ユニット、各選手が何をなすべきかを問われる大会になった。

▼ダークマッチ紅 試練の7番勝負(15分1本勝負)

⓪×紅 vs ○ジェロニモ(6分27秒)

紅の試合見ていて思うのは「頭ではわかっているんだな」ということ。多分先輩のアドバイスも理解はしているが、腹落ちしてないから身体がついてきていない。

つまり無意識が抵抗するから、意識で体をコントロールしようとしても上手くいかないのだ。頭では「やられても上を向け」と身体に命じても、「上を向いたらまたきつい目にあうからイヤだ」と抵抗している状態ではないかと思われる。

この無意識の抵抗に対し折り合いをつけて、協力してもらわないと、人間は実力は発揮できない。

こればかりは根性論や説教ではどうにもならない。ではどうしたらいいか?プロやオリンピック選手ならメンタルトレーナーと意識改革に取り組むこともできるが、お金がかかる。

しかし、そこまでしなくても自分の無意識がなぜ抵抗し、なぜ意識の命令に協力しないのか?その理由を徹底的に考えてみるのも一つの手である。

うまくすると、そこで何かに気付けるかもしれないからだ。

それにはもしかすると、自分の内面にある見たくない部分を直視しないといけないかもしれない。でもそこを乗り越えない限り、一生逃げ回ることになり、ますます苦しくなるだろう。

つまり自分自身との闘いに勝てない限りは、どんな相手と闘おうが勝利の実感を得られることはないのだ。

紅は一度本気で自分の内面と徹底的に向き合ってみるといい。多分それがどんな7番勝負の試練より辛くて厳しい闘いになるはずだから。

▼ノーロープ・有刺鉄線・電流爆破しない、エニウェアフォール・スクランブルバンクハウス・月光闇討ち気分・テキサスブルロープ&チェーン未使用、ホワイト・バッファ・マテリアルボード・デスマッチ 疲れん程度1本勝負

①×パンチくん vs ○ダイナマイト九州(6分23秒)

大袈裟な試合形式だが、要は発泡スチロールボードを並べたリング上で二人がじゃれ合うというもの。

まあ、普段見慣れているムーブにボードを絡めただけでかなり異なる光景が見られたのはよかったと思う。

この試合形式自体には何の問題もないし、ツッコミどころをたくさん用意して、その中でいかに真面目な顔して試合できるかがミソ。実際この試合だけ、メタルラックに実況させて、プロの芸人さんにツッコミいれさせたり、リング上の二人の本名を実況でバラしたりと、目論見は九分九厘成功であったと思う。

しかし、想定以上に発泡スチロールが飛散してしまったことは誤算だっただろう。後片付けに無茶苦茶手間がかかり、次の試合との間が空いてしまったのは、計算になかったのかもしれない。

オチとしては、それこそ日本プロレス時代みたいに〇菱製の掃除機でリング上をきれいにしたら、プロレス的にもキチンと締まったかもしれない。

▼美原輔デビュー戦 6人タッグマッチ(30分1本勝負)

②×マスクドGWO2号 & L.O.C.キッド & 鉄生 vs 美原 輔 & ○タシロショウスケ & ジェロニモ(13分42秒)

GWO2号は誰かと思いきや、おまけ軍の竹ちゃんマン。鉄生に引き摺られてマスクを剥がされると下にはGWOマスクが!するとそれまでオドオドしていた竹ちゃんマン改めて2号の雰囲気がガラリと変わった!

もともと竹ちゃんマンも、おそらく二号も中の人は同じだと思われるので、できるはずだとは思っていたが、まさか武ちゃんマンと二号の個性を素顔の時ともまた違う形で表現してくるとは思わなかった。この突然現れた二号は実にトリッキーでキックを多用する選手。ここまで雰囲気が変わるともはや別人といっても過言ではない。

これは新戦力としてカウントしていいのではないかと思う。

そこで、がむしゃらの新戦力として美原がどのくらいできるのかが鍵だった。実際リングに立って新人らしい初々しさも備えつつ、百戦錬磨のgWoに自ら対戦を希望するなど、度胸もいい。またできる技は限られているのに積極果敢に攻めていこうとする姿勢も好感度が高い。たぶん若さゆえに、自分の中の無意識の抵抗をはずしやすいというのもあったのだろうけど、このまま上半身に肉がついて、一発一発の技に威力が増すとちょっと手におえない存在になりそうである。

ゲレーロが出てきたときのような衝撃とはまた違う、原石をみつけた感覚が近いような気する。

この美原の動きに発奮したタシロやジェロニモも奮闘した。特に一時期はかなり伸び悩んでいたタシロも後輩ができて発奮したのか、一時期のような迷いが少なくなっていたし、得意の身長を生かした攻撃はダイナミックになっていた。成長速度には個人差があるので、最初からできている必要はないのだけど、こうして後輩に触発されるというのもひとつ大事な要素だなと思う。

ただ鉄生相手だとまだ飲まれている感じがしているので、そこを飲み返すくらいの迫力を付けていくとなおいいかもしれない。

▼蹴りにこだわる男のシングルマッチ(20分1本勝負)

③×MIKIHISA vs ○尾原 毅(6分40秒)

厳密にいうと両者の持ち味は蹴り+関節技なんだけど、蹴りはともかく関節技の精度で言うとまだまだMIKIHISAは尾原の足元には及んでいない。そこがやっぱり差になってギブアップしたのはMIKIHISAだった。ここで尾原越えを真剣に考えるならば、関節技と蹴りの両方で先輩越えを考えるのではなく、関節をとられる前に蹴り倒すくらいの気持ちでいかないと難しいと思う。

MIKIHISAには正直今持っているヒールのスキルも総動員して、なんとしてでも勝ちたいという気持ちを前面に出してほしかった。タイトルにある通りこだわりがあるのは全然いいんだけど、固執しすぎて今やっていることを忘れてしまっては意味がない。ヒールのスキルは残念ながら尾原にはないし、本人もやる気がない。

そこはMIKIHISAにしかない部分だったので、真っ向勝負もいいけどそこにもうひとつ自分のもっているものを全部ぶつける気持ちであたってほしかった。この試合は悪役としてはあまりに真っ向から勝負しすぎていた。そこがやはり残念だったといえば残念。

確かにいい試合ではあったんだけど、いい試合で終わらせちゃ尾原越えはない。

実に数年ぶりのシングルで、しかも出場数が限られている中で、きっちりコンディションを整えてきた尾原と、レギュラーで試合をしているMIKIHISAだとやはり実戦で、軌道修正するチャンスがより多いのはMIKIHISAの方である。

今後、もし再度ぶつかることがあったなら今までの経験値を全部引き出しから引っ張り出してもらいたい。

▼GWO vs チーム凱 ユニット対抗戦タッグマッチ(30分1本勝負)

④○豪右衛門 & 林 祥弘 vs ×TA-KI & 七海健大(16分25秒)

実は七海健大が最初に今のテーマ曲を使用した試合のタッグパートナーがTA-KIである。よく考えるとタッグ結成はそれ以来になるから結構同じユニットながら組んだ経験は少ないのだ。おまけにタッグ流出&奪還失敗という点でも共通している。タッグベルトという点ではジャンケンコンビにしろ、盟友タッグにしろ、がむしゃらでは数少ないタッグ屋の実績をもつ両者なだけに、このウィークポイントは痛かった。

しかもそれをわざわざ試合前に認めてしまったのはミステイクだったなと思う。確かに再挑戦はgWoからチャレンジャーを出すという既定路線に、反発したい気持ちはわかるのだが、退路を断ちすぎてしまうのは逆にプレッシャーにもなってしまう。

試合前に、負けた方がチーム凱離脱という条件を自分から提案したのもらしくなかったし、そのせいか、TA-KIは序盤から丸め込みに出て短期勝負を狙うがこれはどうも相手に読まれていた節がある。

林も豪右衛門も最前線で闘い続けている猛者なだけに、経験則から容易に判断することは可能なのだ。

いつもならその相手の三手、四手先を読むTA-KIらしさがこの試合にはなかったように、私にはみえた。

だから序盤で与えたダメージが終盤になって効いてくるという流れも作られていなかったこともあり、中盤に掴みかけたチャンスも逃してしまう形になった。

健大も普段ならあまり負けは引き摺らないのだが、TA-KIの分までフォロー仕切れるほど周りがみえているわけではない。それはやはり松江遠征の後遺症と思われても仕方あるまい。

さて、結果を受けてTA-KIは無所属となってしまった。しかし、ここからの巻き返しが頭脳派レスラーの真骨頂である。かつての頭脳派ヒールというより新しく進化したTA-KIがみてみたいと私は願っている。

▼GWO vs チーム凱 ユニット対抗戦タッグマッチ(30分1本勝負)

⑤YASU & ○SMITH vs トゥルエノ・ゲレーロ & ×野本一輝(17分02秒)

現時点で北九州在住なのがゲレーロしかいないという一風変わった組み合わせ。注目はやはりジュニア対決というより、YASU対一輝、スミス対ゲレーロという形になるだろう。

特にアメリカンスタイルの権化であるスミスと、メキシコで基礎を磨いたゲレーロとの邂逅は注目に値する。

特に間合いも使う技も異なるため、同じ団体の選手ながら全く色合いが違うのはみていて面白かった。

見ていてなんか隠し球を用意してそうなスミスと一輝だったが、出せなければ意味がない。だせる所では惜しげなく使うけど、普段は徹底的に隠し通すのが隠し球なんで、そういうことでいうなら、スインギング・リバースSTOを出せるところで繰り出したスミスが一枚上手ということ。

ゲレーロのインディアンデスロック系のムーブはいざというときにはフィニッシュムーブになりうる強力なもので、序盤で使うにはややもったいない。使い所という点では、やはり再考を要するかなと、私には思えた。

▼スペシャルタッグマッチ(30分1本勝負)

⑥×久保希望 & 阿蘇山 vs GENTARO & ○越中詩郎(12分07秒)

この試合のポイントは越中、であるのはいうまでもない。しかし、当初参戦予定だった杉浦の欠場を受けて、GENTAROが参戦したことで、大きな意味合いができた。

レッスル夢ファクトリー時代に、99年にF.M-TARO(ファイティングマシンタロー)と名乗りデビューしたGENTARO。

その時別キャラクターとして主要選手の一人であったのが、阿蘇山である。

そうすると、実に17年来のストーリーが隠れていることになる。新人のF.M-TAROがGENTAROとして、阿蘇山に対峙するというのは夢ファク時代ではありえなかったこと。

夢ファク以降、両者の邂逅がほぼなかったのは意外といえは意外なんであるけど、こうしてリング上で再会が果たせるのもプロレスならではの光景である。

今や業界屈指のテクニシャンであるGENTAROと、九州の重鎮阿蘇山という組み合わせは、昔を知らない人にも魅力ある対決であるはずだ。

その阿蘇山が年上の選手と闘うのはたぶん対藤波戦以来だと思うが、やはり越中とのぶつかり合いは迫力がある。

こうなるとどうしても久保が越中に爪痕が残せるかどうかになるんだけど、その視点で見るならやや物足りない。

なんせUWFのキックとサブミッションを雨あられと受け続けてそこから下を向かずに立ち向かい続けたからこそ、未だに根強い越中人気がある。

そこへいくとやはり久保は越中と同系の選手であるがゆえに、いつもと同じスタイルでいくとやはり分が悪い。

越中の引き立て役としてはホスト役を果たせたとは思うが、発展途上中の久保がそこで終わるようではやはり困るのだ。

この百戦錬磨の達人の中で久保希望ここにあり、という場面を一つでもたくさん作り出すことが、今後の課題になるだろうと私は思うのだ。

▼GWAヘビー級認定選手権 試合(60分1本勝負)

⑦【挑戦者】×ジャンボ原 vs○ 陽樹【王者】(16分15秒)

チーム凱興行のメインは同門対決。いささか唐突な感はあるが、一線から退きつつあるとはいえ、マスクドPTにシングルで黒星をつけたのは、スミスとジャンボしかいない。

そういう意味ではこれ以上ないチャレンジャーでもある。メインをユニットの全面対抗にしなかったのは、ある種正解であった。

序盤はジャンボが陽樹の腕を、陽樹がジャンボの膝を一点集中して攻め込んだ。どちらに転んでもおかしくない展開はまさにタイトルマッチにふさわしい重厚な試合内容。

しかし、最初にダメージがあらわれたのはジャンボだった。途中膝に来て立てない展開になり、一気に雲行きが怪しくなる。かさにかかる陽樹は場外で椅子攻撃も加え、とどめを刺しにいく。

だが、痛めた足でジャンピングニー、レッグラリアットで攻勢に出たジャンボは逆転の流れを自力で引き寄せた。やはり今この時点で挑戦すべきチャレンジャーであったのだ。

正直今まで見た中でここまで陽樹を追い詰めた選手はなかなかいない。GAM1でも見当たらない。

王者がくいさがるジャンボを振り切るように、仕留めたのは、本当にメインにふさわしい結末であった。

しかし、なぜか陽樹のメインはたびたび部外者に余韻をかき消される。

この日も突如ベルトを肩にかけた、松江だんだんプロレスのグレート・カグラが登場。

「お前らのタッグのベルト、今どこにあるか知ってるか?そう、松江だんだんプロレスがもってるんだよ!7月31日、お前らのベルトと俺たちのベルトをかけて全面対抗戦やってやる!陽樹、お前は俺とやれ!ダブルタイトルマッチだ!」と宣戦布告。

これに呼応して陽樹が受諾したため、松江だんだんのシングルベルトとGWAのシングルをかけたWタイトルマッチが決定した。

ここ最近カグラにずっとつけ狙われていた陽樹にしてみたらなんとかここでけりをつけたいところだろうけど、あまり功を焦るとタッグの二の舞になりかねない。

全体的に今回も満足度の高い大会だった。

美原のデビュー、越中の登場、メインの白熱した戦いに加え、いや応なしに対他団体の流れができつつある。

今後、今年後半はおそらく中国地方、九州をまたにかけた新しい戦い模様が展開されていきそうな予感がする。とりあえず7月の全面対抗・全試合タイトルマッチの行方が気になるところである。

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